紅い糸 Prolog
赤い糸とは
「運命の赤い糸」と呼ばれる。 目には見えないが、やがて添い遂げる運命の男女が赤い糸で結ばれているという。 運命を感じさせる様子を「赤い糸で結ばれる」などと言う。
この物語は二人の運命の話である。
消えた輪郭
脈を打つ脳
赤く染った''それ''は私を駆り立てた。
誰が悪いかなんてわかっているが、
それは掟にすぎない。
優しかった。優しかった。
「最後に一つだけ聞いてもいい?」
「''私の事殺したかった?''」
甲高い笑い声は近くの鳥を逃がした。
鉄を踏みしめる。
二人は最初から同じだった。