早すぎる1年の話
大人になってからの1年が早いのは、子どもの時に比べて充実しているからだとよく聞く。
でもどうしてもしっくり来ない。子どもの時だって充実してた。習い事にも通わせてもらったし、友だちと遊ぶ時間もあった。
どうしてだろうと、帰りの地下鉄の中で考えていた。そして気がついた。
子どもの時より、締め切りに追われているからだ。大人になったら色んなことに期限がつく。公共料金の支払い、仕事、食材の賞味期限、恋人との時間でさえも期限がつく。
子どもの時もあったけど、その数はきっと倍以上になっているんだろう。
期限に追われていたらそりゃ早く感じるよね。
そうして僕はまた、せかせかと過ぎていく1年を過ごす。時折、解放されてみたいと願いながら。
以上、らずちょこでした。
※この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
ではまた次回。