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パドックをバカにすることなかれ ~競馬好きなら誰でも見れるようになるお馬さんの散歩について~

 「パドックなんか意味ないっしょ」「あれ何の意味があるの?」「パドック見ないで飯食いに行こうぜ」「そもそもパドックの見方が分からん」
 このような声を聞くたびに私は「もったいないなあ」というと常々思う。だってさ、パドックって『レースに挑む競走馬の一番フレッシュな状態を確認できる場』なんだぜ?
 この言葉でハっとしてくれたら、パドック大好き人間の俺はその時点で嬉しい。今回はそんなパドックの見方について文字で説明していく。最後まで読んでくれたら有難い。

まず1つ目。これを説明しなきゃ今後の文章が展開できないなあ。

第1章 パドックはどこを見ればいい?

 パドックって聞くと先入観で難しく捉えてしまう人もいると思う。でも、みんなが思ってるよりだいぶ単純。この章では馬の細かな部位というよりもまずはパドック全体を見てみたいと思う。
 パドックは基本的に横長の円みたいな形になっている。前の京都競馬場は完全に円形だったけど、この度の改修工事により横長になった。注目してほしいのは馬の歩いている位置。俺はまずここを見る。これは誰でも分かる。
馬が『外側を歩いているか内側を歩いているか』基本的にパドックの外々を歩いている馬で、体調が悪そうなやつはいない。要はそのレースに対してやる気があるかどうかってのをここでとりあえず見極めることができる。意識して見てもらうと分かるんだけど、中央の2,3勝クラス以上(俺は基本的にこれ以上のクラスしか中央は触れないから、それ以下は知らん)の人気馬でパドックの内内を周回している馬はあんまり見られない。

外に行けば行くほどパドックはいいと言える

とりあえずパドックが始まったら馬がどの位置を歩いているか注目していただきたい。

第2章 馬の見るべきポイント

恐らく、ここで躓く人が非常に多いであろうと思われるポイント。これは完全に俺の持論だけど、みんな馬の全体を見過ぎなのよ。
 「はぁ?パドックについて能書き垂れてんのはお前だろ?」「パドックって馬を見る場所だろ?」「恥を知れ」「4ね」といった声がなんか聞こえてくる気がするけど、まあちょっと待ってくれ。そういうつもりじゃない。俺が言いたいのは馬を部位ごとに見てほしいってこと。馬全体を見ると何が何だかさっぱりわからなくなるけど、ポイント事に見れば結構分かりやすいのよパドックって。俺が基本的に見ている箇所は以下の通り

協力・サウンドトゥルーくん

俺が見ているのは円で囲っている4か所のみ。まあ、それ以外にもちょくちょく前足の筋肉のハリだとか繋ぎだとかも見てるけど、この4つを抑えておけばもうパドックを見れるといっても全然OK。では解説を始めたいと思う。

まずは1つ目 青円 「頭」
頭は主に馬のテンションを把握するために観察する。頭が高すぎず低すぎず、ちょうど画像の馬の頭の高さくらいが理想形。頭が高すぎるとテンションが高め、低すぎると気合が乗っていない、レースに対してやる気のない馬と捉えることができる。また、首の振り方も大事。歩様に合わせてしっかり首を振れているかも見たい。

2つ目 赤円 「腹袋」
腹袋はきちんと体が作れているかを判断する材料になる。デブっとしていなく、逆にガリガリでもなくが理想。ただ、腹袋はその馬によって特徴が出やすい箇所でもあるため、デブに見えても毛艶が良ければOK。馬体重が低いのにデブっとしている場合には注意が必要。

太く見えても、緑円の箇所が画像の馬のようにキュッと上がっていれば大丈夫。ここを見分けるのは少し難易度が高め。

3つ目 黄円 「トモ」
よく解説者がトモのハリがーとか言ってる部分はここ。画像の馬のような形が理想形。良くない典型的な例は
・へこみのようなものがある
・張っているように見えない、たるみが見える
・トモが流れてしまっている
・丸みを帯びていない
といった感じ
3つ目のトモが流れてしまっているを端的に説明すると、歩いている際に後ろ足を伸ばした状態でトモがそのまま残ってしまっているような感じ。締まっているように見えない。ここは、パドックをある程度見ていれば分かるようになってくる。この前のフェブラリーSのレモンポップなんかトモの状態バッチリだったね。


丸みを帯び、力強いトモ


後ろ足を伸ばした状態でもトモの形が変わっておらず、残っていない

最後に4つ目 紫円 後ろ足(後肢)
ここで見たいポイントは3つある。
・ストライドの広さ
・踏み込みの深さ、力強さ
・飛節
ストライドの広さはその通り歩幅のこと。広ければ広いほどいい。ここではそのレースに対してやる気があるかどうかや、体調などを見分けることができる。2つ目では馬の力がどれくらいなのかを見極めることができる。力強く、深く踏み込んでいる馬はその分だけ地面を強く蹴り上げ推進力を上げることができる。上画像のレモンポップなんかが最高だね。こういう馬を探したい。3つ目の飛節。ここはちょっと難易度が高め。飛節がクックッと上に上がる馬に注目したい。なんでか分からないんだけど、これに該当する馬は好走する確率が高まる。特に穴馬で飛節が上がっている馬は要注目。

このように、馬全部を見るのではなく、部分部分で評価を付けていくと、意外とパドックは簡単に攻略できる。

第3章 気をつけるべき馬の行動

 ここでは箇条書き形式で見出しの通り「気をつけるべき馬の行動」について解説していく
ボロ(馬糞)をしている
 馬は非常に憶病で繊細な動物のため、少しの緊張がすぐに体に現れる。その代表例がウ〇コ。主にそのレースに対しての緊張、不安を表している。
馬っけ(勃〇起)している
 そのレースに対して集中できていない。人間で言うと仕事中に女のケツばかり見て全然集中していない変態おやじみたいな感じ。出遅れたり、酷いとゲートの中で暴れ始めたりする。
・ハミで遊ぶ、口から泡のようなものを吹いている
 これもそのレースに対して、緊張している、もしくは集中できていない状態の時によく見られる現象。俗に言うイレ込んでいる状態
チャカツキ、厩務員さんに甘える仕草
 
これもイレ込んでいる状態の一つ。落ち着きがなく、レース中に折り合いを欠いたりしてしまう可能性がある。
注…いつもチャカついている馬も結構いる。前回のパドックと比較するのが一番良いのだが、一応パドックでも確認することができる。もし、そういう状況になったときは手綱を引いている厩務員さんに注目してほしい。馬が暴れていても厩務員さんが落ち着いた様子ならOK。少し焦っていたり、手綱を強く引く姿が見られた場合は要注意。
・汗
 
これもまたイレ込んでいる状態。ただ、気温が高い日だとみんな汗をかいている時もある。そういう時は、周りと比べて一段と汗をかいている馬に注意していただきたい。

終わりに

 今回のnoteで少しでもパドックを見てみよう、とか俺でも見れるようになるかもしれないと思っていただければ嬉しい。先述してある通り、パドックとはレースに挑む馬の一番フレッシュな状態を見れる場。これを見ないのは非常にもったいない。毎日競馬はどこでも走ってるから、少し気になった方は地方競馬でもなんでも見て、相馬眼を鍛えていってほしい。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

 【この記事はあくまでも私個人の主観によるものです】


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