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東京芝2400mのG1の予想のツボ_馬場変化と思考のアップデート

東京芝2400mのG1は1年に3度。
オークス、日本ダービー、ジャパンカップだ。

かねてから、馬場の高速化・前の止まらない傾向は多くの人が指摘してきたが、その傾向はここ2年でさらに強まっているため予想の前提を改めてアップデートする必要がある。

タイムのさらなる高速化

まずはこちらのグラフを見ていただこう。

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過去10年の当コースの3つのG1のタイムをグラフ化している。
最も速いタイム3つが、2018年JC・2019ダービー・2019オークスと2018年以降に限定される。

ただ注意したいのは、年を追うごとにタイムが高速化しているのではなく、2018年秋・2019年春が際立って高速なのだ。

そして2020年の今年もVMで2019年のレコード並みのタイムが出ており、天候さえ良好であればオークス・ダービーともに2019年並みのタイムが記録される可能性が高いだろう。

逃げ・先行馬の優位性UP

各年3つのレースだけで傾向を言い切るのは問題だが、2017あたりから先行馬の馬券圏内率が高い傾向にあることは確かだ。

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特に2018年は馬券の大半を先行馬が占めた。この傾向は2020年の東京G1を見ても継続的に起こりうる事象だと読むのが自然だろう。

先行馬が有利ということの補足として、どんなラップで走る馬が好走しているかという指標を見ておく。これはTargetで提供されているPCI3という値を使う。
(*PCI3とは、ラスト600mのタイムとそれ以前の平均ラップとの比率についての上位3頭の平均値です。要は上位にきた馬が上がり重点の競馬をしたのか、スピード持続的な競馬をしたのかがわかります。)

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50より大きな値であるほど、上位3頭が上がり重点の競馬をしたことになります。

そう考えると、高速タイムBEST3の2018年JC・2019ダービー・2019オークスでは、いずれも比較的スピードの持続力が問われたことが分かります。
同じく高速化した2012年にも同様の傾向が見られます。

ともすると高速馬場=上がりの速い馬、と解釈しそうになりますがそうではなくて、後半だけでなくレース全体としてスピードを持続できる馬が有利になる。

タイムが変われば血統も変わる

これだけタイムが早まり、スピード持続力のある先行有利となれば、必要となる血統にも変化がある。

先日フォーティナイナーが亡くなりましたが、こうゆうアメリカンでピッチタイプのパワースピード的性質がモノをいう。

ちなみに
フォーティナイナーを母方にもつ馬の東京2400(G1)成績
(0−2−1−4ー5)

勝ち馬こそ出ていないが、4着には何度も人気薄が突っ込んできており、いつでも大波乱の可能性を秘めている。
近年で言えば、マイスタイル14人気4着、レッドサクヤ11人気4着ときて、ラッキーライラック、エポカドーロがそれぞれ馬券内に来た。

加えて、私が何度も書いている所ですが高速東京芝では
アメリカ系のスピード血統(特にDanzig,Storm Cat,フレンチデピュティなどのアメリカ・ノーザンダンサー系)がとにかく有効だということ。

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このように高速化の著しい2019年ではアメリカ系スピードの活躍が明らかだった。
同じく高速化した2012年もジェンティルドンナ(母父Danzig系)、フェノーメノ(母父Danzig系)が活躍した。

アップデートすべきポイント

ここまでをまとめると、
2018年秋以降、東京芝2400mでタイムがこれまでになく高速化しており、それにともなってスピードを持続できる先行馬が好走しやすい。
またその根底にはアメリカ系のスピード血統が潜んでいる。

となればアップデートすべきは距離適性という概念だ。
アメリカ系スピードを土台にして、スピードの持続力に長けた馬を2400m向きと評価することはこれまでは間違いだった。

しかし現在の馬場コンディションにおいては、ちょっと距離が長いな、という固定観念を取り払う必要がある。

これは勇気のいることだが、ここまで並べてきた因果関係が根底にあれば、思考のアップデートは怖くない。新しい2400m像に近づこうではないか。

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