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RBライプツィヒのローン戦略から見えてくる ザルツブルクとの関係性の変化

RBライプツィヒは、18歳のFWノア・オハイオをオーストリア・ウィーンへローン移籍させることを発表した。

RBライプツィヒからオーストリア・ウィーンへのローン移籍は、昨冬から貸し出しているエリック・マルテルに続いて2人目。おそらく、ここで1つの疑問が生じるだろう。

 「なぜオーストリアなのに、移籍先が同じレッドブル・グループのザルツブルクではないのか?」と。

RBライプツィヒの"お下がり"なんて要らない!

以前は、RBライプツィヒとザルツブルクの双方向で選手のやり取りがあった。

代表的なのが、マルセル・ザビッツァーだ。今やRBライプツィヒで押しも押されもせぬ主力となっているザビッツァーだが、ラピード・ウィーンから獲得した際には、あろうことかラピドが国内で妬み憎むザルツブルクにローン。そこで2桁ゴール・2桁アシストを達成した彼は、次のシーズンからドイツでのキャリアを始めるのだった。

しかし、今ではこういった取引きはほとんどない。その背景には、やはりRBライプツィヒの成長が考えられる。

ザビッツァーが移籍した当時のRBライプツィヒは、まだ3部から2部に昇格したてのクラブ。対してザルツブルクは、ELでアヤックスを粉砕するなど欧州でも存在感を高めており、2クラブ間のRBグループ内での序列は今ほど明確ではなかった。また、この頃はラングニックが2クラブ両方のSD職を兼務していたため、選手の振り分けも活発だった(南野拓実や奥川雅也がザルツブルクに加入した際のSDもラングニックである)。

ただ、そこから現在までのRBライプツィヒの躍進は周知の通り。グループ内でのヒエラルキーがはっきりした今では、ナビ・ケイタやウパメカノの移籍を例に挙げられるように、RBライプツィヒが「狩る側」、ザルツブルクが「狩られる側」となっている。

当然それを快く思わないのが、ザルツブルクのファンである。それを象徴する出来事がジェシー・マーシュの監督就任だった。

マルコ・ローゼのボルシアMG監督就任に伴い、次期監督にRBライプツィヒでラングニックのアシスタントコーチを務めていたマーシュの名前が挙がった際、ザルツブルクのファンは「俺達はRBライプツィヒの"お下がり"なんて要らない!」という旨の横断幕を出して拒否反応を示した。

RBライプツィヒの「キャリアセンター」

 16/17シーズンにU-23チームを解体したRBライプツィヒは、下部組織選手の育成のために「キャリアセンター」というものを設けており、その一環として、ユース選手をトップチームへローンさせて成長を促すという戦略を取っている。

 マルテルやオハイオの修行先をオーストリア・ウィーンとしたのは、RBライプツィヒ側がRBザルツブルクのファン心理を汲み取ったからなのかもしれない。

 

 

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