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観戦記 第3節 ロアッソ熊本 VS RB大宮アルディージャ


【概要】


2025/3/2
熊本VS大宮 0-4
55:泉 57:藤井 62:藤井 90+5: カプリーニ
@えがお健康スタジアム
*熊本は一昨年行ったのでDAZN観戦*

【大宮フォーメーション】


大宮陣形


前節と同じ3-4-2-1でスタート。ベンチには肉離れで遅れていたサンデーと安光が初選出。プレビューでも書いたけど、熊本にはサンデーのカウンターが刺さると思っていたから、前半我慢して後半サンデーで仕留める気だ!って思ってたけど、サンデーが出る前に藤井が試合を決めてしまったため、これは嬉しい外れ予想だった。ありがとう藤井!

【熊本印象】


熊本独特の3-4-3の陣形だけど、前節との違いは184cm長身の左CBを入れてきたこと。180cm以上が袴田しかいない熊本にとっては、大宮のセットプレー対策で高さを加えてきたのかも(他のCBが怪我だったとかも?)。

この試合では最終ラインを高めに取りつつ、基本は右肩上がりぎみではあったんだけど、前節上がりまくっていた右CBは、今日の上がりはそこまでではなかったなぁといった印象。ただ右CBが上がった攻撃時や、ブロックを組む時も、最終ラインにはアンカーの上村が最終ラインに入り、最低3枚は必ず残していた感じだった。このあたりは、大宮のカウンターを警戒していたのかなぁとは思った(*その壁を藤井がぶち破った!)。

一方でロングボールは前節より増えていて、大宮の左サイドの裏(泉の裏)はやはり狙い目なのか、前半は熊本も隙きあれば狙っていた。あとビルドアップ時のプレス剥がしはさすがに上手で、アンカー上村に加え、もう一人がMFの底まで落ちてきて、大宮三枚のプレスをうまく回避しているシーンが何回か見られた。

【前半の流れ】

大宮はボールを握ることをほとんど放棄し、熊本に持たせ続ける展開に。大宮のプレスからブロックに切り替えるラインも相当高く、ミドルサードにボールを運ばれたらすぐに撤退してブロック守備に入っていた。実際1トップの藤井はプレスに行くが、連動した2列目のプレスというのが少なく、プレスよりもブロックを優先的に選択した戦いだったと見て取れた。
それにより熊本の多彩なパスと選手の入れ替わりに惑わされることなく、中央を徹底的に固くしていた。現状この中央守備が崩れる事は想像しづらく、ペナルティ内への侵入もことごとく阻止してたし、例え外を突破されても中央で何なく跳ね返していた。

大宮はブロック守備に徹底しながらも虎視眈々にショートカウンターを狙い続けた。特に豊川はボールが入れば積極的にゴールを狙っていて、あのバイシクルが決まってれば月間ゴール賞モノの一撃だった。もう一人のシャドーの健勇も中盤のプレスバックで貢献したり、攻撃のハブ役として、高いキープ&パス能力を発揮していた(健勇→泉のホットラインは興奮モノ)。まぁ、どちらもゴールが決まるのは時間の問題かと。

トータルで見ても、熊本はボールを握って攻撃し続けていたけど、大宮のブロックを崩し切ることはできず、大宮の作戦通りボールを持たされていた前半だった。一方、時折見せる大宮のカウンターは鋭く、得点はなかったが決定的なシーンは大宮の方が多く、実はそんなに攻めているように見えなかった大宮ペースでずっと時間が進んでいた。

【大宮の得点】

今シーズンは中盤で体ぶつけまくって、相手からボールを刈りまくっているシルバが、相手からボール奪取(公式のゴール動画もわかっていて、ちゃんとシルバのボール奪取から映像を入れてくれてた!)。その後ペナルティに5人+ペナルティ外にボランチ配置という、狙った形を作り出し、二重三重の分厚い攻撃から最後は泉が仕留める。*あそこの位置に詰めてる泉は結構貴重。試合展開的にもこの一点でより前に出てくるであろう熊本に対し、大宮が更に優位に進められるだろうなと思った。

…優位に進められるだろうなと思った矢先のニ点目!最終ラインのガブリエウからの縦パス一本で藤井が抜け出し、斜め右からの一閃(ガブ様の縦パスはこの三試合凄すぎる!)。DAZNだとわかりづらいけど、大外に豊川が開いていたから、その分熊本のDF間の距離が開いたのかな?戦前の自分の妄想では、ハイラインで裏にスペースがある熊本相手に、サンデーが見せてくれるであろうゴールだったんだけど、藤井が体現してくれた形に。本当藤井ありがとう。

ありがとう…と思ったら三点目も藤井の技ありループ。中盤を細かく経由したショートパスを繋いで、シルバがスルーパスを藤井に出し、綺麗な裏抜け。最後はキーパーの動きを冷静に判断してゴールへ。これもサンデーが見せてくれると妄想していた形だったんだけど、完全に自分の予想違いでした、藤井に申し訳ないです。(あ、でもロスタイムのサンデーのカウンターゴラッソ未遂は、自分の想像してた通りの展開だったんで、あながち予想が全部外れてたわけでもなかったぜ)
ともかくゲームとしては、まぁ、これで試合ありでしたね。

そしてトドメの四点目。中盤で受けたカプリーニが関口に預けると、関口が一人背負いながら縦突破し、相手をぶち切ってセンタリング。中央で谷内田が潰れることで生まれたスペースへ、起点のパスを出したカプリーニが全速力で上がって得意の左足でシュート。カプリーニのシュート威力は前々から聞いていたけど、あの左足は確かに大きな武器に。本人もベンチスタートが続き思うところはあるだろうけど、先発と同等以上の強度を見せ続けて、テツさんに起用を沢山悩ませてほしい。
そしてもう一人、関口。昨年のA岩手戦などで当たり負けしない体の強さや収まり具合は知っていたんだけど、J2のDF相手でもぶっちぎった点は非常に明るい材料。茂木や下口とはまた違ったWBとして、大宮の大きな武器になってほしい。

【雑感】

作戦勝ちと我慢勝ち。相手の土俵に上がって同じサッカーをするわけでなく、ブロックでじっくり守って、裏抜けとカウンターで仕留めきった狙い通りの試合だった。

藤井の二点が目立つけど、今の強さは中央守備の基盤の上に大きく成り立っていると思われる。多少サイドをやられても中央は固めてやらせないという点は、昨年から引き続き安心して見てられるし、開幕三試合、ペナルティ内へ侵入されたのは数える回数しかない。今日の試合も、中盤で引っ掛けられた後のショートカウンターぐらいしか、怖いシーンはないぐらい余裕を持って見ていられた。

あと試合見ればわかることなんだけど、今日もシルバとガブの守備は素晴らしかった。山形戦の時も書いたけど、特に今年のシルバはポジショニングが非常に良くなっていて、ネガトラ時に相手に強靭な体をぶつけてボールを刈り取りまくっている(今日の一点目もシルバ起点)。おまけにパスも散らせるし、ゴール前にも入っていけるし、化け物ミドルもあるんですぜ、J2のみなさん!

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