1人で2人の話

  加奈子に彼氏が出来たらしい。何でもとてもかっこよくて優しくて完璧な人だと。その話を聞いた亜美はそんな人が本当にいるのか半信半疑である。

 「写真とかないの?」

 亜美が聞くと加奈子はスマホを操作して、亜美に手渡した。確かに優しそうで顔立ちも整っている。そしてかなり中性的な顔だった。

 「すごくかっこいいでしょ?もうマジ理想。」

 加奈子が顔を赤らめながら言った。亜美は惚気が始まったと呆れたが、あまりにも幸せそうな顔をするのでそれ以上は何も言わないでおいた。

 加奈子はそのまま彼氏と会う予定があるからと亜美と別れた。いつか紹介してほしいなと亜美は思いながら彼女と別れた。

 「ただいまぁ。」

 加奈子が帰宅してきた、それからすぐにメイクを始めた。服を着替えてウィッグを被った。

 これで準備は万端、ようやく彼に会える。

 加奈子はそう思いながら、鏡に向かう。鏡にうつった自分を見て微笑みながらこうつぶやいた。

 「また会えたね。今日もカッコいいよ、れお君。」

 加奈子は鏡に手を当てた。れお君と手を繋ぎたくて手を合わせる。

 れお君は加奈子と同じタイミングで笑う。れお君は加奈子の欲しがる言葉をくれる。誰よりも加奈子を想い、彼女の思うがままに動く。

 まさに一心同体。これ以上はないカップルだと、加奈子もれお君も思っている。

以上、らずちょこでした。

※この物語はフィクションです。

ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

ではまた次回。

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