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背中が語った一言の話

 その都市には、大きな格闘場がありました。

 そこでは色んな国から集まった強者たちが己の実力試しに集まってきました。

 もちろんこの時代ですから、命をかけたデスマッチという訳ではありません。

 しかし、何人もの強者たちが大ケガをしてしまうような危険な格闘技が行われていました。

 何でもありの喧嘩。勝てばよし、卑怯とは言わせない。そんな試合がずっと行われていました。

 

 そこで唯一、ずっと自分なりのルールで戦っている男がいました。

 彼、アレックスの戦い方はなんとも公正なものでした。

 様々な卑怯な手を使ってくる相手に、剣1本で立ち向かい、相手を倒していきます。

 そんな彼が自分の妻に試合が始まる直前、いつも言う一言があるそうなのです。

 彼はその一言で強くなれると語ります。

 今日も彼の試合が始まります。アレックスは妻の手をとると一言。

 「行ってきます。」

 それは、必ず君の元に帰るという誓い。何よりも強い生きるための執念。

 誰よりも強い彼は今日も、誰よりも強い執念で立っています。

 それを人々は愛と呼びたがりました。

 以上、らずちょこでした。

 ※この物語はフィクションです。

 ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

 ではまた次回。

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