天皇賞・春の復習 スティッフェリオの好走から何を学ぶか
競馬で上位に来る馬は、すべて自力によるとは限らない。タイムトライアルではないし、どんなにタイムが遅くても相手よりもハナ差でも前に出れば良いわけだ。
キセキの気性面での課題、ユーキャンの伸びづらい内を選択せざるを得なかった悪癖も手伝ってのスティッフェリオの2着だろう。
僕自身幸いにもスティッフェリオに本命印を打てたが、それは主に未知なる京都適性と展開面での優位性に期待したものだったし、大いに他馬の凡走のおかげもあるから、この程度で誇らしげにはなれない。
当然予想が当たればそれで良しとはいかない。自分の予想外のことにも結果を受けて気づかされることも多い。
北村友一の馬場読み
まず好走要因のひとつに鞍上の北村友一の好判断にある。最近の京都の芝は上がり時計は速いものの、決してイン有利とか先行有利という傾向が見られず、特に日曜日は馬場の真ん中より外目を走る差し馬の台頭が顕著だった。
北村友一はレース後コメントでも馬場への言及が比較的多い騎手と感じるが、今回もまさに傾向を踏まえた直線の進路どりだった。
スティッフェリオの個性
典型的な小回りの機動力型でローカル重賞型というイメージを持っていた方も多いのではないだろうか?
僕自身も今回本命に打ちながら、そこの不安材料もあって控えめな勝負になってしまった。
しかし成績をラップ面から改めて振り返ると、OPクラス以上のレースでは持続力を生かすのではなく、上がりでスピードUPする競馬が得意パターンなんですね。
TargetのPCIという指標を見ると、
PCI 55以下(1−0−1ー7)に対して、PCI 55~60(2−1−0ー2)と一定のペースで押し切るのではなく、スローペースを前々でスピードアップするのが好走パターンなんです。(これは改めて気づきました!)
※PCIについては記事下部に動画リンク
今回も先頭のキセキを除けば、だいたい13秒ラップを刻むような流れで、上位馬は上がり重点のレースになったことが、この馬の好走パターンと見事にフィットしたと言える。
逆にいえば、スローになりづらく一定のスピードの持続が問われやすい宝塚記念では、出走予定をしているようですがかなり厳しい戦いになるでしょう。
北村友一との相性
スローペースからのスピードUPが得意というスティッフェリオに、北村友一の個性がハマった面もある。
北村友一は決して強気の逃げを打つことは少ないし、レシステンシアのチューリップ賞での失敗が典型的だが、持続力を生かしたいタイプとの相性は良くない。
対照的にクロノジェネシスのように、好位〜中団から速い末脚を生かすタイプと好相性。まさにそんな個性がスティッフェリオの良さを引き出すことに繋がったのだ。
スティッフェリオの個性、北村友一の個性への理解が深まる有意義なレースだったように思う。
PCIについてはこちら
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