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Photo by
nirasaki
1人のどろどろの話
どろどろ。
ああ、嫌な感触だ。この気持ちはダメだ。この真っ黒なものはダメだ。
溢れるたび飲み込んできたけど、飲むたびにお腹が痛くなるんだ。飲み込みすぎると胃に穴が開くらしい。
どろどろ。
何で見えないのに真っ黒だって分かるんだろう。どうしてこんなに嫌なんだろう。
溜め込む方法ばかり上手くなって、吐き出すことがどんどん下手になっていく。これどうすれば取れるんだろう。もう旅行したり叫んだり、酒の力に頼ってもダメなんだ。
どろどろしたこの変なのは、一度消えてもまたすぐに復活するんだ。たぶんちゃんと吐き出せてないんだろうな。
厄介なことに、このどろどろには色んな名前があって、
「嫉妬」「怒り」「葛藤」「悲しみ」
これら全てそいつの事なんだ。
断ち切れる訳ないじゃないか。生きていたいんだから。
以上、らずちょこでした。
※この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
ではまた次回。