1足の靴の話
その靴を履けば、自分の望んだ場所に行けました。
疲れてる女性なら温泉、遊びたい子どもならテーマパーク。本当にどこへだっていけました。
彼女もその噂を聞いて、何とかその靴を手に入れました。
「お願い、どこかへ連れてって。」
しかし、足は動きませんでした。靴も動こうともしません。
「どうして…?」
彼女が困惑しながら、靴を脱ぐと、声が聞こえました。
「あなたは、本当はここにいたいんじゃない?」
「…。」
彼女は靴を丁寧に包んで箱に入れました。
「本当にどこかへ行きたくなったら、また呼ぶね。」
以上、らずちょこでした。
※この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
ではまた次回。
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