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1つの歪んだ答えの話

 「俺は、君を殺したい。」

 私の家族を殺してくれた人がそう言ってくれた。

 暴力と暴言だらけだったあの家を、壊してくれたあの人を好きになってしまった。

 でも私は、この人生の未来に希望なんか持てなかったから、あの人に殺されたかった。

 好きな人の手で殺されるのって、とても幸せなことじゃない?

 捕まってしまったあの人に会いたくて、面会を申し出た。そこで想いを伝えてきた。

 その次の週に死刑が決まった。もう絶望を通り越して何も見えなくなった。

 でもこの人は今、私の目の前にいてくれる。

 私を、殺してくれると言ってくれた。

 だから、私はこう言うの。

 「出来れば、一緒に死にたい。」

 彼が家に油を巻き、私がそれに火をつける。

 ああ、幸せ。でも、願わくば、

 来世でちゃんと結ばれたい。

 以上、らずちょこでした。

 ※この物語はフィクションです。

 ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

 ではまた次回。

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