【短編】 リモコンワールド
その部屋はスイッチ1つで気温を変えることか出来ました。クーラーのように風を送るのではなく、本当に気温を指定のものに変えることが出来るのです。
20℃と設定すれば必ず20℃になり、30℃にすれば本当に30℃になりました。
運良くその部屋に住めた女性は、毎日違う温度に設定していました。昨日は18℃、今日は20℃とわずかな差ですが変えていきました。
時には35℃にしてかき氷やアイスを食べたり、5℃にしてお鍋やうどんを味わっていました。
「退屈は嫌いなの。」
彼女に理由を聞くと、そう答えました。
「たとえ気温だけでも毎日違わないと、退屈すぎて死んじゃうわ。」
そう答えながら、美味しそうにアイスを頬張ったのでした。
「あなたも食べる?」
以上、らずちょこでした。
※この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
ではまた次回。