
川村拓夢のRBザルツブルク移籍をマーケティング視点から見る
6月24日、RBザルツブルクはサンフレッチェ広島から川村拓夢の獲得を発表した。三都主アレサンドロ、宮本恒靖、南野拓実、奥川雅也以来の日本人選手加入となる。
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— FC Red Bull Salzburg (@RedBullSalzburg) June 24, 2024
YouTubeでは川村の獲得についてもう少し全体的に深堀りする動画を投稿していますが、noteではマーケティング視点に特化して書いていきます。
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今季は「レッドブル×プーマ元年」
RBライプツィヒとRBザルツブルクは、24/25シーズンから契約メーカーをプーマに変更する。
🤝 PUMA are set to be the new kit supplier for RB Leipzig! Starting from 1st July 2024, @pumafootball will become “Exclusive Partner” and kit out all the club’s teams.
— RB Leipzig English (@RBLeipzig_EN) February 27, 2024
元々、両クラブはアディダスと契約していた。これはRBザルツブルクが当時バイエルン・ミュンヘンと提携関係にあったことや、レッドブル創業者の一人であるディートリッヒ・マテシッツとベッケンバウアーが友人だったことなどが背景にある。
そこから14/15シーズン、彼らは同時にナイキへ変更した。このことから、レッドブル・グループが一括で契約していることが推測できる。マルチクラブ・オーナーシップの特徴の一つと言えるだろう。ブラジル支部のRBブラガンチーノも、レッドブル買収後の2019年にナイキと契約している。なおNYレッドブルズに関しては、MLSがリーグ全体でアディダスと契約を結んでいるため、各クラブがメーカーを選ぶことはできない。
そして今季、レッドブル・グループはプーマをパートナーに迎えた。これは一昨年にマテシッツが亡くなってから、レッドブルのスポーツ投資部門CEOを務めるオリヴァー・ミンツラフによるプロジェクトと考えられる。彼はレッドブル・グループに入る以前、プーマで働いた経験を持つ。
2年前にナイキから離脱してニューバランスと契約していたRBブラガンチーノも、再び足並みを揃えてプーマと契約することが既定路線となっており、移行期間となる半年間は自社ブランドのユニフォームを着用する。
𝙀𝙢 𝙣𝙤𝙨𝙨𝙖𝙨 𝙧𝙖𝙞́𝙯𝙚𝙨 𝙚 𝙥𝙚𝙡𝙤𝙨 𝙣𝙤𝙨𝙨𝙤𝙨, 𝙣𝙖𝙨𝙘𝙚 𝙪𝙢𝙖 𝙣𝙤𝙫𝙖 𝙘𝙖𝙢𝙞𝙨𝙖.
— Red Bull Bragantino (@RedBullBraga) June 21, 2024
𝙐𝙢 𝙢𝙖𝙣𝙩𝙤. 𝙐𝙢𝙖 𝙨𝙚𝙜𝙪𝙣𝙙𝙖 𝙥𝙚𝙡𝙚. 𝙐𝙢𝙖 𝙖𝙧𝙢𝙖𝙙𝙪𝙧𝙖.
𝙋𝙖𝙧𝙖 𝙖 𝙈𝙖𝙨𝙨𝙖 𝘽𝙧𝙪𝙩𝙖. 𝙋𝙚𝙡𝙖 𝙁𝙤𝙧ç𝙖 𝙄𝙣𝙩𝙚𝙧𝙞𝙤𝙧! ⚽️❤️🔥#ForjadosEmBragança… pic.twitter.com/HQbA2UuFvT
プーマとの契約を"よりセンセーショナル"に
今回の契約で、RBライプツィヒはプーマから10年間で1億5000万ユーロを受け取ると言われている。クラブはこの契約をよりセンセーショナルに演出するため、プーマ契約選手であるシャビ・シモンズの再ローンを目指している。
昨季PSGからのローンで大活躍したオランダ人アタッカーは、Instagramのフォロワーが590万人を超える人気者。RBライプツィヒがシャビ・シモンズを再びクラブに迎えることは、単純な重要戦力の維持としてだけでなく、マーケティング面でも大きな意味を持つ。
メーカー変更時に、こういったスポンサーの存在感が大きく映る移籍のケースは他にもある。例えば、ポール・ポグバのマンチェスター・ユナイテッド復帰だ。15/16シーズンからアディダスに契約メーカーを変更したユナイテッドは、翌年にポグバを獲得。その発表後、アディダスはラッパーのStormzyとのコラボビデオをリリースし、この移籍を大々的に宣伝した。
Paul Pogba. 🙌 #POGBACK pic.twitter.com/NhHjhWx5XT
— Manchester United (@ManUtd) August 9, 2016
また、メッシのインテル・マイアミ移籍もその一例とも言える。加入にあたって、メッシはMLS移籍によって生まれるアディダス社の利益の一部を受け取れるオファーを提示された。この移籍にはMLSとサプライヤー契約を結ぶアディダスと、リーグの放映権を持つアップルの協力が大きく絡んでいる。
そして、川村は現在プーマと契約しているようだ。
RBザルツブルクでは、既存のプーマ契約の中心選手をプッシュしづらい事情があると予想する。前シーズンに活躍して中心選手となっていたら、主要リーグへステップアップする可能性が高まっているからだ。プロモーションの撮影をした数週間後に移籍なんてこともあり得る。先日プーマの新ユニフォームが公式SNSでお披露目されたが、プーマ契約で選ばれたのは昨季公式戦出場がゼロに終わったヘンドリー・ブランクだった。そのため、川村のようなプーマ契約の新加入選手は、ある意味クラブにとって最も「プッシュしやすい」存在と言える。これも獲得の決め手の一つとなったかもしれない(ただ、加入発表ではノーメーカーっぽいスニーカーを履いていたように見えた)。
川村が定着しつつある日本代表でも、プーマの存在感は増してきている。キャプテンの遠藤航、人気選手の三笘薫と伊東純也、そしてこれまで「アディダス契約選手用の背番号」だった10番を現在着用しているのはプーマの堂安律である。
川村を獲得したRBザルツブルクが、これから日本市場に対してどのようにアプローチするのか注目される。RBザルツブルクの先輩である南野拓実は、今季モナコでの活躍によって、リーグ・アンやクラブ公式での露出が増加した。
🇯🇵🇲🇨南野拓実🤝東京
— RB Football Hub (@RBFootballHub) January 16, 2024
堂安律、浅野拓磨、フローラン・ダバディさん、西達彦さんも登場pic.twitter.com/zzXFqfAGDp
オーストリア・ブンデスリーガは今季から『イージースポーツ2』が放映権を取得しており、『OneFootball』でも引き続き無料で視聴ができる(※24/25シーズン開始時点での情報)。
まずは、南野と奥川の退団後も更新してくれていたものの、今年始めに投稿が止まった日本語公式Xアカウントが再稼働するのか見ていきたい。
ようこそザルツブルクへ! 🔴⚪️ pic.twitter.com/cbTJd3Nflo
— FC Red Bull Salzburg JP (@FCRBS_jp) January 6, 2024
スポンサーはあくまで1つの要素
契約メーカーが移籍市場に与える影響は、時として重要な要素になり得るが、当然これが全てを決めるわけではない。
ナイキ契約選手であるクリスティアーノ・ロナウドが昨季アル・ナスルに移籍した際、クラブもナイキと契約を結んだが、今季はアディダスと契約することを発表している。
Hala Nassrawi 🔵🟡@adidasfootball pic.twitter.com/iWFPw53CAY
— AlNassr FC (@AlNassrFC_EN) February 6, 2024
ナイキフットボールの顔であるロナウドは、近年クラブレベルではほとんどの期間(レアル・マドリード→ユヴェントス→ユナイテッド復帰→アル・ナスル)をアディダスのユニフォームで過ごしている。
川村のRBザルツブルク移籍もスポンサーがメインではなく、左利きでスケールの大きなMFというプレーヤーとしての魅力が最も大きな要因であることは間違いない。その上で彼がオーストリアで活躍し、選手とクラブ双方の価値が上がることに期待したい。
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ほぼ妄想を最後まで読んでくださり、ありがとうございました笑
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♬ オリジナル楽曲 - RB Football Hub - RB Football Hub
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