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「気持ちがいい」を信じる
情報に惑わされず、自分にとって良いものを選ぶって、
難しいですね。
動物だったら、自分に合わないものなら、
ちょっと食べたら、ぺっ、と吐き出したり、
最初から見向きもしないかもしれない。
身体を元気にする活動や休息を、自然に行って、
無駄な運動や休憩などしないでしょう。
人間は、これはいい! と周りが言っていたら、
きっと、ちょっとした毒でも食べてしまうし、
合わない健康法でもやってしまって、
身体を壊してしまったりしてしまう。
そもそも、何が合うかわからなくて、
選ぶこと自体がノイローゼになったり。
目に見えない、精神的な養生や健康に取って、
自分に合った良いものかどうかを選ぶための、
唯一のバロメーターは、なんでしょうか。
答えは、
「気持ちがいい」です。
今日、面白い患者さんがいたんですよ。
「寝る前の薬を1錠減らしてもらえませんか」
と唐突に言われる。
どうしたんですか、と聞くと、
「んー、なんか気分がいいから!」
りゅ「減ったほうが薬の害が減るとか?」
「眠気が残るから?」
患 「うーん、別に減らなくてもいいんですけどね。」
りゅ「ほら、なんか理由があるでしょ、
病気が良くなったような気がするから? とか。」
患 「いや、○錠の方が、なんか気分がいいから!」
と確信を持って言われるのです(笑)
これは、もう薬理作用よりも、この気分の良さの方が、
治療効果が高いわ(笑)、と判断して、
よーし、やってみましょう!
ということになったのでした。
いま振り返ってみると、僕もそれが気持ちがいい、
と感じたから、そうしたのかもしれません。
その良し悪しを、議論するつもりはありません。
ただ、そんな風に、
自分にとって「気持ちがいい」センサーを研ぎ澄ませて、
信頼していくことって、大事だったな、
と思い出させてくれたので、シェアさせていただきました。
今日の表紙
精神科養生のコツ 神田橋條治 著
第一章から「気持ちがいい」を信じる
で始まるという、変わった精神医学書。