『アイシールド21』の魅力
今週は、WBCで侍ジャパンが世界一になってんな。みたで決勝。野球全くわからんかったけどやな。なんかすごかったみたい。あれやね、野球て一試合すっごい長いね。嫌悪感とかの長いねではなく他のスポーツの時間で慣れてしまってるからただただそう感じた。ノンアルコールのビールとポテチ用意したけど2回表でなくなったわ。バランス分からんかった。ほんまに野球詳しくて大好きな人の小指分くらいは、感動した。多分おれが見たらあかんかった。9回表、なんか漫画みたいな展開やったらしいね。面白かった。おれで面白かったんならファンはたまらんのやろな。
漫画みたいな展開から話繋げるけど、世がWBCで盛り上がってる中、僕は人生に影響を与えた作品『アイシールド21』を読み返していた。面白すぎる。
今週はWBCの時事回やと思いきや、作品感想回です。僕が皆様に『アイシールド21』の魅力を存分に伝えます。ネタバレしたくない人はここから先は読まずに今すぐ古本屋に走って大人買い&爆速読みしてください。
『アイシールド21』一昔前に流行った漫画。ジャンプ作品で、連載期間は2002〜2009くらいかな。自分はまだ物心ついてないのでリアルタイムで読んではないが、連載終わる頃には単行本で追いついてたかな。小3とかちゃうん。よう内容理解できたな。いや、もしかしたら理解できてなかったかもしれない。なのにハマったということはそれなりの理由がある。
⚪︎なぜアメフトが読者に刺さったのか
⚪︎ヒル魔妖一の魅力
⚪︎努力と天才
この3項目くらいに絞って紹介していきます。多分なんぼでも書けてしまうから。それでは。
⚪︎なぜアメフトが読者に刺さったのか
この作品は、アメリカンフットボールが題材である。日本ではマイナースポーツであることは周囲の事実だろう。なのになぜ、漫画ファンに受け入れられ、アニメ化まで進んだのか。ジャンプ史上、スポーツ漫画の中で上位の人気を誇るのか。
それは、そもそも“アメフトを読者に理解させようとしていない“ところにあると思う。逆転の発想。すごい。アメフトは細かく見ればルールや戦術は複雑なものだが、逆に簡潔にも説明できる。パス、ラン、なんでもいいからとにかくボールをゴールラインまで運ぶ競技。そのために相手を力でぶっ飛ばしてもいい、なんとも単純な球技。サッカーやバスケなどの暴力的なファウルは存在しない。その単純なルールの方を全面に出しながらスポ根していく作品なのだ。“アメフトがなんとなくでもわかる“こう思わせたがもう勝ちといった感じ。小学生低学年の自分でも面白かってんからすごいよな。流石にその頃感じたことと今読み返して感じたことは全く違うが、とにかくどの世代にも興味を削がれないような展開。
ともあれ、いうてもアメフト。わかりやすくするだけじゃあ、読者に刺さらない。そう、“ギャグ“や“キャラの魅力“という、漫画作品で必要な要素がずば抜けて強い。たまらん。ギャグセンスに関しては他のスポーツ漫画と比べもんにならんなと自分は感じている。なんならアメフト展開どうでもいいから日常回や所々の面白さを見たいがために読んでる人もおるんじゃないかっていうくらい。そのギャグセンスと真剣スポ根の割合が絶妙で読みやすい。ここが小学生にも刺さった点なのかな。
アイシールド21は高校アメフトの話なんやけど、現在の自分は高校生も経験して、実際のアメフトも理解して読んだのでさらに面白かった。もちろんギャグの理解度も高まったし、読むタイミングは大人の方がおすすめ。ただ小学生にも刺さってすごいなって話。
キャラの魅力。これはあと二つの項目で紹介していく。
まとめ《アメフト漫画が受け入れられたのは、そもそもアメフトのルールを押し付けない展開と、他の要素がとにかく魅力的に演出されているから》(個人の見解)
⚪︎ヒル魔妖一の魅力
やべぇここは無限に書けてしまう。なるべくまとめはするけど、とにかく書くでぇひたすら。
蛭魔妖一。なんと禍々しい名前。しかしこの名前に劣らない強烈なキャラクター。ちなみに、本作の主人公ではない。ついでにといっちゃもったいない紹介だが、主人公は"小早川瀬名"という少年。内気な性格が故に昔からガキ大将キャラにパシリとして扱われ、その結果俊敏さとすばしっこさが鍛えられる。その力を泥門高校(主人公の学校)のアメフト部主将である蛭魔妖一に見出され、高校アメフト界を駆け上がる。作品の本筋をついで紹介で申し訳ない。はやくヒル魔の魅力を伝えさせてくれ。
つまりヒル魔は主人公ではないのだが、本作における"裏主人公"である。キャラ像を簡潔に説明すると、
・悪魔的所業、性格、乱暴
・悪魔的IQの高さ
・悪魔的高い情報収集能力
・すべてはアメフトのために
という。とにかく悪魔的。そこにアメフトへの情熱や真摯さ、理屈と感情が絶妙に入り混じったキャラ表現は魅力の匂いがプンプン。人気キャラ投票でも、主人公のセナを抑えてダントツでずーっと1位。そりゃそうだ。なんなら、1位やから作者がヒル魔をさらに魅力付けて描いているんじゃね?とも思うほど。ギャグシーンも大半はヒル魔が絡んでいる気がするし、行動がとにかく規格外でおもしろすぎる。
泥門デビルバッツ(主役高校のチーム名)は、エースのセナがいなくてもある程度はなんとかなる気がするが、ヒル魔がいないデビルバッツはマジで詰むでしょ、と感じさせる。
これはデビルバッツの魅力なのだが、全選手が"一芸職人"。一つのプレイスタイルは秀でているが、他の能力はうんち以下。ノーコンだがパスキャッチ最強のモン太、高校生一の瞬足だが非力のセナ、見事に動きが鈍い高校一のパワーデブ栗田。はっきりいって全部平均以上にはこなすに越した事はない。だがしかし、ヒル魔の戦略によって選手という駒は歯車のように噛み合い、勝てるところで勝負を挑む。さらにヒル魔の代名詞"トリックプレー"によって相手を欺き、寄せ集めの一芸チームながらも次々と強敵を打破していく。もちろんヒル魔も身体能力は恵まれず脳みそに特化した一芸職人。だがことアメフトにおいて、駒を指す棋士が1人いるだけでジャイアントキリングは起こり得るもの。その棋士こそが、ヒル魔なのだ。
まーーじーーでしびれる。読者も騙されかけるトリックプレー。修行編でアメリカのカジノへ寄るシーンがあるのだが、その持ち前の頭脳で荒稼ぎするシーンも実に面白く爽快。相手チームとの心理戦は毎回「ヒル魔ならやってくれるだろう」と信頼がある。そして上回る。その司令塔に恥じない統率力は、惚れても仕方がない。
まだまだ書くで?
ここで個人的好きなヒル魔のセリフをざっと。
「勝て 欲しいものがあるならな アメフトはそういう世界だ」
「死なねェよ クリスマスボウル(全国大会決勝)にいくまではな!!」
「1% 負けるんだぞ」
「この世に無敵の奴なんざいねえ!!」
「…ないもんねだりしてるほどヒマじゃねぇ あるもんで最強の戦い方探ってくんだよ 一生な」
くぅーーー響くね。いちいち。この辺は名言として語られているが、他にもギャグシーンやちょっとしたヒル魔の言葉に「確かに…」となってしまう。
一つ一つの言葉に触れていくとさすがに読んでるみんながヒル魔嫌いになっちゃうから、中でもグサッと響いた最後のセリフをピックアップ。
「あるもんで最強の戦い方探ってくんだよ」
このシーンは、最終章の世界大会編で、後々触れていく"努力しない天才"金剛阿含とのタッグを組んだ時。100年に1人の天才と言われた阿含はもちろん身体能力は人間離れ、頭の回転も凄まじく非の打ち所がないキャラ。ドラゴンボールでいうフリーザ。努力したら全員終わり。その身体能力に恵まれまくった阿含と、その能力を加味してヒル魔の戦略でビックリタッグプレーを連発する。それはもう息の噛み合った、本番のアメリカ選手もなかなか止められない攻撃。そして阿含の言葉「俺並みの身体能力がありゃ 最強のタッグがーーー まぁ相変わらずカスすぎて目も当てられねぇがな」
これは一見クサしまくっているセリフに見えるが、それ以上にこれまで阿含は身体能力に恵まれていない凡人のヒル魔をバカにしており、このセリフはツンデレ込みの少し認めたという場面。それに対してのセリフ。3回目のご紹介。
…ないものねだりしてるほどひまじゃねぇ
あるもんで最強の戦い方探ってくんだよ
一生な
みんな聞いた?頭に入れた?絶対入れや?
これねー、、、結局何事も評価されながら生きていく現代、全員に当てはまる超重要なセリフやと思うねんなぁ。
「ハッッッ」てなった。ワタシは。
ないものねだりしていないか?するねんこれが。人生の1番の敵って、ないものねだりやと思うねん。このせいで人と比べたり、嫉妬したり、諦めたり、落ち込んだり……最後には言い訳に辿り着くんよな。
そうじゃなくて、もう手札のカードは決まってんねんから、それで勝つしかないやろと。ぐちぐちあいつはどうのこうの…おれにこの能力があれば…なんていってるうちに人生詰むと。まじでその通りな気がして、ときたま色んなことから逃げてきた自分が情けなくなった。
やりたいことがあるならば、自分がやれる事を100%使い切って戦え。
ヒル魔はもうわかっちゃってるんですよ。もう自分はアスリートではない、凡人の身体能力。頭脳と駆け引きで戦っていくしかない。足の速さ、最速の反射神経、全員ぶっ殺すパワー、その中で自分の戦うべき場所をわかっている。頭脳と駆け引きが最強ならポーカーとか将棋とかやればボロ勝ちやん。だがヒル魔はアメフトが「面白えから」と、やりたい事に自分の武器をフルスロットルで戦う。
部活、勉強、ビジネス、、、現代社会において自分の武器とは何か?その武器を使ってやり遂げたい事は何か?ないものを手に入れようとエネルギーを無駄に使っていないか?
アメフト目線で見るのもそらめっちゃおもしろいが、ヒル魔に注目して読むと、大人は深く考えるきっかけになるかもしれない。
普段の悪魔的な暴力性格と、真の通った熱い言葉のギャップが、ヒル魔妖一が人気たる所以。
あっつーー!!!あつなってるやん!あつなったわ!
ほんでなぁヒル魔以外にもあっちぃキャラバカほどおるねんけどなぁ、次の項目で少しずつ触れていきたい。
まとめ《ヒル魔妖一の魅力とは、悪魔的な性格とアメフトにこめる熱い想いとのギャップ、そして人生を表したような名言を残すところにある》
○努力と天才
疲れた。ヒル魔で疲れた。けど書かなあかんことは山ほどパンパンパン。それを100分の1くらいに縮めてさいごの項目語るわいな。
努力と天才。これもアイシールド21における縦軸の本筋。小さい才能を持った主人公やチームメイトが、努力の結果天才に追いついて、打ち下して、ほんならまたどげつい天才現れて、努力して、打ち下して、、、ここまではよくあるジャンプ漫画の王道かな。それをこの作品はキャラ別にわかりやすくしてるなーと思う。先ほどのスーパーピックアップした名言「あるもんで戦うどうたらこうたら…」もこの項目に通ずる。
神龍時ナーガの“努力しない天才“金剛阿含。
王城ホワイトナイツの"努力する天才“進清十郎。
その金剛阿含と双子でありチームメイトの、恵まれなかった兄、金剛雲水。雲水は、天才である弟を立てる人生を選ぶ。
それとは対比の、進清十郎とチームメイトでアメフトの才能には恵まれなかったものの、スポーツが好きで諦めきれなかったモデルイケメン、桜庭春人。彼は容姿端麗でモデルやそっちの才能はあるが、アメフトで活躍できない自分が悔しくて、進という天才が羨ましくて、その天才を立てることはせずモデルの才能を捨てアメフトにしがみつく人生を選ぶ。
この雲水と桜庭の対比もいかつい。同じく天才と比べられた人生の中で、どう生きるかを細かく分けられている。雲水は間違っていないし、桜庭は無謀だ。しかし、雲水は心が嘆くし、桜庭は微かな光を掴む。なんとも妙だ。最後のアメリカ戦でしっかりタッチダウンを取った桜庭には、作者の思いが詰まってる気がしたなぁ。
金剛阿含と進清十郎の対比も見事。努力の大切さと、どうしても変わらない才能の壁がうまく表現されている。そして、"努力する天才"が何より最強な事を容赦なく示しているのが最高。現実味がある。なんであろうが努力しときゃええ、自分に合ってる方向でな。と言われているような。
泥門デビルバッツの雷門太郎(モン太)。彼は野球一筋人生。さらにはキャッチ一筋人生。外野手だ。人生をキャッチに注いだ結果、キャッチの達人に。だがハイパーノーコン。ボールが投げた真逆に進むくらいノーコン。そんなんでは野球はできない。しかし、アメフトならできる。キャッチさえできればスターになれるアメフトに、人生の歩みを進めることになる。先に懸けていた野球という人生との葛藤が、これまたうまく表現されている。人には人の、努力するべき才能があると言わんばかりの。
モン太のフィールド外キャッチは痺れたなぁ。あ、わけわからん人は読んでね?
泥門デビルバッツの雪光学。スポーツ経験はゼロで勉強机しがみつき人生。部活なんてすると言った日にゃおかあちゃんにボッコボコ。そんな雪光は密かに部活への、スポーツへの憧れを持っていた。そして勇気を出していざアメフト部へ。遅れをとっている分、人何倍もの努力をする。しかしなんせ勉強机にしがみついて17年。数日の努力じゃ運動部に馴染めるわけがない。努力は認められたが、またしても才能の差が表現される。レギュラー落ち。そりゃそうだ、と無謀でバカだった自分を責める雪光。でも諦めきれない気持ちを胸にチームを応援し、練習に励む。その結果、我がデビルバッツの司令塔はあのヒル魔妖一。使えるカードは全て使う。「てめぇの机にしがみついた17年は無駄じゃねぇ。アメフトにも生きてくんだよ!!」と雪光の勉強根性と暗記能力を駆使したトリックプレーで見事強敵からタッチダウンを奪う。ここやばすぎた。
そして続いての強敵との対戦時、体力がもつわけがない雪光を、ヒル魔はベンチからフィールドに戻す。その目に宿す"やる気"という不確定要素且つ土壇場で確実に力を発揮する可能性に、ヒル魔は賭けた。そして、雪光らしい、自分が出来ることを思考し最大限に発揮した結果、"努力する天才“進清十郎に「見事だ 敵ながら…!」と称賛を受ける。
この作品内最強キャラに認められた凡夫な才という表現。もう勘弁してくれヘロヘロや。最高。
ちょっと待ってくれ。これ一人一人触れれてまうぞ。この辺にしとこうかほんまに。あかんわいってまう。
ここまで読んでくれた人ありがとう!主人公のセナには細かく触れてへんのわざとやで?わざとやからな?セナの活躍は君の目で確かめるんだ!!!さぁ書店へ!!!
ちょっとだけセナの努力課題を表すと、《ウソが本当になるように》。
これだけで響くものあるよな。ぜひ自分の手でこの真相は確かめてくれ。
まとめ《努力と天才について、キャラの取りこぼしがなく、細かく、繊細に表現されている。どれかのキャラを自分に当てはめるもよし、そして努力の大切さを重んじて打ち込むべし》
なんやさいごのよし、とかべし、とか。あつなっとるがな。
全部読んでくれてありがとうね😇そんな君は明日にはアイシールド21を読み始めているだろうし、読み終えた頃にはNFL(アメフトのプロリーグ)のスーパープレーをYouTubeで検索している。
これまたプロのプレー、漫画越えるくらいイカついのいっぱいあるから。
アメフトしてみたかったなぁ。確実にアイシールド21のおかげで日本のアメフト人口には影響与えてるやろな。スラムダンクのバスケみたいに。
それくらい魅力の詰まった作品。紹介できてよかった。まぁ自己満も自己満やけども。気持ちええ。読んでな?
君たちの使命はただ一つ 勝て!!
ここまで読んだあなたはもう、炎のランニングバックだ!!!!
…ないものねだりしてるほどひまじゃねぇ
あるもんで最強の戦い方探ってくんだよ
一生な
ちなみにこの言葉でぼくは、相手の手札に妬みを持つことなく!配られた手札のせいにすることなく!!大富豪が少し強くなりました。
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