≪rayout Characters File No.13≫内部なのか外部なのか、謎の男『てつかわ』に迫る
社内を歩けば誰もが知る存在でありながら、その正体は謎に包まれている男がいる。その名は鉃川。社員でありながら社員ではない。外部の人間でありながら内部の人間でもある。今回、我々はこの謎多き男、鉃川に迫る。
謎その1:テレビディレクターから転身した理由
―鉃川さん、まずはその経歴について教えてください。
鉃川:はい、私は平成7年生まれで、29歳になります。もともと大阪でテレビディレクターをしていました。主に報道番組の中にある芸人さんのロケモノのVTRを担当することが多かったですね。約7年間、テレビ業界で働いていました。
―そこからなぜビジネスの世界に?しかも東京へ?
鉃川:実は、しょうもない理由があるんです。去年の夏までテレビの制作会社で働いていたんですが、ある日LINEの友達リストを見ていたら、元カノの名字が変わっているのに気づいたんです。彼女は結婚して幸せになっているのに、自分は環境が何も変わっていない。ADからディレクターに変わっただけで、仕事の内容は変わっていないんだなと。
その時に、このままじゃいけない、環境を思い切り変えないといけないと思ったんです。それで東京に行こうと決心しました。元々東京で働いてみたいという気持ちはあったんです。メディア系の会社で働いてきて、東京で働かないのはもったいないなと思っていました。
ーなるほど。でも、テレビの仕事を完全に辞めてしまうのは勇気がいりませんでしたか?
鉃川:正直、怖さはありましたね。でも、前の会社での経験も影響していました。具体的には言いづらいのですが、上司との関係に問題があって...。新しい環境で、自分を変えるチャンスだと思ったんです。
謎その2:特殊な働き方の真相
―鉃川さんは業務委託でありながら、週5で出社していると聞きました。これはどういうことなのでしょうか?
鉃川:はい、確かに珍しい形態だと思います。私は業務委託という形で、rayoutに常駐しています。でも、働き方は他の社員とほぼ同じです。週5で出勤し、他の社員と同様に目標値を持っています。
面白いのは、派遣元の会社とは全く関わりがないんです。普通、派遣社員なら派遣元の会社との関わりがあるものですが、私の場合はそれがない。ある意味、とても特殊な状況ですね。
謎その3:テレビディレクター時代のスキルの活用
―テレビディレクター時代のスキルで、ビジネスに活かせているものはありますか?
鉃川:はい、たくさんあります。まず、基本的なスキルとして、企画力、チームマネジメント、進行管理などが挙げられますね。これらは番組制作でも重要でしたし、今のビジネスの世界でも欠かせません。
特に活きていると感じるのは、現場での提案力です。テレビの現場では、状況に応じて臨機応変に判断し、提案する能力が求められます。今の仕事でも、クライアントの要望を聞いて、「この形であればこういう見せ方になると思います」といった提案ができます。
それから、「伏線回収」の感覚も役立っています。ドラマや情報番組で使う手法ですが、プレゼンやプロジェクト管理にも応用できるんです。初めに些細な情報を出しておいて、後で大きな意味を持たせる。お客様との長期的な関係構築にも役立っています。
―なるほど。逆に、テレビの世界とビジネスの世界で、大きく違うと感じる点はありますか?
鉃川:そうですね...一番大きいのは「成功の基準」かもしれません。テレビの世界では「おもろければいい」というスタンスがありました。視聴者が面白いと思ってくれたり、演者が笑ってくれたりすれば、それが成功の証でした。
でも、ビジネスの世界では違います。クライアントのニーズを満たすこと、具体的な数字で結果を出すことが求められます。この基準の違いには、最初は戸惑いましたね。でも、今はこちらの方が正解だと思っています。自分の感覚だけでなく、客観的な指標で評価されるのは、成長につながると感じています。
謎その4:大阪と東京、2つの都市を知る男の洞察
―大阪から東京に来て、ビジネスの違いを感じることはありますか?
鉃川:はい、大きな違いを感じます。特にコミュニケーションのスタイルですね。大阪では、おせっかいなくらい人と関わります。例えば、一人で飲みに行っても、隣の席の人が「一人で寂しくすんなよ」と話しかけてくるような感じです。
一方、東京では、一人でいる人のプライバシーを尊重する傾向が強いです。「あの人は一人で来たんだな」と理解して、干渉しない。これは良くも悪くも東京の特徴だと思います。
ビジネスの面でも違いはあります。大阪では人との繋がりを重視する傾向が強く、飲み会での人間関係が仕事に直結することも多いです。東京ではもう少しドライというか、個人の能力や実績が重視される印象があります。
―その違いに適応するのは難しくありませんでしたか?
鉃川:最初は戸惑いましたね。特に、人との関わりが少ないと感じて寂しかった時期もありました。でも、徐々に東京のスタイルにも良さがあると気づきました。
今は両方の良いところを取り入れようと心がけています。仕事ではプロフェッショナルに、でもプライベートでは関西的な温かさを持ち続けるというか。そのバランスを取ることで、両方の文化の架け橋になれればと思っています。
謎その5:今後のビジョン
―最後に、鉃川さんの今後のビジョンを教えてください。
鉃川:はい。将来的には大阪で仕事をしたいと考えています。でも、今のままでは戻れないと思っているんです。特にPMと営業のスキルを今よりもつけないといけない。だから今、rayoutでそのスキルを磨いているところです。
具体的な目標としては、rayoutの大阪支社を作ることです。東京で学んだことと、大阪の文化の良さを融合させた、新しい形の組織を作りたいですね。
―なぜそこまで大阪にこだわるんですか?
鉃川:大阪の人情味のある環境が、私にとってはしっくりくるんです。仕事とプライベートの境界があいまいで、同僚と飲みに行って仕事の話をするような文化が好きなんです。そういう環境で、仕事もプライベートも含めて幸せになっていきたいと思っています。
でも、ただ単に大阪に戻るのではなく、東京で学んだことを持ち帰りたい。効率的な仕事の進め方や、多様性を尊重する文化など、東京の良さも大阪に持ち込みたいと思っています。
謎その6:鉃川の人間性
―仕事の話はよく分かりました。では、プライベートな面では、鉃川さんはどんな人なんでしょうか?
鉃川:(少し照れながら)そうですね...基本的に、いじられキャラですね。大阪にいた頃は、飲み会で「お前、何、色気づいてんねん」とよくいじられていました。東京に来てからも、年下の人からタメ口で話されたりします。
でも、実は自分の中では、年下には敬語で接し、年上にはタメ口で話せるような関係性を作りたいと思っています。年功序列ではなく、互いを尊重しつつも、フラットな関係性を築きたいんです。
―なるほど。でも、そういう理想と現実のギャップに悩むこともあるのでは?
鉃川:ええ、あります。自分では「かっこいい2枚目キャラ」を目指しているんですが(笑)、実際はそうじゃないところも多々あって。そのギャップを自分でも面白がっているところはありますね。
ただ、そういう自分の「ダサい」部分も含めて、素直に出していけたらいいなと思っています。完璧を目指すよりも、等身大の自分を受け入れてもらえる関係性を築きたいですね。
編集後記
取材を終えて、「てつかわ」は内部、外部という概念を超越した人間であると確信した。
彼が自身を「越境人材」と呼ぶように、「てつかわ」は様々な境界線を越えて多様な視点を持つことで、新しい価値を生み出そうとしている。組織の内と外、クリエイティブとビジネス、関西と関東、理想と現実。これらの狭間で揺れ動きながらも、常に前を向いて進んでいく姿勢は、多くの人に勇気を与えるのではないだろうか。
皆さんも今後の「てつかわ」に是非注目して欲しい。
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