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地質観察旅行記:華厳の滝の柱状節理
2024年3月1日に華厳の滝を観光した際に、見事な柱状節理を観察できたので、ここにその記録を残します。
華厳の滝とは何か?
華厳の滝は栃木県日光市にある滝です。男体山の南麓、中禅寺湖から大谷川が流れ、その500メートル下流で滝になっています。
名前の由来は、発見者の勝道上人が華厳経から名付けたからとされています。
華厳の滝周辺には同様に経典名を名付けられた滝が幾つもあります。
滝の水量は中禅寺ダムによって調整されています。なお、私が見学した日は、滝の水量は少なめでした。
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メインの滝以外にも、湧水による小さな滝も複数できており、これは後述する十二滝と呼ばれる滝です。
華厳の滝はどのようにしてできたのか?
華厳の滝は、日光火山群の男体山の火山活動によりできました。
栃木県立日光自然博物館には華厳の滝解剖図なるものがありました。
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華厳の滝の構造は上部と下部の2回の溶岩流によるものに分けることができます。
下部華厳溶岩は下部集塊岩と下部安山岩から成り、上部華厳溶岩は上部集塊岩と上部安山岩から成ります。
集塊岩は崩れやすく、上部と下部のどちらでも大きく削れています。
また、集塊岩は水を通しやすく、上部集塊岩と下部安山岩との間からは常に中禅寺湖からの湧水が流れ出ており、十二滝と呼ばれています。
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男体山の地質については以下のサイトの解説が分かりやすいので、ご参照ください。
安山岩の柱状節理
男体山は安山岩および石英安山岩の溶岩を持ちます。
男体山からの溶岩流は、華厳の滝の上部でゆっくりと冷えながら固まることで均等に収縮して、六角形の集合体のようになりました。
それが柱状節理です。
柱状節理ができる原理は以下の動画が分かりやすいです。
以下には華厳の滝の上部安山岩の柱状節理の写真を掲載します。
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湯葉うどんを食べて温まる
華厳の滝は標高が高くて気温が低く、3月でやや暖かくなり始めたと油断して薄着だったので、風の冷たさには縮み上がってしまいました。
華厳の滝を見た後は、現地の名物の湯葉の入ったうどんを食べて温まりました。
また、華厳の滝の近くにある栃木県立日光自然博物館を見学し、男体山の火山活動のもたらしたもの、中禅寺湖の避暑地としての歴史、現地の生物の生態系について学べました