長・短期国債上昇!為替と市場の楽観・悲観シナリオをシミュレーションしてみよう!米雇用・製造業がちょっとやばい。利下げは9月FOMCで確定?緊急利下げもありうる?29週間のNISA口座 20240803
動画はこちら。(動画では私の投資戦略についてもお話ししています。)
https://www.youtube.com/watch?v=6x1qg1oDJN0
今週も忍耐を試されましたね。
SNSではネタかもしれませんが、撤退投稿がちらほら出てきました。後で、「あの時売らなければ」、「あの時買っておけば」な相場になるといいですね。
あるころうのNISA投資チャンネルです。
このチャンネルでは、週末に1週間の出来事と経済指標の動きをチェックし、米国株、政策中心のデータや話題を取り上げ、動画を見れば大体わかるというのを目指しています。
また、米国株中心のNISA口座の増減を視聴者の方のペースメーカーになるように公開しています。動画の最後には、来週控えている経済指標や決算発表の予定をチェックしていきます。
経済指標とセンチメントチェック
まずは経済指標とセンチメントをチェックしていきましょう。
火曜日にジョルツ ジョブ オープニングスが発表されました。
前回8.23ミリオン、今回予測8ミリオンのところ、結果8.184ミリオンでした。
雇用主が採用を控え、賃金の伸びは鈍化しているものの、労働者に対する需要は堅調さを維持していることを示しています。
木曜日に、FOMCがありました。予想通り、FF金利の誘導目標レンジは、維持です。詳しくは、ニュースパートで取り上げます。
同日、ISM製造業購買担当者指数が発表されました。前回48.5、今回予測48.8のところ、結果46.8でした。
50が好不況の境で、高いほどよく、低いほど悪い数値で、製造業の景況感としては大幅な活動縮小を示しました。
ブルームバーグによると、
ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は発表文で、「需要は引き続き低調だ。金融政策を含む現在の環境が影響し、企業は設備投資や在庫投資に消極的になっている」
と指摘されていることを取り上げています。
さらにフィオレ会長は、
「生産の動きは6月と比較して鈍化しており、売上高の減少ペースが加速しそうだ。収益性が一段と圧迫される可能性が高い」
と述べたとのことです。
製造業の投資は事実上の凍結状態とも語っているようで、現場では相当な危機感があるようです。
金曜日には、非農業部門雇用者数、失業率が発表されました。
特にパウエル議長から雇用指数への注目が発表されていたので、9月以降の利下げや、利下げ幅決定の指標としても注目されていました。
非農業部門雇用者数は、前回17万9000人、今回予測17万5000人のところ、結果11万4000人でした。 雇用が相当弱まっています。
失業率は、前回4.1%、今回予測4.1%のところ、結果4.3%でした。失業率も予測よりも増え、雇用市場が悪化していることがわかりました。
続いて 米ドル円の為替をチェックします。これはドル円の1ヶ月チャートです。
先週の152円から、現在は146円台です。先週からは、
-5.5円
-3.6%でした。
続けて株式市場の状況を見ていきます。
株式市場の心理を示すCNNのフィア & グリードインデックスでは、ニュートラルを示していたインデックスは45から33へ、一気にフィアになりました。
S&P500から見るマーケットモメンタムは、現在ニュートラルを維持しています。トレンドは、125日移動平均線より上で踏ん張っているように見えます。
今週S&Pは5,459ドル台から下降し、5446ドル台です。
続いてプットコールレシオについて、今回もその考え方から確認していきます。
まずオプション取引について説明します。オプション取引とは特定の株式や金融商品を、あらかじめ決められた行使価格で、将来の満期日までに売買する権利を買う金融商品です。
売る権利をプットオプションと言い、投資家が株式や金融商品を特定の価格で売る権利を持つオプションです。価格が下がると利益が出ます。買う権利をコールオプションと言い、投資家が株式や金融商品を特定の価格で買う権利を持つオプションです。価格が上がると利益が出ます。
プットとコールの比率のことを、プットコールレシオと呼びます。
プットコールレシオは、市場全体のプットオプションの取引量をコールオプションの取引量で割ったものです。この比率を使って市場の心理を測ります。
比率が1未満、コールオプションの取引量が多い時に、強気と判断します。
比率が1以上、 プットオプションの取引量が多い時に、弱気と判断します。
現在は、強気から弱気に向かっていますが、いまだに強気で、コールオプションつまり買う権利の方が人気がある状況です。近い将来に株価が下落するという予測が多いと言うことになります。
単純に見ると現在は1未満なので、コールが多く強気ということになりますが、傾向を見ると急激にコールに対するプットオプションの比率が高まり、プットコールレシオは上昇しています。
つまり、弱気に傾いている状況と考えられます。
VIX:ボラティリティインデックスを見てみると、恐怖指数は前回16.39ポイントの極度の恐怖から、20.58ポイントに上昇しました。
ついに20ポイントを超えましたね。
こちらは、リアルタイムのVIXですが、金曜夜のプレで21を超えています。
VIXは、2021年の後半から、去年2023年の春までずっと、20以上をキープしていました。また、あの2022年が来ると思うときついですが、コロナ禍や2022年を経験したから今を耐えられるとも思います。
セーフ ヘブンデマンドは、過去 20 営業日の国債と株式のリターンの差を示しています。債券は投資家が恐怖を感じているときにパフォーマンスが上がります。この指数は、安全資産需要の増加を恐怖のシグナルとして利用しています。
直近では、5%程度を示し、株式が債権を上回っていましたが、現在0%を切って下落し、極度の恐怖となりました。
イールドカーブは徐々に逆イールド解消に向かっています。前回マイナス0.前回マイナス0.16から今回マイナス0.17と、この1週間は横ばいでしたが、長短金利差がなくなってきました。指標的には不況突入のシグナルで変わりないと思います。
今週の動きと市場のセンチメントをまとめると、
・インフレ関連は、雇用市場の大幅な悪化、ISM製造業購買担当者指数もさらに悪化し、製造業が不振です
・フィア&グリードインデックスでは、ニュートラルからフィア側へ
・S&P 500マーケットモメンタムは、ニュートラルで、125日移動平均線の上を維持しています
・ボラティリティインデックスは、20を超えて上昇しています
・Yield Curveは、逆イールドが長短金利差の解消に向かい続け、ほぼ逆イールド解消状態になっています
いいニュースがないまま、今週が終わりそうです。
日本株勢は、もっとキツそうですが、米国株勢も日銀の「今利上げ?」という謎タイミングの対応に、為替でやられています。
総じて、市場は弱気ですよね。
フェドウォッチツールを確認すると、次の9月FOMCでは、利下げがあると考えられていて、利下げ幅は半分以上のメンバーが、50ベーシスポイント下がると予測しています。
今年の年末では、今から100ベーシスポイントの利下げが主な予測となっています。
このペースならば為替への影響も限定的かもしれないですが、トランプ氏が再選された場合は、来年以降、急な利下げが行われるかもしれませんね。
週間主要株式指数チェック
それではこれらを踏まえて週間の米国主要株式指数を見ていきます。
S&Pは、先週の終値5,459ドル台から、今週終値、5,346ドル台
先週から
-112.54ドル
-2.06%
でした。
今週のS&Pのヒートマップでは、非耐久消費財、公益事業、医療サービス、商業サービスが比較的無事でした。
アップルと、メタが決算後にプラスになっているのがすごいですね。
NASDAQは、先週終値19,023ドル台から、今週終値、18,440ドル台で引けました。
先週から
-582.81ドル
-3.06%
でした。
ヒートマップで見ると、アップルとメタ、アストラゼネカあたりがいい感じですね。NVIDIAは時価総額が2.6兆ドル台になってしまいました。
アップル、マイクロソフトは3兆ドルをキープし、NVIDIAとグーグルは2兆ドル台にいます。
日経225は先週終値37,633円台から、今週終値35,911円台で引けました。
インド ニフティ50は、先週終値296ドル台から、今週終値294ドル台で引けました。
シンセン総合指数は、先週終値1,185ドル台から、今週終値1,180ドル台に低下しました。
ゴールドは、先週2386ドル台から、現在2,442ドル台となっています。急激に上げて、一時一気に下げましたが反発して終わっています。
ビットコインは先週1,045万円台から、現在919万円台になっています。
かなり下げましたね。
先週取り上げた、長期米国債ETFのEDVもチェックします。
先月から7%近く上昇しています。
ニュースチェック
続いてニュースチェックです。
2日ブルームバーグの見出しでは、
米失業率またも上昇、雇用者数は予想以上に減速-9月利下げ固まる
とあり、9月利下げへの道筋をほぼ確実視していますですね。
同じく2日ブルームバーグより
米国債急騰、2年債利回り一時31bp低下-雇用減速で当局に利下げ圧力
利回りと国債価格は逆相関するので、2年債利回りが下がることで、国際価格が上昇しています。
上の画像の下のグラフは、バンガードの短期国債ETF VGSHの4月からのチャートです。
8月に急激な出来高を伴って、窓を開けての上昇がありました。
1日ブルームバーグの見出しで、
パウエル議長、利下げは「9月のFOMC」で選択肢になる可能性も
とあり、
「問題となるのは、データの全体像や変化する見通し、リスクバランスがインフレに対する確信の強まり、そして堅調な労働市場の維持と整合するかどうかだ」と指摘し、「そのテストが満たされれば、早ければ次回9月の会合で政策金利の引き下げが選択肢となり得る」
と発言しました。
ポイントは、現在の高金利でインフレの抑え込みが実現し、今後の利下げが堅調な労働市場の維持に必要とされるか、これが満たされるなら9月FOMCで利下げが選択肢となるということです。
続いて2日、ブルームバーグの見出しで
ハリス氏、7月に選挙資金460億円集める-トランプ氏の倍以上
と大統領選について取り扱っています。
まだ、バイデン現大統領からハリス氏へ候補が変わってから状況が流動的ですが、確定路線と思われていたトランプ氏再選から、大きく流れが変わってきているようです。
米株視点だとトランプ氏かと考えていても、トランプ氏はドル安路線なので、急激な円高はきついですよね。
個別株チェック
今週の個別株チェックです
今週決算発表のあった大型銘柄を1年チャートで順に見ていきます。
これはマイクロソフトのチャートです。
200日移動平均線にタッチする下げでした。予想EPS、予想売上高を超える成績でも下げる相場ですね。
メタは、急上昇して、戻るというすごいボラティリティです。
ARMは上場後、200日移動平均線がやっと出てきたところで、もうすぐでタッチしてしまいそうです。
Amazonは、200日移動平均線を完全に切ってしまいました。
アップルは、21日移動平均線の上にいます。それだけですごい!
Intelは、昨年末の高値50ドルを超えていたところから、21ドル台にいます。200日移動平均線がはるか上空に見えます。
新旧NISA口座公開
新NISA口座は、1週間で57,185円のマイナスでした。旧NISA口座は、1週間で125,694円のマイナスでした。
新旧NISA口座の今週1週間の増減は、182,879円のマイナスでした。
(※動画では私の投資戦略や、今後の為替と市場のシミュレーションについてもお話ししています。)
来週の予定
来週は月曜日に、
ISM非製造業担当者購買指数が発表されます。
続いてアーニングス ウィスパーズで決算予定をチェックします。
続いてアーニングス ウィスパーズで決算予定をチェックします。
火曜日に、キャタピラー、スーパーマイクロ、レディット、アムジェン
水曜日に、ショッピファイ、ディズニー、ノボノルディスク、ソニー
木曜日に、イーライリリー
の決算があります。
肥満治療薬で競争しているイーライリリーと、ノボノルディスクが気になります。
AI関連銘柄のスーパーマイクロとレディットは激しく動きそうですね。
終わりに
今週は、サテライト部分をリスクオフしていたため、メンタル的にはもうやることがないという状況でした。
今週の経済指標の発表で、9月利下げは、ほぼコンセンサスとして、折り込みが進むと思います。
これにより、金利や国債が動き始めていくはずです。
来週は、ヘルスケアセクターの大型銘柄が動きます。
株式市場は、中小のRussell銘柄もほぼ全滅で、一部セクターを注目しつつ、金、コモディティ、国債も注視して行きたいです。実際は、トレードは、国債だけかなと思いますが、積立は継続して行きます。
それでは、私自身は今後も、NISA口座の方針は変えずに、米国株メインの方針で握力を鍛えていきたいと思います。
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