紅い糸 ep7

~現在~

希から連絡が来たのは母が失踪してから２日後だった。浅井町の三角公園に来てと端的な文だけが送られてきていた。
ああ、遂に''勧誘''をされるのかとビクビクしていたが内心、デートに行こうと言われるのではないかとも思っていた。
あれから母は帰ってきていない。が、不思議と焦りもない。 何度か1週間くらいかえって来ないなんて事はあったのだ。
普通に大学に行き、普通に友達と飲む。なんて平凡な1日を送っていた。
友人からは、

友人「いやいや、そんなやべー女絶対やめとけって！！やるだけやって離れろって！」

と言われたが、自分はもう、''希''という人間に興味を持ってしまっている。
どこか懐かしくて、どこか緊張する。そしてどこか寂しげな。…
そんなことを思って歩いていたら三角公園の近くの警察署から1人の女の子が出てきた。

希だ。

俯きながら短い歩幅で歩く彼女は前回あった時とはまるで別人だった。
…泣いてる？ ように見える。

公園に向かう彼女の肩をカフェでされたように叩くと、ヒッと脅えた声で俺の方に振り返る。

何故か安心したような表情で彼女は泣きながらこう言った。

希「…ごめんね。こんな''姉''で！！」

そう言って彼女は走り去っていた。