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「そうでしょうか」より「そうですね」、そして……ーー合評とディベート、その第一声

とうとう冬将軍襲来ということで、雪国では大変なことと思います。RCの住んでいるところは冷たい空気に包まれながらも、おだやかな冬日が注いでいます。

さて、RCがメインに参加している句会も、早々と納めの句会を済ませました。今回は会場が和室でしたので、雰囲気は句会らしくてよいのですが、2時間近く座卓に向かって姿勢を保つのは結構つらかったですね。これも老体ゆえ(?)でしょうか。

短い時間ながらも、句会の合評は楽しいです。声を発すること自体が気持ちいいですし、この句についてどんなことが言えるかな、と考えながら選句するのは、実際にその発言の機会はなくても、それだけで勉強になります。

合評というと、今年思うことがありました。

毎年俳句甲子園のドキュメントをNHKテレビで放映していますが、今年も偶然テレビをつけたら見ることができました。

毎回、ある学校や生徒たちに焦点を当てて、参加への準備や大会中のできごと、成長の様子を短い番組に仕上げてあるのですが、今年はオヤッと思ったことがありました。

去年の番組では、ディベートの場面で、対戦校の評を受けて「そうでしょうか」という言葉が第一声として発せられていて、印象的でした。そして今年の番組では、「そうですね」という言葉が第一声で、去年と違うなぁと感じながら見ていました。

これは、それぞれの学校の個性や方針、戦略なのだと思うのですが、実際に俳句甲子園に関わっていたり詳しい方には、周知のことなのでしょうね。RCはこの番組でしか接していないので、その辺の事実はよくわかりません。

ただ、普段行っている合評と考え合わせると、この第一声の違いはとても興味深く感じました。

俳句甲子園は勝敗のあるディベートですから、通常の合評とは異なり、いわば「敵対的合評」です。そこでの「そうでしょうか」は、反論をスムーズに繰り出すために発声されるのでしょう。相手を一瞬たじろがせる効果があり、強力な武器となる言葉ですね。

それに比べて「そうですね」は、まず相手の意見を頭ごなしに否定せず、受けて立つという姿勢を表します。ディベートとしては弱いかもしれませんが、互いに意見を深め合うプロセスを創るという意味で、クリエイティブな言葉です。

RCは、どちらかといえば「そうですね」が好きです。通常の句会の合評でも、こちらなら違和感がありません。「そうでしょうか」では意見や信念のぶつかり合いとなり、延々と終わりのない応酬になってしまうかもしれません。

まあ、通常の会話でも、「そうですね」はよく言いますが、「そうでしょうか」はあまり使いませんよね。これはディベート語みたいなものでしょうか。

ともかく、RCならどう言うか、それは「ありがとうございます」です。自身の句に、ポジティブであれネガティブであれ、意見をいただいたなら、それだけで感謝したいからです。

実際に合評の場面でその言葉を発することは少ないですが、気持ちとしてそこが大事かなと思います。感謝の意を示し、もし反論、異論があれば、その後に「私の考えでは」と続ければよいわけです。

「そうでしょうか」より「そうですね」、そしてベストは「ありがとうございます」。

この1年、句会に参加してきて、そんなことを思っている師走です。

まだ年末にかけて句会がいくつかあります。そのときに、どんな合評が繰り広げられるか、楽しみです。「ありがとうございます」って、言えるかな?

明日も素敵な季語との出会いがありますように。

RC

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