見出し画像

主訴は本当の自分の裏返しかもしれない

R.CoCo(Rこころのクリニック)に
初めて受診された時に書いてもらう
問診シートというのがあるのですが、

こんな項目があります。
治療方針を確認する項目の、あとのところ。

画像1

「通院治療ご終わったあと、どのような自分になっていたらよいなぁと思いますか?」

これは、種明かしをすると、解決志向アプローチの考え方で、
問題が解決した時、どんな自分になっていたらよいか、
想像力を働かすことで、本当の自分が望むことは何かをイメージしたり、主体的な動機づけを、誘導するしかけになっています。
ミラクルクエスチョンとして、問診段階ですでに回復プロセスがスタートするように、密かにワークを仕組んでいるのです。

何に困っているか、どう治療するかよりも、
どんな自分が本当の望みなのか認識すること、
そのベクトル設定がまず何より大事な前提なはず、
とのこだわりがずっとあったので、
問診票に工夫を凝らし、この項目を作ったのでした。

ここを記入して頂きたいのですが、実際はどうかというと。
一番しんどい最初の時に、
自力でこのイメージを持てる人は少ないようで、
この欄は空欄になっていることが多いのです。

望んだものが手に入るか、手に入らないのか、
結果はそもそも、神のみぞ知る領域。
なのに、結果に執着してしまう。

しかし、結果がどうなるかは別として置いておいて、
回復像を妄想したり、理想を思い描くことならば、
本来は自由なはずなのに。

本当の自分の願望の力、
エゴシステムに鍵がかかっているのですね。
解決志向アプローチは、エゴシステムを自由にして、
エコシステムの循環を促すセラピーだと思います。

ご本人がどのような願望をほんとうは秘めているのか、
自分をよしと思えるのはどんな自分なのか、
通院していただきながら、
そんな視点でみていきたいと思っています。

あ、これ、いまこれを書いている、僕の願望ですね。
行動がついてくるかは、知らんけど(笑)

願みは、いくら持ってもいい。
行動がついてこなくてもいい、
ということです。


問診票の最初の質問は、主訴を確認する項目になっています。
いま一番困っていて改善したい症状のことですが、
主訴を明確にしていくことは大事です。
慢性疾患の長期経過では、そもそもの主訴がぼやけて、目的地を忘れて漂流している難破船みたいな状況になっていることが、少なからずある。

主訴も、明確にして掘り下げてよく見ると、
自分が望まない現実であることが、実感として体験されてくる。
望まない現実が分かれば、本当に自分が望んでいることが分かる。

主訴を見つめることは、望みを知ること、
本当の自分を見つけること、
に繋がるような気がする。

逆に言うと、
嫌なことから目をそらすこと、と、
自分の願望を見ないようにすること、
はどこか似てる。

人の願望実現、という角度から、
医療を見直してみると面白いなぁと思いました。












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?