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種牡馬の勝利距離のバラツキの測り方
どうも、吉田しげるです。
たびたび種牡馬の特徴について連載していますが、いずれも平均値を使ってのものでした。
実際、競馬雑誌などでも複数の統計量に基づいてデータ紹介がなされることは少ないと思います。例えばある種牡馬の平均勝利距離と言っても平均値ひとつで済まして良いのか、というギモンが残ります。
今回は種牡馬の勝利距離のバラツキを、標準偏差を使うことで測りたいと思います。
勝利距離のバラツキが大きい種牡馬
過去5年で勝利数の多い種牡馬100頭からランキング。
赤枠の(距離,std)の列が勝利距離の標準偏差を示しています。
種牡馬名を見たざっくりとしたイメージでいうと、地味な名前が連なっていますよね。
あとは統計的に当然なのですが、比較的勝利数の少ない種牡馬が標準偏差で高い値を取っています。
ただこれは統計的な問題で済ますのはもったいなくて、ひとつの仮説が浮かびます。つまり、、
「勝利数の少ないマイナー種牡馬はニッチな戦場を選ぶ必要に迫られるがゆえに、いわゆるレッドオーシャン化する中距離戦を避けて、短距離と長距離の両極端なブルーオーシャンを求める」
そうなると距離的には両極を攻めるわけですから、自然と勝利距離のバラツキも大きくなるというストーリーは想像が過ぎるでしょうか。
と同時に別の解釈としては、上図の上位の種牡馬たちはナカヤマフェスタ・タニノギムレット・ワークフォースなど、総じてスタミナ型で平均勝利距離も長い種牡馬ですよね。
3000m~3600mなど長距離は上限値が広いことが要因で標準偏差を引き上げているとも考えられます。
すなわち、上記のランクには距離適性が柔軟な馬と単にステイヤー種牡馬が含まれていると思われます。
なので距離適性が柔軟な種牡馬としては、平均勝利距離が短い種牡馬がそれに近いのかなと思われます。
モンテロッソ・ストーミングホーム・タイムパラドックス・ノヴェリストあたりでしょうか。実に渋いですねぇ。
逆も調べましょう!
勝利距離のバラツキが小さい種牡馬
勝利時の距離の標準偏差が小さい順に20頭並べています。
上位は短距離種牡馬が大半を占めていますね。距離短縮に比べて、距離延長が難しいことがここからもわかりますね。
ならば平均距離が長めの種牡馬をピックアップしますと、Tapit、ワイルドラッシュ、カジノドライヴあたりのダート種牡馬が該当しますね。
ダート戦の方が芝に比べて、距離設定のバリエーションが少ないことが影響しているからでしょう。
いかかでしたでしょうか。ひとつひとつの解釈は読者様でもっと広げていただいて、ひとまずこの標準偏差を使うことで、種牡馬の特徴についてより多面的に見れるということを紹介・提案いたしました。
以上、吉田しげるでした。