彼女が怒らない理由の話
私ね、色んなことを諦めてるの。
毎回待ち合わせに遅刻してくる恋人も。
何度言っても物を返してくれない友人も。
何を言っても分かってくれない上司も。
変に妬んでくる同僚も。
ちゃんと注意したところで変わってはくれないんだって。
だってもう、数十年それで生きてきたんでしょ?
油汚れの方がまだ落ちるわよ。
だから、そういう人たちに怒るのってものすごく無駄じゃない?
お生憎様、私はいい人じゃないから。
お馬鹿さんなあなたたちを変えてあげようなんて思わないわ。
だってそんなことしたら、私があくやくみたいに思われるじゃない。
あぁ、そうそう。
勘違いしないでほしいんだけどね、
私、諦めただけで、許してないのよ。
気づいてないでしょうけど。
以上、らずちょこでした。
※この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださった皆様に感謝を。
ではまた次回。