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momoro66
お弁当の1品の話
小さい頃からタコさんウィンナーが大好き。何せお母さんがお弁当にしか入れてくれなかったから。お弁当にしか入ってないから、毎日のお昼が楽しみだった。
最近はずっとリモートだから、お弁当を作ることも無くなってしまった。無性に食べたくなってしまうのも分かってもらえると思う。
お母さんに言ったら笑われたけど、
「それなら久々に作ろうか。」
と言ってくれた。折角だから作り方教えてもらいたいとも言うと、スーパーに一緒に連れてってくれた。
「うちはこれだよ。」
と赤くて小さなウィンナーの袋を見せてくれた。確かにそれだった。
「タコさんウィンナーってそれ用に切れてないの?」
と聞くと笑いを堪えられた、純粋な疑問だったのに。
家に帰ってすぐに晩御飯用に作ることになった。1個手本で切って見せてくれた。とても久しぶりに包丁を握る。足の部分が上手く切れずに、大きさがぐちゃぐちゃになってしまった。中には切り込みを入れすぎてかけてしまったのもある。
そのことを言ったらお父さんがにやにやしながらそのタコを探して食べていた。そんなに笑わなくてもいいのに。
お母さんがそれを見ていった。
「タコさんウィンナー、かわいくて美味しいよね。」
たぶん気休めの言葉だったんだけど、うんうんうんと首をぶんぶん縦に振った。
形は変だけど、久しぶりの大好きなものを食べられたので、これはこれでいいかも。
以上、らずちょこでした。
※この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
ではまた次回。