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今週発表された5つの経済指標とは?来週は利下げ直前、イベントを確認して備えよう! 20240907

動画はこちら。(動画では私の投資戦略についてもお話ししています。)

https://www.youtube.com/watch?v=aLQ3iFMsuCk

あるころうのNISA投資チャンネルです。

このチャンネルでは、週末に1週間の出来事と経済指標の動きをチェックし、米国株、政策中心のデータや話題を取り上げ、動画を見れば大体わかるというのを目指しています。
また、米国株中心のNISA口座の増減を視聴者の方のペースメーカーになるように公開しています。動画の最後には、来週控えている経済指標や決算発表の予定をチェックしていきます。

経済指標とセンチメントチェック

まずは経済指標とセンチメントをチェックしていきましょう。

今週の経済カレンダーの重要な指標を見ていきます。

9月3日火曜日、ISM製造業購買担当者指数が発表されました。
前回46.8、予測47.5のところ、結果は基準の50、および予測を下回る47.2でした。
米レーバーデー明けのタイミングで、景気停滞感がよぎりS &P500等の指数の下げ要因となりました。

4日 水曜日、ジョルツ ジョブオープニングス、の発表がありました。
前回7.91ミリオン、予測8.1ミリオンのところ、結果7.673ミリオンで、前回および予測を下回りました。
ジョルツジョブオープニングスは、米国労働省が毎月発表する労働市場の動向を示します。この指標は労働市場の需給バランスなど、全般的な労働市場の健康状態を示します。
今回の発表で労働市場への懸念が高まりました。

5日 木曜日、ISMサービス業、購買担当者指数が発表されました。
前回51.4、予測51.1のところ、結果51.5で、サービス業については、基準の50を超え、前回、予測ともに結果が上回りました。
サービス業については景気を保っています。

6日 金曜日は、非農業部門雇用者数が発表されました。
前回89,000人、予測160,000人で雇用増が予測されていたところ、結果142,000人でした。
非農業部門雇用者数は、製造業、建設業、サービス業、政府など、農業以外のほとんどの業界での雇用増減を反映しています。通常毎月第 1 金曜日に発表される雇用レポートで、米ドル、債券市場、株式市場に大きな影響を与えます。

同日、失業率が発表されました。
前回4.3%、今回予測4.2%のところ、結果4.2%で予測と一致しました。
4.2%というのは、歴史的に低い水準で、スキルや地域のミスマッチなど構造的失業によるもので、仕事を探している人はほぼ仕事を得られる状況と考えられます。
ただ、近年の人手不足による採用の苦労があったため企業側が、景気が落ちつつあっても解雇を避けているという可能性も考えられるため数字に表れていないだけなのかもしれません。

7日 ブルームバーグによると、
イエレン米財務長官、雇用統計は「極めて健全な」労働市場を裏付け
との見出しで、今週の雇用統計を評価しました。

続いて為替、ドル円を確認します。
先週146円台から、今週一気に、142円台前半まで落ち込みました。

続けて株式市場の状況を見ていきます。
株式市場の心理を示すCNNのフィア & グリードインデックスでは、先週63でグリードを示していたインデックスは、現在39でフィアまで下がりました。

次にフィア&グリードインデックスを構成する指標を確認します。

S&P500から見るマーケットモメンタムは、先週のグリードから、現在フィアを示しています。

プットコールレシオは、先週0.73でニュートラル、現在0.81でエクストラフィアとなりました。

VIX:ボラティリティインデックスを見てみると、恐怖指数は
先週15.00ポイントのニュートラルから、現在22.38ポイントのニュートラルへ上昇しました。

セーフ ヘブンデマンドは、先週9.56%でエクストラグリード、
現在-0.36%でフィアに急落しました。
つまり、株式のリターンと債券のリターンの比率がほぼ同等になりました。
セーフヘブンデマンドは、過去 20 営業日の株式と国債のリターンの差を示しています。
プラスが株式のリターンが良い時で恐怖感が低いことを示し、
マイナスは債権のリターンが良い時で投資家が恐怖を感じていることを示します。
恐怖が強いと投資家が安全資産である国債を購入する傾向があるため、指標がマイナスへと向きます。

イールドカーブは2022年7月以来、逆イールドを示していましたが、2年2ヶ月ぶりに準イールドに戻りました。

今週、失業率は上昇せず維持され、イエレン氏による「労働市場は極めて健全」という評価となり、物価自体は緩やかに抑え込まれ数字の経過を見ると全てうまくいっているように見えるところが、不気味な感じですよね。

今週の動きと市場のセンチメントをまとめるとこのようになります。
経済指標とセンチメントの方向性が見えない中で、利下げの可能性の高いFOMCを控え、投資家は難しい判断をしている中、株式市場は総じて弱気となっています。

フェドウォッチツールを確認すると、9月のFOMCの予定では、現状維持予測が0となっています。
9月18日のFOMCで、利下げ幅、25ベーシスポイントの予測がメインで、一部では2段階下げる50ベーシスポイントの利下げが予測されています。
今年最後の12月18日のFOMCでは、今から5段階の利下げが行われる予測が6割弱となりました。
現在の経済指標から見ると、失業率も維持できており、急激な利下げの必要性は低いように見えますが、年内5段階の利下げが主要予測ということは、経済指標に現れていない危機感を予想メンバーが感じているということになります。
経済指標とリアルタイムの市中景気にタイムラグがあるのか、投資家が指数を押し下げる行動と利下げの必要性の方向性が一致しています。

週間主要チャートチェック

それではこれらを踏まえて週間の米国主要チャートを見ていきます。

S&Pは、先週の終値5,648ドル台から、今週終値、5,408ドル台
先週から
-240ドル
-4.2%
でした。

NASDAQは先週終値19,574ドル台から、今週終値 18,421ドル台で引けました。
先週から
-1,153ドル
-5.9%
でした。

日経225は、先週終値38,642円台から、今週終値36,444円台で引けました。

インド ニフティ50は、先週終値300ドル台から、今週終値295ドル台で引けました。
最近調子が良かったのですが、週末にかけて下げましたね。

シンセン総合指数は、先週終値1,175ドル台から今週終値1,146ドル台で引けました。

ゴールドは、先週2,502ドル台から、現在2,497ドル台となっています。

ビットコインは先週、859万円台から現在、779万円台になっています。

長期米国債ETFのEDVは、先週77ドル台から、今週81ドルまで上昇しました。
利下げが近づき動き出したという雰囲気です。

ニュースチェック

続いてニュースチェックです。

6日CNNの見出しで、
「空は落ちてこない」:米国経済は8月に14万2000人の雇用を増加
とありました。
金曜日に発表された、非農業部門雇用者数と、失業率の結果が強い経済成長を示し、これが懸念されているよりも良い結果だったことが報告されています。
記事によると、労働市場は歴史的な拡大傾向で、44ヶ月連続で雇用を増やしており、1939年の雇用の追跡以来、5番目に長い記録となっているようです。

7日ロイターの見出しでは、
ウォール街の今週の見通し 雇用統計を受けて経済不安が再びウォール街の注目を集める
とありました。
先ほどのCNNの記事とは異なり、雇用統計で、労働市場の勢いが予想以上に鈍化していることで、株価が急落していると説明しており、ソフトランディングの道筋が狭まっているとしています。
労働市場は確かに悪い数字ではなかったですが、ロイターでは株価の不調を雇用統計と結びつけるために、勢いが鈍化と結んでいます。
それだけ判断が難しく方向性が定まらない相場状況ということですね。

7日 ブルームバーグの見出しでは、
米当局、銀行の資本規制強化案の大幅修正を今月にも公表へ
とありました。FRBによる銀行の資本規制強化案の大幅修正について、公表が19日になりそうだとしています。
この規制強化案はバーゼル3(スリー)と呼ばれ銀行の資本要件、流動性基準、およびレバレッジ比率に焦点を当て、リスクの高い資産に対してより多くの資本を確保することを求めます。そのため、短期的には銀行株にプレッシャーを与える可能性があります。

個別株チェック

今週の個別株チェックです

今週のS&Pのヒートマップは、ご覧の通り、かろうじて非耐久消費財、公益事業セクターが無事という程度で全体的に真っ赤でした。
先週好調だった、金融セクターも調子が悪く、年初来で市場を牽引したNVIDIAは、1週間で14%弱の下げ、3兆ドルの時価総額は、2.5兆ドルまで縮小しました。

木曜日に決算発表のあった、ブロードコムと、中国EVメーカーのニーオを見ていきます。

ブロードコムは、売上高は前四半期決算を超えたものの、利益を出せず決算ミス。

週明けから15%程度の下落となりました。

ニーオは、前四半期決算よりも売上高が上昇し、赤字率が低下しました。

窓を開けて2段階の上昇、週明けから25%の成長を見せました。

新旧NISA口座公開

新NISA口座は、1週間で-76,000円でした。旧NISA口座は、1週間で-167,282円でした。新旧NISA口座は、1週間の合計で-243,282

円でした。

(※動画では私の投資戦略についてもお話ししています。)

来週の予定

来週は11日水曜日にCPI消費者物価指数、コアCPIが発表されます。
コアCPI前年比は、前回3.2%です。
コアCPIは、エネルギーと食品の影響を除いたCPIで、経済の基礎的な物価上昇を見極めるための重要な指標です。
CPI前年比は、前回2.9%、予測2.6%です。

12日、木曜日は、PPI「生産者物価指数(前月比)」が発表されます。
前回0.1%、予測は、0.2%です。
PPI は、卸売段階でのインフレの重要な指標です。生産者価格が上昇すれば、将来的に消費者価格の上昇を招く可能性があるため、経済全体のインフレ動向を予測するのに役立ちます。CPI:消費者物価指数が消費者の視点からの価格変動を測定するのに対し、PPIは生産者の視点を重視します。

13日、金曜日は、ミシガン消費者信頼感指数・速報値が発表されます。
前回67.9、今回予測68です。
これは、米国ミシガン大学が発表する指標で、消費者の経済状況に対する信頼感や見通しを数値化したものです。消費者支出や経済動向の先行指標として注目されています。速報値は毎月中旬に公開され、月末には最終値が発表されます。基準値は100で、これを下回ると信頼感が低いということを意味します。

続いてアーニングス ウィスパーズで決算予定をチェックします。
Xで投稿があったのは、GameStopと、RHでした。

ゲームストップは、前回決算発表で、利益がマイナスとなり、今回利益を出せるか注目です!

1ヶ月チャートでは、8月の終わり頃からボラティリティが大きくなっています。

終わりに

今週は、レーバーデー明けで下落がありました。さらに週末に、インフレ、労働市場の経済指標発表があり、特に注目されていた雇用者数と失業率の発表の後、S&P500は大きく下げました。

雇用市場自体は悪い数字ではないと思いますが、予想よりも悪いととるか、良い数字なので利下げ幅が縮小するととるか、株価下落の理由は後付けで言えますが、実際は意見が分かれています。

この方向性が定まらず、株価が全体的に下がっていく感じは、2022年の雰囲気と似た感覚です。
ただ、今回は為替ドル安もあり、下げ相場で買うということが難しい局面でもあるので、ジリジリしますね。

来週は、
・コアCPI
・PPI
の発表があり、再来週(日本時間19日3時)に注目のFOMCがあります。

それでは、私自身は今後も、NISA口座の方針は変えずに、米国株メインの方針で握力を鍛えていきたいと思います。


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