モータルコンバットの映画を観た(ネタバレ感想)
モータルコンバットとは…
・キャラが実写取り込みの洋ゲー
・色違いのキャラがいっぱいいる
・ニンジャのキャラがいっぱいいる
・すごい超必殺技を使うと、相手がバラバラになる
くらいの認識で止まっている。
しかし、海外では今でもシリーズが続いており、実写取り込みはとっくにやっていないし、スマブラに次ぐ人気と知り(スマブラってそんなに人気あったんだ…)とか思ったりしつつ、ここは近年のモータルコンバット知識を少しでも得ないと失礼かもしれないと思い、動画で残虐非道と噂のフェイタリティ集を拝見しました。
…やりすぎだ!すごいバカ!!!
暴力表現にすごく真剣なんだなって思いましたけど、これは規制も当然なのでは?
モータルコンバット、日本では当然規制されており、ゲームも長い間発売されていないので、知名度も高くない。
今では、名前すら知らない日本人の方が多い。
だから日本では「モータルコンバット」はアウェーだ。上映するのも奇跡のように思えてしまう。
始まりは日本から
真田広之演じる「ハサシ・ハンゾウ」生前のシーンから始まる。
洋画の一場面にも関わらず、そんなに大きくズレた感じはしない風景と日本語。ハンゾウや妻子の衣装はちゃんと和服してましたね。
障子戸に飛び散る血の表現とか、時代劇みたいで渋い。
ここでの、真田広之やジョー・タスリムのアクションは、ハリウッド映画に見られるようなダイナミックでド派手なものではなく、静と動を感じさせる。過剰に飛び散る血飛沫とかは、ハリウッドっぽいなとは思うけど。
ロケ地が森林だからか、激しいアクションにも関わらず全体的にしっとりしていて、美しい。
ここだけ観ると「もしかして割と真面目な映画なのでは…?」と思ってしまうんですよね。
魔界(採石場)
冒頭のなんだか格調高そうなシーンから一転して、時代は現代、そして魔界へ移る。
その際に語られる「モータルコンバット」の概要。
英語でも字幕でも、4行程度の説明で済まされてしまう。
この概要、Fateで例えるなら、衛宮士郎がセイバーを召喚し、聖杯戦争に参加する流れを4行で説明している感じです。
モーコンのお約束だし、ほとんどの人が知っているだろうけど、まあ知らない人もいるだろうからざっくり説明してあげるね…って感じ。
なんかいい感じの時代劇を見せられたのに、ギャップが激しい。
映画オリジナル主人公
コール・ヤング。巻き込まれ系主人公。妻子持ち。
原作にいないオリキャラを主人公にするなんてマニアが一番嫌がるし、確実に地雷案件になるやつ。バイオハザード…一作目辺りは良かったかな…。
でも、モーコンの知識がほとんどない自分からすると、コールのフラットな目線や疑問、置かれている立場はスッと受け入れる事が出来た。
「(コンバットの)スペルが間違ってる」って発言は、やっぱそうだよね~!と一気に好感度が上がった。
また、ドラゴンの痣を持っているものの能力に関しては常人なので、ソニア・ブレイドやリュウ・カンといったゲームキャラクター達の、ただならぬ人物像を更に際立たせるのにひと役買っていると思う。
そして、コールはハサシ・ハンゾウの血筋に連なる者なのだった。
ドラクエでいう、勇者の血を受け継ぐ人だといえばわかりやすい気がする。
つまり、ハンゾウが残したあの苦無は、ロトのつるぎ。
サブ・ゼロが執拗にコールを追いかけるところも、ドラクエの村焼きを思い返せば腑に落ちます。(焼きはせず、凍らせる方ですが)
しかし、映画のメインビジュアルを見てもわかる通り、映画で一番見せ場にしたいのがサブ・ゼロとスコーピオンのリターンマッチだから、最後の最後で割を食ってしまった。
「主人公の影が薄い」って感想をよく見ますが、確実に最後のサブ・ゼロ戦の描写のせいですよね。サブ・ゼロ戦自体はすごく好きなので、コールの描写も、もう少しどうにかして欲しかったな。
個人的にコールはすごく良い主人公だと感じました。
続編での活躍が見てみたいです。
さっぱりとした人間関係
リュウ・カンとクン・ラオは義兄弟、ソニアとジャックスは軍で部下と上司の関係、カノウのお友達カバル…いろんな人間関係があるんだけど、彼らの人間関係に関しては必要最低限で、ほとんど描写がないから話はサクサク進む。
深いところまでキャラ描写されたのは、主人公のコールくらいだと思う。オリキャラだからね。
映画を観る上でノイズになる可能性もあるから、このくらいサッパリしていた方が気楽で良いな、と思った。
設定は存在していて、におわせもするけど、深追いはしない。
マニアは行間を読み取って話を広げる事(二次創作など)が出来るから、この映画はそういう人たちのウケも良い。
でも、そうでない人が観た場合、さっぱりし過ぎて味気がないと感じそう。
そんなさっぱりとした人間関係の描写が多い中で、サブ・ゼロ(ビ・ハン)のスコーピオン(ハンゾウ)への感情は「何か」を感じさせる描写がされていて、噛み砕くのに時間がかかってしまった。(今もよくわかっていない…)
残虐描写
モータルコンバットといえばフェイタリティ。
グロ描写があるとの事で、観に行くのを躊躇した人もかなり見ます。
グロ描写の受け取り方は「人による」としか言えないため、大丈夫だよ!などと気軽に薦める事が出来ない。
私もグロ描写は苦手なんですけど、モーコン(映画)のは何で平気なのかな…と思った理由は以下の通り。
・人間側はフェイタリティする方。されるのは魔界の住人側。
・長々と描写されない。
・ゲームのほうが凄かった。
ゲームのフェイタリティを見た後だと、映画の描写はおとなしく感じるため、感覚を麻痺させた状態だったのが良かったかもしれない。
しかし、ゲームのフェイタリティ集を見て耐性を付けるなんてのは、毒を持って毒を制すではないですけど、少なからずダメージはあるので薦める気になれないですね。
個人的に一番きつかったのが、クン・ラオのフェイタリティです。
フローレス・ビクトリー…がメチャ決まっててかっこいいんですけどね。
未来へ…
観終わると「ジョニー・ケイジって誰」「モータルコンバット…開催されてないってコト…?」みたいな疑問が残る映画でした。
とっ散らかっている部分も沢山あって完璧な映画ではないです。でもこれは不快感じゃなくて「もっと知りたい」「続編が観たい!」というポジティブな感情です。
嫌らしい描写が少なく、ストレスなく観れました。
カノウなど、下種野郎は最後まで下種野郎のままだったのが最高に良かったですね。
ストレスがない!大事!
冒頭のハンゾウの描写は、ゲームがトンチキだからこそ、ちゃんと誠実に描写しよう、という製作陣側の真面目な面も見えて好感度が高いです。
これは、ゲームの登場人物が多国籍なのも影響しているんでしょうね。
(最近の洋画とか全く観ないで知らなかったんですが、洋画でここまで違和感のない日本描写は珍しいとのことで…)
続編はぜひ同じ製作陣でお願いしたいな〜と思います。
せ〜の!
フェイタリティ〜!(脊椎ブチ抜き)
終わり