郷土食朴葉寿司
こんにちは 管理栄養士erikaです。
生まれ育った土地に昔から伝わる郷土食のひとつ朴葉寿司を作りました。
朴葉にご飯を包み、朴葉の香りをご飯にうつし、食べる時に皿も箸もいらない携帯食です。
朴葉には殺菌作用もあり、衛生面でも活躍します。
朴葉に包むご飯と具材は、地域や家庭によって様々です。
岐阜県飛騨地方の「朴葉寿司」が有名ですね。
郡上は、熱い炊き立ての味ご飯を朴葉に包んで蒸らし、葉を茶色く変色させて香りを最大限にご飯に移す「朴葉めし」と、すし飯と具材を包む「朴葉寿司」と両方伝わっています。
道の駅などで販売されているものは、見た目を良く保つ為に、朴葉を『にえさせる』ことはしないで、冷ましたご飯と具材を包み、緑色が鮮やかなままにしてあります。
「朴葉寿司」は包んである状態では、全部同じに見えますが、葉を開くと、中身は数え切れないくらいバリエーションがあって驚きます。
山菜のきゃらぶきなどを使ったり、魚を焼いてほぐしたもの、酢じめした魚、錦糸卵、しらす、紅生姜や山椒の葉がのったり。
千差万別。
ひとつの家庭でも数パターン作ります。
高齢者施設のお食事を提供していた頃は、できるだけ馴染みのある郷土食を食べていただこうと、毎年この時期には、朴葉ごはんを提供していました。
いつもはご飯を半分くらいしか食べられない方が、朴葉ごはんだと2個、3個ペロリと食べられてしまう。
いつもは、ご飯が飲み込みにくい為お粥対応の方が、朴葉ごはんの時はそのまま食べたいと強く希望される。
朴葉ごはん(寿司も味ご飯も)は、入所中の利用者さんに絶大な人気がありました。
そういえば、マイマイガが大量発生した年がありましたね。あの時は、朴葉を手に入れるのがとても大変でした。
それでも何とか入手して提供したのは、朴葉ご飯を提供した時の利用者さんの美味しい笑顔を知っているからこそ。
あんな美味しそうな顔して食べてもらえたら、毎年頑張っちゃいますよ。一度はケアマネさん宅の山に取りに行かせてもらいました。
私は木の下で、枝から切ってまとめる役割でしたが。
小学生の頃は木登り得意だったんだけどなっ。(笑)
今回の朴葉寿司の具材は、にんじん、竹の子、しいたけ、しらす、生姜、さやえんどうにしました。
お弁当に持たせた為、『にえさせ』なかったので、朴葉の葉はきれいな色を保っています。
昨年は、味ご飯を包んで蒸らしました。
私はこの「朴葉めし」の方が断然好きです。
作っている時も朴葉の良い匂いが、キッチンいっぱいに漂って、たまらないです。
葉を『にえさせ』ているので変色してます。
今年も冷凍庫にあと20枚朴葉を残してあるので、次は「朴葉めし」を作りたいと考えています。
終わりに
朴葉に食材を包む郷土食は他の地域にもあります。
福井はきなこご飯をおにぎりにして包むそうです。富山も甘いおにぎりを包むと聞いて、初めて知ったときは驚きました。
他にも、豆ご飯を包む地域もあります。
『朴葉ごはん』だけでも、パッと見は同じでも中身がまったく違うのだから、どんなこともふたを開けてよく見たり、よく聞いたり、よく噛み砕くことが大切です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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