寿し道 桜田 (すしみち さくらだ) 今後の成長が楽しみ、かつ末恐ろしい名古屋の新星!
鮨不毛の地、名古屋にようやく現れた通いたくなる店
名古屋ってお鮨屋さんのイメージ全然ないですよね。正直。味噌煮込みうどんとか櫃まぶしとか鶏料理とか河豚とか肉とか他のジャンルでは美味しいお店は一杯あるんですけど、お鮨のイメージはコレまで全く無し。一軒だけ『寿しの吉乃』は昔から名前を聞くことはありましたけど、紹介制かつ、お店を閉めてニューヨークへ行っちゃった。ミシュランガイドが出るまではホント、評判なんてこれっぽっちも聞く事無く、完全にノーマークなお店ばかり。評価内容は常日頃議論の種になりますが、お店の存在を知ると言う意味ではああいうガイドブックの存在はありがたいものです。
そんな中で、最近名古屋に面白い店ができた、しかもあの『寿しの吉乃』の跡を居抜きで入った。という話を耳にして行ってみることにしたのです。
その名も『寿し道 桜田』
久屋大通の駅から7分ほど歩きます。この辺、ちょっと入るだけで住宅街になるんですね。地図的に繁華街をイメージしていたんですが。
店内は9名のカウンター席です。1名だったら前日予約でもなんとかなる可能性は高いそうなので、嬉しいですね。(店内写真は公式サイトより拝借しております)
大将の太田雄斗さん。若いなぁ。まだ20代だそうですよ。何処かで見た事がある方だなぁと思ったら、以前は銀座 鮨 とかみに勤務されていたそうです。店名の『桜田』はご両親の苗字から一文字ずつ取って、なおかつ桜は音読みで「おう」とも読むので大将の苗字の太田も暗喩しているという凝りっぷりです。更に桜は日本を代表する花なので、日本を代表する鮨屋を目指すという高い志も。店内の書や箸置きなど所々にも桜があしらわれています。
まずはグラスシャンパンから。Franck Bonville (フランク・ボンヴィル)のシャンパンです。ノーベル賞の晩餐会にも供された事のあるRM物としては結構名の知れた、かつお買い得なシャンパンです。このメゾンはロゼ以外は全てシャルドネ100%のブラン・ド・ブランなんです。太田さんはソムリエの資格もお持ちなので、お酒は全ておまかせです。ビールは地元名古屋のクラフトビールのみとなります。(このこだわりには後ほど改めて触れます)
本日の食材プレゼンテーション。唐津の赤雲丹、松茸、毛蟹、新いくら。
北海道の紫雲丹、蝦夷馬糞雲丹
北海道戸井産の鮪。やま幸扱いの様です。とかみご出身ですからね。
鰹、太刀魚、九絵
鬼笠子、秋刀魚、喉黒
新烏賊、小鰭、穴子となります。こうやって食材をプレゼンテーションしてくれると、今日はどんな感じで出てくるのかとワクワクしますよね。
酒肴に入る前に日本酒に切り替えます。相模灘の美山錦 純米吟醸。旨味がちゃんとある美味しいお酒です。温度も絶妙にコントロールされていました。
桜田劇場の始まりは酢飯切りから。太田さんはココ、名古屋で『名古屋前』を確立したいとお考えの様で、酢飯一つにしても米、お酢、水に至るまで中京エリアで生産された物を使っています。『龍の瞳』からの突然変異米である『女神のほほえみ』に中京エリア3か所で醸造された赤酢をブレンド、お水は大垣から汲んで来ているそうです。
この酢飯だけを海苔で巻いた物が、一品目!海苔も愛知県産、山葵も大垣産だそうです。大垣で山葵取れるんですね。ビックリです。海苔は香りは控えめですが、味はとても濃い。酢飯はやや酸味が強めの物で、粒は立っている物の、固さは程々のバランスを保っています。
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