【プレビュー】ロアッソ熊本 VS RB大宮アルディージャ

前節の熊本 (VS北海道コンサドーレ札幌)

中盤がダイヤモンドのバルサ型3-4-3で、Jリーグ全体でも見ることがほぼない攻撃型陣形。2023年の二試合とも大宮がボロ負けした時と同じ陣形だが、メンバーはほぼ全取っ替えされていた。毎年中心選手が引き抜かれながらも、この特殊なサッカーを続けられているのは、大木監督の手腕が間違いなく大きい。

特徴としてはパス&機動力サッカー。足下で細かく繋いでいくのに加え、選手が中盤で流動的に動いてパスコースを作っていくため、選手全員に相当な機動力が求められているのが見て取れた。

選手が動きまくるので、基本陣形はほとんど意味をなさないんだけど、ボールを握った時は3-4-3で中盤に沢山の三角形を作るのと共に、後ろから次々と前の選手を追い抜いて、相手のマークを撹乱させていた。特に機動力に長けた左右の両CB (更に特に右CB)が積極的に相手陣地まで上がって攻撃参加し、更にそのサイドに選手を密集&密集&密集させて攻めきる形が目立った。相手DFとしては、初見でマークを捕まえるのが凄く難しいだろうな…。ロングボールでの攻めは少ないが、右サイドの裏狙いで何回か放っていた。

DAZNでは攻撃時の最終ラインまで見られなかったんだけど、恐らくアンカー(ダイヤモンドの一番下)が下がってCB化したり、逆サイドのCBが絞るような感じでDF2枚は必ず残し、且つラインを高く保っていたんじゃあないかな？この辺を生で確認したいんだけど、今回はDAZN観戦にしちゃったんだよなぁ…(後悔)。

また、攻撃時に前掛かりになりがちな3-4-3において、ひっくり返された際のリスク管理として、相手にロングボールは蹴らせないよう、前線からのハイプレスや、攻撃時の同サイド圧縮を活かしたネガトラ時のボール奪還(そしてショートカウンターへ！)の意識も非常に高かった。この辺りも熊本の強みの一つ。

熊本の注目選手

4袴田
大宮サポならみんな大好き、高さと機動力を持ち合わせた左利きCB。2023年秋、藤枝の地で体験した興奮は一生忘れない。大宮では左CBか左SBで起用され、機動力と左足のビルドアップ能力(あとはセットプレーの高さ)のイメージが強い選手だけど、熊本では3CBの中央を務める。
札幌戦見るまでは何で中央で使われているのか謎だったんだけど、先述の通り前掛かりをひっくり返されるロングボールを蹴られた時等に、広大なスペースをカバーするため、中央CBにも機動力が必須になり、袴田起用もなるほどなーと至極納得した。ただ右CBが上がったスペースに袴田がズレてきた時に、左足が使えなくなるのはちょっともったいないなぁとは思った。あと、熊本に不足している高さにも大きく貢献していると思われる。

14塩浜
昨年J3を見ていた人みんなが称賛する、素晴らしいサッカーを披露していた福島の中核を担っていたWG。福島では右をやることが多かったけど、熊本では左をやっているのかな？早速2試合連続でゴールしてるし！

10古長谷
左WG。札幌戦では左サイドを自由自在に動き回って、札幌のDFを混乱させていた。テツさんは熊本の10番をどう止めにいくか？

大宮展望

大宮としては前掛かりな熊本をひっくり返すために、ミドルゾーンでのプレスによって奪ったボールをロングボールで素早く前線に送って、ミドルカウンターを狙っていきたい。そのためにはつくづくサンデーの1トップが最適任なんだけど、怪我の具合いはどうなのかなぁ？間に合わんかなぁ…？

あとはこの試合も泉。システムの都合上、熊本はゾーンブロックで守るよりマンマークぎみに守ってくるため、個で打開できる泉はカギになるかと。更に熊本の右サイドの押し上げを食い止めるという、難しい任務も泉は遂行しなくてはならないため、大宮の左VS熊本の右は注目。

熊本の両CBの斜め前のスペースも空きくことがあったので、両シャドーが落ちてボールを貰って、両WBの上がりからのサイド攻撃も狙っていきたい。あと3CB間の距離が空くこともあったため、シャドー2人で左右CBを釣り出してゴールから遠ざけてもいきたい。

また、高さが無い熊本(180cm以上はスタメンで袴田だけ)に対し、セットプレーも大きなチャンスになるハズ。大宮としては、最終ラインの袴田の壁をぶち破れ！だ！