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フワちゃん炎上から学ぶ、企業のインフルエンサー活用と危機管理の新常識

こんにちわ。危機管理広報の専門家、大杉春子です。

みなさん、パリ五輪、楽しんでいますか?
私の推しは、シルバーヘアがセクシーなトルコの射撃混合エアピストルに出場したユスフ・ディケチ選手!
51歳で若手を押しのけての銀メダル。しかも軽装で!
かっこいいー!(笑)

GET WILDのBGMでショート動画がたくさん流れてエンドレスに見てしまう

でも、ちょっと待ってください。
企業の広報担当者や経営者のみなさん、こういうヒーローって、実はちょっとだけやっかいな存在でもあるんです。
なぜかって?ちょっとだけお付き合いください。

メダルと爆弾を同時に抱えるリスク

想像してみてください。
あなたの会社がスポンサーになっている選手がメダルを獲得!
これ以上のPRはありませんよね。

でも、その裏で...

・薬物使用疑惑が浮上
・選手が違法賭博に手を染めていた
・SNSで不適切発言

こんな爆弾を抱えていたら?
せっかくのメダルも、会社の株価暴落のきっかけになりかねません。

スポーツスポンサーシップは、諸刃の剣ともいえます。
ディケチ選手のような素敵な予想外のヒーローが生まれる可能性がある一方で、予期せぬスキャンダルのリスクも常に存在します。これはスポーツ選手だけではありません。最近、芸能界で「あれ?これってちょっとまずいんじゃ...」と思わせる出来事がありました。

フワちゃん、SNSで自爆

事のいきさつは、
お笑いタレントのやす子さんが、Xに「やす子オリンピック 生きてるだけで偉いので皆 優勝でーす」と投稿したところ、フワちゃんが「おまえは偉くないので、死んでくださーい 予選敗退でーす」とリポスト。

これがSNS上で大炎上しました。

フワちゃん、事態の深刻さに気づいたのか、すぐに投稿を削除して謝罪しました。

しかし時すでに遅し。

結果、フワちゃんがパーソナリティを務める「フワちゃんのオールナイトニッポン0」が放送休止に。

Google、迅速な対応で危機をかわす

さらにGoogle Japanは、フワちゃんが出演するGoogle PixelのCM動画を非公開にしました。

Googleは各メディアの取材に対して、次のように回答。

「Google は、他者を尊重しない行為に関しては厳格なポリシーを有しています。この度は該当するタレントを起用した Google Pixel で展開している広告・販促物などの掲載を停止いたしました。契約関係につきましては、今後、Google のポリシーに沿って適切に判断いたします」

Google Japan取材コメント

これ、みなさん、危機管理広報においてはすごく重要なポイントなんです。

  1. 明確なポリシーがある

  2. そのポリシーに基づいて迅速に判断している

  3. 対外的な説明も一貫している

Google、さすがですよね。
でも、こんな対応、実はどの企業でもできるはずなんです。

ソーシャルメディア時代の危機、猶予なき対応の必要性

ここで、絶対に知っておいてほしいことがあります。

ソーシャルメディアは、企業の危機対応の猶予を根こそぎ奪っています」

Deloitteの試算によると、あるアカウントのフォロワーが平均6名で、そのうち半数の3名がリツイートすると、たった1時間後には約80万もの投稿が拡散されているそうです。

想像してみてください。

朝9時、スポンサー選手のSNSで不適切発言が発覚
9時05分、社内で緊急会議を開催
10時、ようやく対応方針が決定
その頃には...80万以上の投稿が拡散済み

気づいた時には、会社の評判がジェットコースター並みの急降下。
怖いですよね。

企業広報担当者のみなさん、社長のみなさん、今こそアクションを!

「もうインフルエンサーマーケティングはやめた方がいいのかな...」

そう思った方もいるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。
リスクはあるけど、うまく活用すれば大きなチャンスにもなるんです。

では、どうすればいいのか?ポイントを4つにまとめてみました。

1. 明確なポリシーの策定と周知

GoogleのPixel CM対応で分かるように、明確なポリシーがあることが重要です。大元のポリシーから、SNSの運用ポリシーまで、きちんと揃えることが企業として必須です。

なぜなら:

  • 迅速な判断の基準になる

  • 対外的な説明の一貫性が保てる

  • 従業員やパートナーの行動指針になる

2. 事前の徹底的な調査と契約書の作成

「あの人、SNSでよく炎上してるけど、人気だからいいよね〜」

...ダメです。絶対にダメです。

インフルエンサーを起用する前に、過去の言動やSNSの投稿をチェックしましょう。また、契約書にはSNSの使用や言動に関する明確なガイドラインを盛り込んでおきましょう。

3. リスク管理チームの設置と24時間監視体制

「うちの会社にそんな余裕はない!」

...分かります。でも、これは保険と同じです。
払いたくはないけど、払わないとヤバイやつです。

専門家を含むリスク管理チームを設置し、24時間体制で起用タレントやスポンサー選手のSNSをモニタリングしましょう。問題が起きる前に、小さな兆候を見逃さないようにするのが鍵です。

4. クライシスコミュニケーション計画の策定と定期的な訓練

「そんな計画、作ったことないよ...」

...大丈夫、今からでも遅くありません!

最悪の事態を想定し、対応シナリオを準備しておきましょう。
誰が広報を担当するのか、どのようなメッセージを発信するのか、事前に決めておくことで、パニックに陥るリスクを減らせます。

さらに重要なのは、このシナリオに基づいた定期的な訓練です。
本番さながらのシミュレーションを行い、対応の速度と質を向上させましょう。

先手を打つ危機管理が、企業の未来を守る

インフルエンサーマーケティングやスポーツスポンサーシップは、諸刃の剣です。でも、リスクを恐れるあまり、チャンスを逃す必要はありませんよ。

フワちゃんの件は、SNS時代の難しさを改めて感じさせます。
一瞬の投稿が、長年築いてきたキャリアを揺るがす。
しかし、これは裏を返せば、インフルエンサーの影響力の大きさを示しています。

パリ五輪も同じです。
ユスフ・ディケチ選手のような予想外のヒーローが生まれる可能性がある一方で、予期せぬスキャンダルのリスクも常に存在します。

大切なのは、リスクを把握し、適切に管理すること。そして、何か問題が起きた時に、迅速かつ適切に対応できる体制を整えておくことです。

危機管理、面倒くさいですが、やらないともっと面倒なことになります。
さあ、今日から始めましょう!




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