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1人の1人の話

 今夜は嫌なものを見た。ずっと片想いしていた人と別の女性が抱きしめ合ってるところを見ちゃった。

 大好きな研究室の教授。片想いなのは分かってたけど、あんな現実を見せなくてもいいじゃない。

 奥さんなのかな?結婚してるのかどうかは辛くて聞けなかったから知らない。

 でもきっと大切な人なんだろう。私にとってのあの人のように。

 お風呂に入ってようやく涙が出てきた。あんなに好きになった人はいなかった。こんなに苦しい恋も初めてだった。

 そう思うたびに涙が酷くなる。恋をすると美しくなるのなら、恋が終わったときは醜くなるのかな。分からないけど、きっと今の私は酷くブサイク。汗も涙も流れるままにしてるし。

 お風呂から出て水を一気に飲み干す。これでもまだスッキリしない。失恋の傷ってこんなに痛いものだっけ。

 きっとまだあの人は、私のたった1人の人。早くただの1人になってほしい。

 でも、そうなって欲しくないのは何でだろう。

 

 以上、らずちょこでした。

 ※この物語はフィクションです。

 ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

 ではまた次回。

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