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ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート 全施設最速 完全ガイド(随時更新中)
東北地方初の外資系高級リゾートは地域に何をもたらすのか
(この記事は2022年3月時点の状況を中心に記述し、2022年7月時点の状況を踏まえて加筆・修正をしております)
紆余曲折の開業
開業に至るまでは本当に紆余曲折でした。本物件の発表は2021年4月で、当初2021年12月の開業が告知されていましたが、コロナ禍による資材不足や工期の遅れで秋口には開業は2022年早春への延期が決まりました。最初は3月26日宿泊からの予約受付を開始しましたが、後日3月1日に前倒し、さらに2月1日への前倒しが行われました。1月18日に開業の再延期がアナウンスされ、結局正式な開業日の事前告知も無く、2月25日に取引先関係者の招待客とごくごく一部の一般ゲストのみで営業を開始し、3月1日にオープニングセレモニーを行いました。ホテルの公式開業日は2月25日とされています。
この経緯については本当にゴタゴタだらけで2月25日の午前0時にいきなり当日の予約受付を始め、翌朝9時には26日までの枠を全てブロックするというものでした。ですので、2月25日、26日の2泊分は殆どが招待客だったという事です。運良くこの両日の予約を取れたとしても、当日いきなり安比高原まで行く事は現実的ではありませんからね。筆者も予約はできたのですが、この両日は見送りました。後日、関係者から伺った話ですと、最終的に3月1日の公式開業日を見込んでおり、その前に2月25日、26日に関係者のみのチャリティープレビューイベントを計画していたそうです。インターコンチネンタルの名前でイベントを行うためにはIHGからの開業承認が必要だったそうで、その承認が出たのがギリギリの2月24日21時、そして開業承認と同時に25日からの予約枠も開放になってしまい (これは予約管理部門の操作ミスでしょうね…。)、なし崩し的に2月25日の開業となってしまった様です。
2月27日まではレストランの準備も整っておらず、朝食はクラウンプラザで提供されたと聞き及んでいます。
さらに客室(後述)は当初公表されたCGレンダリングから大幅にデザインや家具が変わってしまいました。コロナ禍による資材納期遅れや価格高騰で予算の大幅超過となり、軌道修正を余儀なくされた様です。
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後述する実際の客室と比較してみてください。
この通りだったら最高だったのですが…。
CG通りの客室を期待していた方々にとってはかなりガッカリな決定でした。2022年1月に公開された最終仕様の客室写真もプロのカメラマンが撮ったとは思えないクオリティで、本当にラグジュアリーリゾートのクオリティを保てるのか危惧されました。筆者個人的には実際の客室は思ったほど悪くはありませんでしたが、そこの判断は読者の皆様に委ねたいと思います。筆者の撮った客室の写真は少なくとも公式の写真よりも綺麗に撮れていると思います。 笑
館内施設も屋外施設を中心に2022年3月現在で一部施設はまだ完成しておらず、追加で別の工事業者を入れたほど。そういった中での見切り発車的な出発でした。時節柄事情は理解しますが、もうちょっと、なんとか美しいスタートにならなかったのでしょうか…。
アクセス
とにかく遠い。そして手段が少ない。冬季は安比高原リゾートのオーナー企業である岩手ホテルアンドリゾート(IHR)が提供するシャトルバスサービスが盛岡駅、花巻空港、大館能代空港、そして仙台駅の間をそれぞれ運行しています。が、夏季は皆無。東京から最も最短のアクセス手段は東北新幹線で盛岡まで行き、盛岡からJR花輪線に乗り換え、安比高原駅下車、そこからホテルのシャトルサービス(要事前予約)を利用するしかありません。トータルの所要時間は概ね4時間。大阪からなら飛行機と新幹線を乗り継いでも半日コースです。韓国や台湾、香港にだって行けちゃいます。
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JR安比高原駅
最寄駅はこの通り無人駅。一応、エアコン付きの待合室はあるのですが、周囲には全く何も有りません。タクシーなんか当然いません。列車も1日7往復半。盛岡方面へは午前4本、午後4本の8本しか列車が無く、午後は最大4時間もの間列車が来ない時間帯があります。乗り遅れるとかなり悲惨な目に遭いますので、くれぐれも時間には余裕を持ってください。InterContinental Ambassadorメンバーの16時レイトチェックアウトは事実上無理で、15時にはチェックアウトしないと厳しいでしょう。
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仙台からシャトルバスサービスで安比高原へ
スキーシーズンも最後の3月下旬、筆者は出張先の大阪から飛行機で仙台入りし、そこからIHRの運行するシャトルバスで安比高原に向いました。ちょうどこの日はシーズンの運行最終日でした。
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仙台駅東口から概ね3時間。バスにはトイレが設置されていないため、途中前沢サービスエリアでトイレ休憩があります。道中は居眠りしたりしているうちにあっという間に着いてしまった印象です。もっと長旅に感じるかと思いましたが、意外とそうでもありませんでした。ここは人それぞれでしょうが。
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盛岡まで2時間、そこからさらに1時間で安比高原のある八幡平市に到着です。「高原」とは言いつつも、山や峠を登っていく印象はなく、山の麓にドーンとスキー場が広がっている感じです。
到着とレセプション
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到着。ただし、シャトルバスはインターコンチネンタル側には着きません。バスはANAホリデイ・インリゾート安比高原まで行きますが、その手前のANAクラウンプラザリゾート安比高原で下車します。インターコンチネンタル側には大型バスが入れる構造にもなっていない上に、駐車スペースもほとんどありません。ですので、自家用車で来た場合はバレーサービスで、車を預け、実際はクラウンプラザ側にある大駐車場に停める事になるケースが出てくると思われます。
バスを降りてクラウンプラザのスタッフに「インターコンチネンタルでの宿泊です」と伝えると、ベルサービスの方が案内してくれます。クラウンプラザとインターコンチネンタルの間は回廊で繋がっており、インターコンチネンタルの宿泊客はカードキーをかざす事で往来が可能です。面白いのはここのスタッフさん達の名札には各ホテルのロゴではなくIHG ANAホテルズのロゴが入っている事です。ここ、安比高原はIHG ANAホテルズのリゾートコンプレックスという位置付けなので、この様にされているとの事です。
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インターコンチネンタルの正面玄関側から入館すると、木枠で囲まれた通路を抜けてレセプションです。通路奥にある絵は八幡平の山頂付近にある鏡沼の雪解けを描いたもの。通称「ドラゴンアイ」と呼ばれるこの現象はトレッキングツアーも組まれる初夏の観光スポットにもなっています。
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レセプションは一般的なホテルのように大掛かりなものではありません。ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパの様にロビーラウンジのソファに座ってチェックイン手続です。そもそもこのホテルは38室しかないスモールラグジュアリーリゾートなのです。
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ロビーラウンジ
このホテルは「All Club Products」つまり館内全体がクラブフロアで全客室にClub InterContinentalのサービスが付帯します。朝食、アフタヌーンティー、イブニングカクテルのフードプレゼンテーションが宿泊される全てのゲストに提供されます。よって、専用のクラブラウンジは無く、ロビーラウンジがクラブラウンジ相当のサービスを主に提供することになります。一点、注意が必要なのはあくまでAll Clubであって、All Inclusiveでは無いという事です。よって、ランチやディナーは別料金ですし、ロビーラウンジとは別に館内にあるバーも別料金となります。
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レセプション側から望む
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コーヒー・紅茶・ソフトドリンクと小菓子は常時提供されています。
アフタヌーンティーは外来客も利用可能ですが、事前の予約が必要です。
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ロビーラウンジのデザイン的には悪くないと思いますが、ソファのクッションがひとつひとつが小さく細かく切られているため、とても座り心地が悪く、長居できる状態では無かった事が気になりました。ソファのクッションは早期に入れ替えられる事を期待したいですね。
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奥からレセプション側を望む
イブニングカクテルタイムは12歳以下の利用ができないため、お子様連れの方はインルームでイブニングカクテルサービスを楽しめます。筆者滞在時にも結構な数の方々がインルームでのカクテルタイムを楽しまれていました。
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筆者滞在の時はローラン・ペリエを提供されていました。
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カクテルタイムミールは基本コールドミールでかなり軽め、かつ滞在中はほぼ同一内容でした。毎日の変化は勿論の事、もうちょっとどっしりとした物とホットミールがあると良いのですが…。
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ロビーラウンジから外の庭へ出ることが可能です。開業当時は未だ工事が完了していなかった上に、雪で埋もれており、滞在中は原則としてロックされていました。現在は水を湛えた人工池にファイアプレイスを囲むソファを備えたラウンジスペースが用意されています。今後はウインターシーズンでも利用できるように除雪を徹底するとの事です。
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レストラン 白露/SHIRATSUYU
朝食はこのレストランでの提供となります。プライベートダイニングルームもあり、38室のみのホテルとしては大きめのレストランだと思います。
回廊で直結するクラウンプラザには数多くのジャンル別専門レストランがある中で、このホテルがこのレストランをどういった位置付けの店にしたいのか、コンセプト的にはまだ定まっていない印象を受けました。
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このレストランには屋外で食事ができるカバナっぽいブースが三箇所ほど設置されています。水の上に浮いた感じの造りでなかなかオシャレですが、夏場は虫も結構飛び交うので、基本的にはお茶をするかシャンパンなどを傾ける場所で、本格的な食事は春と秋、それも朝食時のみにしておくぐらいが良いかと思います。
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このカバナですが、冬季は利用不可と思われます。心配なのは開業直後は何の補強もせずにそのまま雪に埋もれていた事。ちょっと雪をなめてませんか?と思っちゃいました。あれくらいの太さの鉄骨位簡単に雪は曲げてしまうので。(実際春になって雪が消えたらかなり傷んでおり、早速修繕する羽目になったそうです。)
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朝食
リゾート地に置いて最も重要なものは美味しい食事です。アクティビティがいくら揃っていても食事が美味しく、記憶に残る物でなければゲストは二度と戻ってきません。朝食は1日の始まりであると同時に多くのゲストが滞在中最後に利用するホテルのサービスでもあります。これをおろそかにする様では遠くから長い時間を旅してやってきたゲストをもてなしているとは言えないでしょう。
そういう観点では開業直後の滞在最初の朝食は失望の一言でした。ビュッフェ台には品数は揃っているけれど、華がない。ほぼ同時期に開業したホテルインディゴ犬山有楽苑や軽井沢と比較しても一目瞭然。そしてメインで選んだ和朝食は八幡平の山の中なのにお刺身、焼魚、煮魚と魚ばかり。いくら三陸の魚を使っているとは言え、ローカル色の欠片も無い団体向け大箱温泉旅館かと思う様な内容でした。これは味以前の問題。もっと地元八幡平を感じさせる山の幸を活かした料理はないのか。魚を出すにしてもイワナやヤマメ等の川魚だってあるでしょうに。
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華がない…。
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鮪中とろと帆立貝柱のお刺身、焼き鯖、出汁巻玉子大根卸添え、鯛のアラ煮、
原木椎茸と菜の花のお浸し、湯葉のポン酢ジュレ掛け、香の物、味噌汁
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盛り付けが上手じゃないのはご容赦を
翌日は洋食からエッグベネディクトを戴きました。生ハム・アボガドとスモークサーモンの2種がラインナップされています。ここで使われているスモークサーモンは八幡平サーモンという地元の養殖業者が生産している大きなニジマスを使用しています。ほら!魚でも山の幸あるじゃないですか。このエッグベネディクトはオランデーズソースの味わいも酸が強すぎず、バランスの取れた物でした。マフィンもモチモチ感のある珍しい生地で美味しかったと思います。
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アボカドと八幡平サーモン、生ハムの二種
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このメニューからメイン料理を選択し、サラダ・チーズ・コールドカット類はビュッフェ台から
和朝食の問題点を厳しく指摘した結果、滞在3日目に改良版和朝食の試作品を試して欲しいと出されたのがこれ。独活の酢味噌和え、筍と菜の花の煮物、コゴミの胡麻和え、ウルイと原木椎茸のお浸し、蕨のお味噌汁、香の物、お造り、そして安比牛ハラミ焼。これなら納得。
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お造りは残しつつ、山の幸をメインに
滞在4日目には更なるローカル色の強化を打ち出してきました。蕾菜と舞茸の卸、木耳入り出汁巻玉子、ひっつみ汁(岩手の郷土食)、寒干し大根・サラダ蕪・コゴミの煮物、地元の有名豆腐店ふうせつ花の豆腐、ホワイトアスパラ、行者大蒜、タラの芽、安比牛ステーキ、香の物。やればできるじゃないですか!こういう朝食を提供すべきなんです。最高!
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ひっつみ汁と地元の有名店による豆腐が追加され、より郷土食が豊かに
その後も薯蕷御膳やお粥御膳などが追加され、和朝食の充実を図っています。
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かなり酷評したとは言え、問題点を理解し、改良に取り組む姿勢を見せている事は高く評価したいと思います。メインの和朝食の改良版が早期に提供開始される事を願っております。
ランチ
ランチはコース料理といくつかのアラカルトメニューからの選択となります。
レストランの品数はそれほど多くありませんが、インルームダイニングで結構な数をカバーしており、そちらのメニューからオーダーすることも可能です。また、コースメニューから単品だけをお願いすることも可能でした。客室数38室のスモールラグジュアリーホテルだからこそできる芸当ですが、こういった柔軟性の高さは素晴らしいと思います。お値段もホテルの料理として納得できる範囲の価格で提供してくれます。
メニューはローカル色を出す為に改良を続けていくそうで、3月の滞在では、盛岡冷麺の試作品を戴く機会を得られました。(その後、6月から正式メニューに追加) 蕎麦粉を使わず、カクテキで辛さを加える盛岡冷麺のお約束を正しく踏襲した正統派冷麺でした。これは地元色を感じるアイテムですね。
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ディナー
ディナーメニューはコース料理になると結構ハイエンドな価格帯になります。勿論、クラウンプラザ内のレストランという選択肢もありますが、あちらも基本的にはコース料理のみで、アラカルトの選択肢はほぼありません。こちらのレストランではアラカルトメニューからいくつかピックアップする事で、量もコストも適切にコントロールできますので、ある程度長めの滞在で毎晩コース料理は…という向きにはインルームダイニング含め、適切な設定がされていると思います。Market Priceとなっているものも遠慮なくスタッフさんに確認してみてください。納得のお値段を提示していただけますよ。
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鮪 中とろ、鮃、鯛、北寄貝
いずれも三陸産
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インルームダイニング
オールデイメニューや深夜メニューは悪くないラインアップだと感じました。が、この朝食メニューは本当に必要だったのでしょうか?All Club Productで全ゲストが朝食付きの中で、有料の朝食メニューを提供する必然性は?それとも何かしらの事情でインルームで朝食を摂りたいゲストは有料になるという事でしょうか?全くもって不可解なこの朝食メニューは改められた方が良いと思いました。
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Bar 畚/MOCCO (3階)
「モッコ」とは変わった名前ですが、これは八幡平の山々を形成する中でも中心となる畚岳 (もっこだけ)がその名の由来。畚岳の畚(もっこ)は荷物を運ぶ道具で、時代劇などで天秤の様に棒の両端に網をつけて肩に担いで荷物を運ぶアレ、と言えば想像が付く人もいるのではないでしょうか。
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バーは客室フロア最上階の3階にあります。筆者は滞在中毎晩通っていました。座席数は個室含めそれなりの数ありますが、けっして大箱ではありません。
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種類の品揃えは国産、舶来含めたヴィンテージウイスキーとカクテル用スピリッツにリキュールがメインです。山崎や白州、竹鶴等の人気銘柄も取り揃えていますが、ノンヴィンテージ物はありません。カウンター後ろの棚にはそれほど多くのボトルが並んでいるわけではありませんが、スタンダードカクテルに必要なボトル類は下段の扉の中にちゃんと用意されています。クラウンプラザ内のバー、グランシャリオはボトルキープも行う位、多種大量のウイスキーラインナップらしいですが、こちらではボトルキープは行っていないそうですので、ボトルで購入された場合、余った分はお持ち帰り頂いているそうです。
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ここの特筆すべき点は氷です。バーにとって氷は重要なアイテムですが、ここの氷は氷屋さんからの買い物では無く、安比高原の深層井水を48時間かけてインハウスで凍らせた物。自家製です。溶けにくい事は勿論ですが、その透明度には驚愕です。グラスに飲み物と一緒に入れるとパッと見、氷が入っていないかの様なまさに「クリスタルクリア」な氷はこのバーのキラーコンテンツであると言えるでしょう。これは立派な「おもてなし」だと思います。
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LAVILLA SPA APPI (3階)
温泉大浴場の斜向かいにあるエステ施設。特に有名SPAブランドと提携しているわけではなさそうに見えるのですが、実はここ、知る人ぞ知る英国製高級SPAブランドELEMISの製品を採用しています。かつてはインターコンチネンタルホテルズの標準バスアメニティにも採用されていた実績を持つこのブランド、筆者個人的にはおすすめです。
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フィットネスルーム (3階)
フィットネスルームは40平米程度の小さめな空間で多くの機材があるわけではありません。38室しかないので、それほど大きい施設も必要ないでしょうし、クラウンプラザ内のスポーツ施設(ただし有料)やスキー場等エクササイズができる場所はたくさんあるので、これで十分だと筆者は感じました。
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温泉大浴場 (3階)
檜風呂と岩風呂の2種類用意されており、日替わりで男女入れ替わります。内部はデザインの違いだけでどちらも浴槽、洗い場、ドライサウナ、水風呂、露天風呂と内容は同じですので、好みの問題かと思われます。
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源泉44度の硫酸塩泉は立派な温泉ですが、硫黄臭はほぼありません
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檜風呂
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やや低めの88度でした
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岩風呂
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露天風呂
露天風呂は檜風呂と岩風呂の双方に用意されています。両方とも通常の露天風呂と露天寝湯の2種類浴槽が設置されています。テラスのフェンス際にはガーデニングが施されています。
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ルーフトップ (4階)
エレベータで最上階の4階に上がると唯一あるのが、このルーフトップテラス。残念ながら開業直後に筆者が滞在した時は雪に閉ざされていて表に出ることができませんでした。夏季シーズンは8月のみバー営業を行うそうです。
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(2022年7月撮影)
スキーロッカー (1階)
スキー場直結のリゾートホテルには必須のロッカールーム。乾燥機能やチューンナップルームの機能は無さそうですが、ゲレンデに直結は嬉しいですね。
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左手はクラウンプラザへの接続回廊
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客室
プレジデンシャルスイート (1室のみ)
309平米を誇る最大の客室。とにかく天井が高い!リビングがデカい!この巨大なリビングはパーティ会場としても使える様にベッドルームとの扉をロックしてバンケットルームやミーティングルームとしても使える設計になっています。
ベストフレキシブルレートでのお値段は、なんと一泊100万円…。
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天井は6m近くあるか。左手はルーフトップへのエレベータ(!)
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ミーティングやパーティができる広さ。この天井高でエアコン効くのかと思いきや、ガンガン効きます
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ソファセットには何気に電源コンセントもあり、使い勝手は悪くありません
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ソファセットが合皮張りで無く、ファブリック(布地)だったらなぁ
これだけ大きいと、花とか観葉植物などのフラワーアレンジメントを常時置いておかないと、かなり殺風景になると思います。特にダイニングテーブル側は殺風景になりがちなので、対応が必要になりますね。
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ベッドルーム側のアウトドアソファでは、そのままお昼寝ができそう
一方でベッドルームは至って普通。TVだけは他の客室より大きめですが、それ以外はほぼ後述するこのホテルで一番数が多いプレミアムルームとほぼ内容は同じ。逆説的に言えば、それだけプレミアムルームの造りが群を抜いているという事でもあるのですが、もうちょっとプレミアム感が欲しかった。ソファセットとカーペットを変えるだけでも印象は違うと思うのですが。
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ここだけ見ると普通の客室っぽい
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書斎があるのがとてもありがたい。ワークデスクがあるのは全客室でもここだけです。オリジナルのレンダリングには全客室にワークデスクがあったんですけどねぇ…。
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このホテル唯一のワークデスクがある空間
バスルームはバスタブのサイズを除いてプレミアムルーム以上は全て同じ造りです。ツインベイシンとゆったりとした独立型シャワーブース。シャワーの水圧は適切でした。
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他の客室の倍のサイズ
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ほとんど使われることは無いと思うのですが、プレジデンシャルスイートにはキッチンは必須です。奥の食材庫なんて絶対に使わないと思うのですが、こういう無駄なスペースもある意味プレジデンシャルスイートらしさを感じます。笑
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奥に見えるのは食材用倉庫で基本空っぽです
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バンケットやミーティングルームとして利用することも想定してか、この客室にはゲスト用トイレが2つあります。ベッドルーム用のトイレも含めると全部で3つもトイレがあるスイートルームはなかなか無いと思います。
(筆者は初めて見ました)
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ベッドルームのトイレと合わせてこの部屋には3つもトイレがあります
このプレジデンシャルスイートはメゾネットを謳っており、実際に専用エレベータ(!)で昇れるペントハウスルームと専用テラスが用意されています。専用テラスは開業直後の3月はそのほとんどが雪に閉ざされていた状態でした。それはまだ仕方ないとしても、問題はこのペントハウスルームが何も無い空っぽの状態であったということです。
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空っぽです
一泊100万円もする部屋でこれはダメですよ。ちゃんと使えるようにオーナーさんには投資をしていただきたい。でなければこの料金を正当化できないと思います。ここには海外のインターコンチネンタルホテルのPresidential Suiteの様にトレッドミルやバイク、ワイヤーステーションなどのフィットネス機器を置いてプライベートジムにすれば良いのではと筆者は考えます。
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外のテラスへここから出られます
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ソファとデイベッドが置かれていました。
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ガーデニングも完了しています。
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バーベキューなどができる様になっています
(2022年7月撮影)
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(2022年7月撮影)
2ベッドルーム安比スイート (2F、1室のみ)
全客室中、唯一キングベッドを備える部屋です。キングベッドが1台のマスターベッドルームとクイーンベッド2台のセカンダリベッドルームとリビングの3部屋構成です。家族やグループでの宿泊向けとなるこのホテルで唯一の2ベッドルームスイートです。
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キングベッドを備えている客室はリゾート全体でもクラウンプラザのタワーロイヤルスイートと、この安比スイートの2部屋だけとなります。
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マスターベッドルームに檜風呂を備える他に、セカンダリベッドルームにもシャワールームを備えています。
プレミアムスイート (3室)
3室ある内、2階と3階はテラス付き、1階はプライベートガーデン付きとなります。プライベートガーデン付きの方が10%程度高く価格設定をしていますが、雪で埋もれるため、プライベートガーデンは冬季にはほとんど使えません。全体的な広さの割にはソファセットが小さい印象を受けました。
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ほとんど雪に埋もれています。
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プレミアムルーム (27室 内1室はアクセシブルルーム)
このホテルで最も数が多いカテゴリの客室です。1階の10室はプライベートガーデン付きでプレミアムスイート同様に2階と3階のテラス付き客室よりも10%高めの価格設定をされています。筆者個人的にはこの客室が最もバランスの取れた客室ではないかと思います。十分な広さにウォークイン クローゼットと独立型のトイレ、スイートルームと同じ構成の檜風呂付きバスルーム。この部屋を選んでおけば少なくとも客室面でガッカリする事はないでしょう。
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クラシックルーム マウンテンビュー (3室)
クラシックカテゴリの客室で唯一マウンテンビューのお部屋となりますが、その代償(?)として、このホテルで最も客室面積が小さい約34平米となります。大きめのスーツケースを開いたりするにはちょっと手狭か。1階にはプライベートガーデンが、2階と3階にはテラスが付いています。他の上位カテゴリの客室同様に1階のプライベートガーデン付きはテラス付きよりも10%高めのお値段が設定されていますが、これまた同様に冬季は雪に埋もれてしまい、使う事ができません。
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シティホテルっぽいですね。
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最近のシティホテルは外からブラインドを開けられる謎仕様(笑)が多かったので。
クラシックコーナールーム スロープビュー (1室のみ)
1階にひと部屋だけのクラシックコーナールーム。約52平米と、ちょっとしたジュニアスイート並みの広さです。レイアウトも使い勝手も悪く無いのですが、冬場は1階がほぼ雪に埋もれてしまうため、窓からの眺めが完全に塞がれてしまうという特徴を持っています。夏場の滞在なら悪くない選択肢ですが、冬場の滞在にはある程度の割り切りが必要です。
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クラシックルーム スロープビュー (2室)
この客室がこのホテルで最もベーシックとなるカテゴリーです。Webサイトなどでは全室森を見渡せる様なニュアンスの記載ですが、このカテゴリーの2部屋だけはお隣のクラウンプラザタワー館の建物を眺めるビューになります。眺めはリゾート感ゼロですが、部屋の造りは悪くなく、40平米弱ではありますが、大きめのスーツケースを開いても余裕のあるスペースが確保されています。この客室がシティホテルにあったら、結構高評価が得られるんじゃないかとは思いますが、リゾートでこのビューは他に何かプレミアムが無いとちょっと厳しいかも…。
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まだ全然未完成
コロナ禍の影響を大きく受けたからとは言え、未だ未完成・未調整の部分が多々あり、他のインターコンチネンタルリゾートと比較してしまうと厳しいものが多々あったことも事実です。例えば…。
エレベータ内のフロアガイドがカッティングシート張り
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WiFiが致命的に遅すぎる。上り下り共に10M bps程度しか出ていない。ビデオ会議もできないレベル。(2023年4月時点では下り115M、上り75Mと実用レベルに改善されていました。繁忙期の利用増を踏まえた更なる増強工事も行うそうです)
ホテルディレクトリの紙がコピー紙レベル。TV画面での表示にする予定ということではあるが… (2022年7月時点で紙質は改善されました。ネットワークが改善されないとTV表示に移行できないそうです)
クリーニング/ランドリーの伝票が無い。(2022年7月時点でクラウンプラザの伝票が置かれています)
客室のスリッパがsmallサイズしか無い。
機能していないと思われる電源スイッチ類が多い(Foot lightとか)
Presidential SuiteではベッドルームのTVが地上波しか映らない。NHK-BS等は視聴不可 。TVについては客室によってNETFLIX等のアプリが使用不能など機能設定がバラバラ。
大浴場にはヘアブラシや化粧水などのアメニティ類が全く無い
これらのissueはホテル側も全て認識しており、対応予定という事ですが、筆者の滞在は開業日から1ヶ月経過、さらにその4ヶ月後の再訪でも、未だ対応完了していない所が残っていました。この項目は今後改善と共に修正・削除していきますが、現段階ではこれらの不備を織り込み済みで利用する必要があるという事です。
一方で劇的に改善された部分もあります。
安っぽく、滑って座り辛く、さらに色彩心理学的にありえない、あの客室の青い合皮張りのソファはグリーンのファブリックに張り替えられました。結構な再投資になったとは思いますが、この対応には拍手喝采を送りたいと思います。
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(2022年7月撮影)
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(2022年7月撮影)
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(2022年7月撮影)
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(2022年7月撮影)
実はロビーフロアも何気に変わっています。
記事冒頭の写真と見比べてください。
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ANAクラウンプラザリゾート安比高原とANAホリデイ・インリゾート安比高原 (継続更新予定)
先行して開業したクラウンプラザとホリデイ・インリゾートは従前から営業していたホテルからのリブランドです。インターコンチネンタル、クラウンプラザ、そして安比高原スキー場のメインレストハウスとなるAPPIプラザはすべて回廊で接続されており、インターコンチネンタルに宿泊のゲストはすべての施設を利用することが可能です。
そして、インターコンチネンタルとクラウンプラザを接続する回廊のクラウンプラザ側口のすぐ側にはかつて安比高原の開祖、故 江副浩正氏の功績を讃える顕彰コーナーがありました。安比高原の開発の歴史と共に江副氏の功績をここで知ることができたのです。安比高原には江副浩正顕彰碑もあり、6mの高さもある碑には氏の遺品も収められています。
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(2022年7月に江副家の意向で取り外されました)
株式会社リクルートの創業者として知られる江副氏は日本が生み出した稀代の実業家と云われます。都会ですり減るかの如く働いた心身をこの安比の自然で癒し、鋭気を養う場にして欲しいという江副氏の想いが詰まったクラウンプラザ(旧ホテル安比グランド)の施設の数々は大浴場からプール付きフィットネス施設、和洋中、ハイエンドからジャンクフードまであらゆるジャンルのレストランを取り揃えた一大総合リゾートの面影を残しています。疑獄事件で会社から身を引き、安比高原も手放す形となりましたが、江副氏の顕彰コーナーを見た後で、館内を散策すると、江副氏が夢描いた安比の姿に想いを馳せることができるかと思います。江副家の意向でこのコーナーは撤去されてしまいましたが、氏の功績と安比高原開発の志は後世まで語り継ぐべきもので、この顕彰コーナーの復活を筆者は強く希望しております。
そういう中で特筆すべきはクラウンプラザ内のレストランアウトレットの充実ぶりです。ステーキハウス、日本料理、鮨、鉄板焼、中華、焼肉、ビュッフェレストラン、カフェ、バーと9つのレストランアウトレットはかなりのラインナップです。さらにホリデイ・インリゾートもビュッフェレストラン、日本料理、焼肉、スポーツバー、炉端焼といった充実ぶりです。
今回はその中のひとつである、鮨 なが朶 (ながた)に行ってみました。
え?安比高原の山の中で魚ばっかりの朝食ってコキ卸していたばかりじゃないかって!? いやいや。それとこれとは話が違います。嗜好品として選ぶ専門店と誰もが毎日利用する朝食では立脚点が違います。専門店で海の幸は有りなんです。選んで食べに行くんですから。毎日利用し、他に選択肢がない状況で海の幸ばかりというのはこの山の中のおもてなしとは違うでしょ?って事なんです。そこを間違えてはいけません。
閑話休題。で、この鮨 なが朶、安比高原の山の中とは思えない位本格的な鮨店で驚きました。三陸産の魚介類を中心に地元岩手の地酒、それも純米酒や特別純米酒を中心としたラインナップ。わかってますねぇ。しかも炊き立てのご飯を目の前で酢と合わせる「シャリ切り」を行うのは超高級店でもなかなか見られません。少なくともホテルの寿司屋では筆者は初めてです。ホスピタリティ豊かな大将の蔵本さんはこの道30年の鮨職人ですが、尊敬する料理人はなんとフレンチの三つ星シェフ「厨房のピカソ」と呼ばれるピエール・ガニェール氏。若かりし頃、寿司関連の書籍を求めて行った書店でたまたま手に取ったガニェール氏の著書を見て刺激を受け、愛車のバイクを売ってフランスまで行く寸前だった(ご本人談)とか。もし本当にフランスへ行かれていたら、今頃蔵本さんはフレンチの料理人だったかもしれないという人生の妙的なお話も楽しく聞かせて頂けます。
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この日は家族連れなどもいてカウンターは満席でした。
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お洒落なホテル飯に飽きてジャンクなものを食べたい向きにはスキー場のメインレストハウスであるAPPIプラザまで散歩がてらに行かれることをお勧めします。前述の通り、接続回廊で繋がっていますので、道中は天候に左右される事なく利用可能です。食事も概ね1000円以内で済ませられる上にお会計は電子マネー及びバーコード決済対応です!
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このクラウンプラザとホリデイ・インのリゾートは色々面白くなりそうなポテンシャルを持った施設だと筆者は感じました。すっかり古く陳腐化している所もあるのですが、リゾートとしての基本思想がしっかりとできている器なんですね。改装計画もある様なので、本稿はしばらく継続的にアップデートを行なっていきたいと考えています。
ANAホリデイ・イン仙台(おまけ)
名古屋以西の西日本にお住まいの方々が安比高原を訪れる際は、往路はともかく、復路は後泊が必要になるケースが多々出てくるでしょう。JALなら花巻空港まで飛べますが、ANAを使って飛行機で東北まで行かれる場合は仙台空港が最もアクセスが良いのではないかと思われます。仙台空港アクセス線で仙台駅まで20分、仙台駅下車徒歩6分のANAホリデイ・イン仙台は改装したばかりで、とても快適なので、後泊にはおすすめです。レストランも美味しい料理の数々を提供してくれます。
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まとめ
安比高原を活性化する起爆剤となるポテンシャルを数多く秘めた施設。
しかし…。
前項でも記した通り、安比高原のリゾートコンプレックスとしては開祖である江副浩正氏の基本コンセプトがしっかりしていた事もあって、古く陳腐化した旧来からの施設も含めて正しく投資すればポテンシャルは非常に大きいと筆者は考えます。
80年代から90年代初頭までのウインタースポーツブームが去り、かつてゲレンデにあったリフトを待つ人々の長蛇の列が消え去って久しい中、どの様にお客さんを呼び込むかと言う事はどのスキーリゾートでも共通する課題です。かつてのウインタースポーツブームは単純にスキーを滑ってだけじゃなくて、宿泊先での食事やナイトライフなどのアフタースキーを楽しむ事も大きかったと思うのです。その原点に帰ることが必要なのでは無いでしょうか。
それはインバウンドの富裕層を当て込むだけではなく、国内の客を呼び込む事も含めて全て同じ事だと筆者は考えます。
日本の経済成長が停滞して早20年。安さばかりを追い求めた (労働者の賃金含め)結果が今の日本の社会です。リゾートを安売りし、結果品質が下がり客離れを招いた。だから、高額な料金設定をするのは構わない。ただし、それはプロダクトとサービスが伴ってからです。大変申し訳ないですが、少なくとも開業直後のANAインターコンチネンタル安比高原リゾートは人的サービスはともかく、プロダクト面は一泊平均10万円を超える事を狙ったホテルとしては失格レベルの出来栄えでした。(人的サービスはここ最近の新規開業ホテルのオープニング直後としてはかなりしっかりしていた事をここで強調しておきたいと思います)
様々な事情があった事は理解します。投資しているオーナーサイドとしては早く開業して収入が欲しい事も理解します。ですが、あの状態では開業すべきではなかった。1年遅らせてでも、全ての設備が整ってから開業すべきだった。全てにおいて詰めが甘い。そして問題がわかっているのに着手が遅い (WiFiの件は開業3ヶ月前の時点で判明していたそうです)。料飲等のプロダクトも、もっと良く考えてラインナップすべきだった。地方の山の中で暮らしていると海の幸がご馳走なのは分かりますが、目線があまりにもゲストの方を向いていない…。インバウンドにとっても、国内の客層にしても、東京から海外へ飛べるだけの時間を日本国内移動にかけて旅してやってくるんです。宿泊料金の事は別にしても、そこで得られるエクスペリエンスがイマイチだったら、「二度と来ない」って事になりますよ。目先の事だけを追いかけて見切り発車してしまった印象が拭い切れません。
冬季には雪で埋もれてしまうプライベートガーデンや景色が塞がれる1階の客室の様な今からではもう修正が効かない部分はともかく、その他の部分は全て今からでも修正は可能です。追加投資も必要だと思いますが、オーナーさんにはここで踏ん張ってもらって、ラグジュアリーリゾートとして正しいホテルにこのANAインターコンチネンタル安比高原リゾートを作り上げて頂きたい。筆者は強く願っております。
総論として、冬場はウインタースポーツを目的とされる方以外は、現時点ではきわめてコストパフォーマンスの悪いホテルです。スキーシーズンは圧倒的に料金が高くなりますし、屋外施設の多くが雪に埋もれて使えなくなるからです。筆者だったらウインターシーズンにどうしても来るなら現時点ではクラウンプラザに泊まるほうが満足度は高いと考えます。どこにプライオリティを置くかで印象は大きく変わってきますが、オフシーズンの方がステイそのものを楽しむ向きには最高の体験を得られる事は間違いありません。そしてそれこそが、安比高原をオールシーズンリゾートとして再生させる事ができる唯一の手段なのです。国際ブランドの高級リゾートホテルを導入する最大のメリットは実はオフシーズンにあるのです。そこを間違えなければこの施設は成功すると思います。今後も筆者は安比高原を注視して行きます。(了)
ANA InterContinental Appi Kogen Resort
ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート
〒028-7306 岩手県八幡平市安比高原117-46
TEL: 0195-68-7550(代表)
Email: ana_ic_ap@ihr.co.jp
Email (予約センター): reserve@ihr.co.jp
公式サイト: https://www.appi.co.jp/stay/ana-intercontinental-appi-kogen-resort/
総支配人代行: 佐々木 健一
運営会社: 株式会社岩手ホテルアンドリゾート
フランチャイザー: インターコンチネンタルホテルズグループ
(IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社)
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