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【60代の働き方変化を語る<中編>】企業も歴年齢で判断するリスクに気付き始めた。

人材業界で20年近くコンサルティングに従事するベテランコンサルタントが実際に人材ビジネスの中で見てきた、人々、特に理系人材の働き方、企業の雇用への意識変化について、また、今感じていることについてざっくばらんにフリートークでお伝えする企画!

ベテランコンサルタントのよもやま話
~理系専門人材業界の舞台裏からお届けします~

トークするのは
転職を支援する紹介事業部の斎藤と、複業を支援するLINK事業部の髙本。

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今回トークテーマは特に大きな変化を感じている60代の方々の働き方について!3回に分けて「前編 <人材側>」「中編< 企業側>」「後編< 印象に残っている複業・セカンドキャリア・転職事例>」の3本立てでお届けします。今回は2回目「中編<企業側の変化>」です!

前回までの話↓↓

企業はとにかく労働力を確保したい

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髙本:ここまでは個人側にフォーカスして話してきましたが、個人側の働き方は個人レベルで変わってきたことかなと思うんですけど、受け入れる企業側のマインドやスタンスも変わらないと、なかなか雇用が成り立たないかなと思います。実際60代の採用について企業側の意識の変化は感じますか?

斎藤:採用の選考において年齢というのは外せない要素であるのは今も昔も変わらないかなというのは前提としてあるんだけど、ここ1~2年の変化感として、転職でも60代の方が何人も決定していて、若さを売りにする時代ではなくなってきたということを強く実感してる。

企業が採用活動の時に年齢を気にするのは、年齢を重ねた方だと柔軟性が無くなって変化に対応しづらいのでは?とか、社内の年齢バランス的なことや、単に上司になる人が〇歳だからそれより下の方が良いというようなありがちな理由もある。長く活躍してほしいということもあるけど、よくよく考えると体力的な問題と言っても何も100メートルダッシュするわけじゃないし、柔軟性というのもそれって年齢に関係することなの?というのもあるじゃん。

伸びしろやポテンシャルという面もあるかもしれないけど、それも人によるものだと思うし、そうすると“年齢を区切る理由”はあまり意味がないことが多いというのを最近すごく感じる。

髙本:昔も働き続けたい人はいたと思うんですよね。もっと上の世代、今70代の方たちとか。でもそれこそ定年とかでお花を渡されて「お疲れさまでした40年!」みたいな感じだったら、気持ちとしてはまだ働きたいけど引退せざるを得ないと受け入れてしまっていたし、状況はなかなか変わらなかった。

それが数年前に安倍首相が働き方改革を打ち出したことによって大きく動いた感じがします。将来的に人口が減って子供たちも少なくなる中で労働力が足りないということを国が打ち出したのは、企業のスタンスが変わる大きなきっかけになったんじゃないかなと感じますね。

国の施策も絡んできて、人材を有効活用しようという風潮になってきているように思います。

斎藤:やっぱり労働力の減少というのは企業にとって危機だよね。雇用とかキャリアというよりも、やっぱり企業は存続を継続させなければいけないという中で、労働力が少なくなるという危機的状況に直面していて、せっかくベテランになって経験も人柄も含めて成熟している人たちをまだ働けるのに手放しちゃって本当にいいの?という気持ちになっている気はする。

転職回数への懸念は相変わらず根強い

斎藤:一方でまだまだだなと思うのが、自社で長く働いてほしいということを理由に、転職回数が多い人を懸念するマインドがまだほとんどの企業にある。その“長く”働かなきゃいけないというところの価値観がもっと変わってくれば、もっと柔軟になると思うし、そもそも“長く”というのがあるから年齢的な部分で若い人を選択するということに繋がっていたのだと思うんだよね。

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髙本:やっぱり日本は正社員で永続雇用するっていうスタイルだったので、若い人材を採用したがって、長期に働く人を獲りたがる。でも今の時代では、結果を出せば良いという考え方になってきていて、そうすると「じゃぁ経験がある人のほうが良いね」となってきていますね。

斎藤:“長期”という期間と“結果を出す”というのは違う話だよね。多分これから更に事業のスピードが速まるだろうし、就業のサイクルももっと短くなる可能性があるんじゃないかな。転職回数10回が当たり前とかね。でも一方で最近の市場調査などを見ると、若い人は保守的な人も多いんだよね。

髙本:経済環境が不安定ですからね。公務員志向が再燃しているということも聞くし、色々な変化がありますよね。

人材育成に時間もコストもかけられないもがき

髙本:先日RD LINKのクライアント企業が、自社は人材の過渡期だと言っていました。そこは昔から「新卒一括採用、終身雇用、ジョブローテーションで育てる」という明確な企業文化だそうなんです。

でもそうすると育成に短くて5~6年かかるので、最近の開発スピードが間に合わないということでRD LINKを使ってくれているんですけど、自分たちはずっと一括採用でやってきたしどうしよう・・・というか、仕組みも無くてもがいている感じでした。

コロナとか関係なく時代のスピードが速くなって変化も激しくなっていて、企業として今そういう“もがき”をしているところは多いかもしれないですね。

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斎藤:良いか悪いかは別としてリクルート社のように、自社のために人を育てるという感覚ではなく社会のために育てるとか、転職しても全然構わないよ、応援するよという会社が増えると社会的には適材適所で人材が動けていいよね。

髙本:その方が職人っぽいですよね。職人を育てると結局社会のためになる。それは明確に仕事内容が決まっているからですよね。昔の企業はゼネラリストを育てようとしていた。

だから研究開発分野の人材でも工場や営業職を経験させたりして最終的R&Dに戻すといったことがありますが、最近は働く側にそれがあまり望まれていなかったり、それが原因で辞めていく人も多いから、もっとプロとして職種別採用をする方向に舵を切り始めている印象ですよね。

斎藤:実際若手を採用しても多くの方が3年で辞めちゃうわけじゃない。

髙本:そうですね、だからそこに投資できなくなってきたというのもあるかもしれませんね。

ベンチャー企業は定年後の優秀人材の獲得に動いている

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斎藤:さっきお花渡されて定年退職という話があったけど、まだまだ働けるし能力もある人材を、定年という一定の制度の中でリリースしちゃうのをもったいないと思う感覚を持ち始めている企業が少なからず出てきていると思う。

そういう企業が、言い方は良くないけど、通常の採用よりは安いコストで優秀な人材を活用できるというのはすごくチャンスだと思っていて、むしろ「定年後の人を採用します。50代以下お断り!」ぐらいの考え方だったりする企業は実際にいる。特にベンチャー企業はその傾向があるかな。

髙本:先ほど60代の方の転職が決まっていると話していましたが、やっぱりベンチャー企業への転職が多いですか?

斎藤:そうだね。最近本当に60代の転職が決まったり、最終選考などいいところまでいったりするケースが多い。今RDサポートの転職実績だけで見ると、20代の方を上回っている。

ここ2,3ヶ月でも69歳、62歳の方の転職が決まって、面接を控えている方は61歳、64歳。選考先の企業としては社員数が少なくノウハウもないという完全にベンチャー企業。そういった企業には年齢で評価するという観点がそもそもないんだよね。69歳の方が決まった企業も「定年後の方でも全く問題ありません。年齢こだわりません。」という一言があった。

髙本:数年前では考えられないですね。ぜひここからはお互い複業と転職の別事業部のコンサルタントとして印象に残っている事例についてお話しできたらと思うんですが、斎藤さんはどんな事例ですか?

(つづく)

次回は【60代の働き方変化を語る<後編>印象に残っている転職・複業事例】をお送りします!

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