ヒトゴト 15
「ここをこうして…。よし。」
とかまた独り言を呟きながら作業してたら、ココ先輩に呼ばれた。
「悪いな、5分だけ。」
「はい、どうされました?」
「野江島辞めるそうだ。」
「え?」
野江島さん、と言えばあの時質問してきた後輩だ。やっぱり大丈夫じゃなかったのか?
「彼まだ3ヶ月も経ってないですよね…?」
「あぁ。」
「…。」
まぁ、しゃーない。
この業界じゃよくあることだ。人材の流れが異常なほど早い。
そう、よくあることだ。
「また未経験で新卒採用するらしいから、教育係任せるぞ。」
そう、これもよくあること。1度教育係を任されたら辞めるまで終われない。
「承知しました…。」
「…色々思うところはあるだろうけど。」
「はい…。」
いや、よくあっちゃダメだろ。毎回思うけど。でもここでココ先輩責めても何もならないんだ。
合理的に、論理的に行こうぜ。感情は一旦切り離して。
続く
以上、らずちょこでした。
※この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
ではまた次回。