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「毎日が勝負」ということ
「僕はレギュラーじゃないので毎日が勝負」
代打ホームランを打った日の大田泰示選手の談話です。
この記事に、活躍を祝福しつつも、アレッ?と思いました、
レギュラーの選手にとっては、毎日が勝負ではないのでしょうか。
微妙な表現の中に、本音が覗いたように思いました。
巨人では一軍に定着できず、日本ハムで不動のレギュラーを経験し、DeNA では代打要員、たまにスタメンという立場に甘んじている、そんな彼だからこその、含蓄ある言葉です。
ファンにとっては、選手起用にどのような基準とプロセスがあるのか、ブラックボックスです。
だから、「なぜ○○を使わないのか」「○○ばかりひいきにしている」「相手投手が右か左かに過剰反応している」「若手は我慢して使い続けてほしい」などと、文句ばかり噴出するのですね。負けているときは特に、ということになりますが。
確かにどの球団も、主力選手はかなりの長期間不調が続いても、固定してスタメンで出場し続け、そのうちにまた調子が戻ってくる、というパターンを繰り返しているように見えます。
それは信頼を寄せているから、とも言えますが、それだけではないチーム事情も背景にあるように感じます。
WBCでは、じっと我慢して使い続けた選手が、シリーズ終盤になってチャンスで打棒爆発したという例がありました。監督がこういう起用の上手い方だったこともあるでしょう。負けたら終わりという後半のトーナメントでは勇気が要ったと思います。一方、我慢しながらも勝てる戦力が揃っていたからできたこととも言えます。
大田選手は、ホームランを打った次のゲームでスタメンとなりましたが、結果は出せませんでした。新人ならいざ知らず、まだ衰える年齢でもなく、恒常的に故障を抱えている可能性もありますが、それでも本人としては納得できるプロセスなのかどうか、気になります。
チームが勝つことが第一。大田選手としてはまずそれを念頭に置いているでしょう。そして与えられた場面で結果を出す。それに尽きます。
野球に筋書きはありません。大田選手の明日も、どうなるかは神のみぞ知る。だからこそ野球は面白いのですね。
大田選手の次のゲームに、期待です。
RC