地域に寄り添ったライフスタイルホテルを。 ホテル インディゴ軽井沢 最速全施設完全ガイド!
国内2軒目のホテル インディゴは海外の同ブランドホテルとは異なるコンセプトの下に開発された、唯一無二のホテル。こんなインディゴ他に無い!
はじめに
IHGのライフスタイルホテル「Hotel Indigo」。2020年に箱根強羅に日本における第一号店が開業してから丁度2年、二号店となる軽井沢が2022年2月17日に開業となりました。グローバルでは都市部繁華街を中心に展開しているブランドですが、日本ではリゾート地を中心に開発が進んでおり、三号店となる「犬山有楽苑」も観光地でのオープンです。
軽井沢という日本のリゾートとして草分けの地にどの様なホテルができるのか。デベロッパーの東京センチュリーはANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパも手がけている事から、期待が膨らみます。
オープニングセレモニー
2022年2月17日(木)11:35AMよりオープニングセレモニーが執り行われました。
IHGANA、物件オーナー企業である東京センチュリーの関係者、地元軽井沢の観光協会や商工関係者を始めとして、マスメディアなど50名ほどの人数が集まりました。前日までは吹雪だったそうですが、この日は朝から晴れ渡り、素晴らしい開幕の日となりました。
この後、メディアセッションが行われ、12:10分ごろからゲストの入館が始まりました。オフシーズンかつ昨今の状況下を考慮し、派手なイベント事はせず、後日改めて雑誌社やインフルエンサーを集めたセッションを計画しているそうです。
アクセス
鉄道(新幹線)の場合
おそらく新幹線で来られる方が多いと思います。
駅からタクシーでも2000円弱ですが、町内循環バスが軽井沢駅前から出ており、本数は多くはありませんが、概ねホテルのチェックイン・チェックアウト時間に適した時間帯で運行されています。南軽井沢交差点停留所で下車して徒歩5分です。東・南周り線で行きは外回り線に、帰りは内回り線に乗ってください。逆に乗ってしまうと、かなりの遠回りになりますのでご注意ください。
バスの時刻表はこちらからどうぞ。
https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/contents/1001000000599/simple/higasiminami.pdf
ホテルのシャトルバスも運行されていますが、1日1往復、ホテルから軽井沢駅までの運行 (ホテル発11:00AMと軽井沢駅発15:40) のみになります。
自動車での場合
ホテルは南軽井沢交差点の角に位置するのですが、入り口は車で来た場合、ちょっとトリッキーです。
上信越道碓氷軽井沢ICから南軽井沢交差点までは道なりに一本で行けるのですが、交差点をホテル側に左折してしまうと、中央分離帯に阻まれて、遠回りの上、Uターンが必要となります。南軽井沢交差点では左折せずに、交差点を直進すぐ左手に駐車場入口があるので、そこから入るのがスムーズなアクセスです。
軽井沢駅側から来た場合や国道18号線碓氷バイパス方面から来た場合も同様です。『焼肉光州苑』の向かいにある入口から入りましょう。
駐車場入口は本当にわかりにくいので、以下ビデオでご確認ください。
駐車場
ロビー棟
建物/エントランス
このホテルの建物はSDGs(持続可能な開発目標)と地域に根ざしたホテルでありたいとの観点から全て木造建築で、柱・梁などの主要構造物はその80%以上が長野県産の落葉松(カラマツ)を使用しています。地域と自然に溶け込んだライフスタイルホテルをと言うコンセプトでかつ“Discover our vibrant neighborhoods around the world” (世界の活気あるご近所さんを散策しよう) というブランドコンセプトの両立を図る、これまでに世界各国でオープンしたホテル インディゴとは一線を画したデザインの下に建設されています。館内のアート作品も長野県出身・在住者のアーティストの手によるものだそうです。
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レセプション/ロビーラウンジ
フロントカウンター前のアイコニックな暖炉がとかく目立ちますが、このロビー棟はラウンジも兼ねており、飲み物や軽食も提供されます。オープニング時点ではオペレーションがこなれていない事もあり、まだ積極的にラウンジ機能をアピールしていないのですが、メニューもちゃんとありますので、スタッフさんにお願いしてみてください。
バゲージカートはパッと見、スーパーマーケット?って思う形ですが、よーく見てください。テニスのネットなんですね。ラケットとボールのアクセントもありますよね。なんでテニスなのかって?それは軽井沢は「テニスコートの恋」の地だからですよ。はい、ここでひとつ “Neighborhood Story” が。
ロビーラウンジ メニュー
暖炉を取り囲む円形のソファには電源タップとUSBパワーが用意されており、ここでラップトップを開きながら仕事もできるようになっています。でも、ここまで来て仕事なんかしたく無いですよね(笑)
開業祝いの花が数多く飾られていましたが、これらの花が撤収された後も植物など緑をデコレーションしていきたいとのこと。とても優秀なフローリストさんと契約されているそうです。
花で埋め尽くされていますが、ロビーラウンジ自体は結構広々としています。
館内マップ
館内は6つの建物に分かれています。レセプションとロビーラウンジが入るロビー棟、料飲施設が入るレストラン棟、大浴場やエステ、フィットネスが入るSPA棟、そして客室棟がA棟・B棟・C棟と3つに分かれています。これで全6棟です。建物は地上2階地下1階となっており、景観に配慮されています。客室棟の地下が1階とされ、地上階は2階と3階になっています。客室棟へのアクセスは全て2階で行われます。各館を繋ぐ回廊は屋根こそあれ外へ出る形になりますので、冬場はそれなりの服装が必要です。
客室棟
客室カテゴリは全部で8つ。リバービューの客室が最多で74室、次いでガーデンビューが37室、プライベートガーデンルームが26室、スイートが8室となります。内42室がツインベッドで31室がキングベッドと、ツインベッドの方が多い仕様なのはリゾート基準ですね。客室の造りは全部で3通りで、ガーデンビュータイプ、リバービュータイプ、スイートタイプの3種類です。スイートルームは客室棟A棟の1階に、プライベートガーデンルームはB棟とC棟の1階に位置します。プライベートガーデンルームの造りはテラス部分が箱庭になっている事以外はリバービュータイプと全く同じ造り(ビューバス)です。A棟に1室だけリバービュールームで造りがガーデンビュータイプの客室があるそうです。この部屋はちょっとハズレルームかな…。
スイートルーム
まずはビデオをご覧ください。
どうですか?海外でインディゴに泊まられた経験のある方なら、およそインディゴらしくない落ち着いた空間に驚くことでしょう。これ、インターコンチネンタルやキンプトンを名乗っても別に違和感無いと思います。
前述の通りSuiteは全て客室棟Aの1Fに位置しているのですが、このプライベートガーデンという名の箱庭から望む景色は別荘で過ごしている様な気分を催します。窓から見える森林の奥はゴルフ場なのですが、塀のおかげでゴルフ場は見えず、プライバシー感が保たれると同時に森林だけが目に飛び込んでくるので、如何にも「軽井沢」な雰囲気作りに貢献していると言えるでしょう。このホテルはプライベートガーデン付きの客室をより上位に設定していますが、その理由は使ってみれば、理解できると思います。
ミニバー周りには数少ない遊び心が垣間見えますが、それでも控えめな印象。
コーヒーはillyのIPERESPRESSO、お茶はART OF TEAがセットされています。
冷蔵庫の中身はソフトドリンク中心。ワイン・シャンパンの類はありません。
箱根強羅と同じです。カクテルミックスの材料になるソーダ類が多めです。
一方で、スナック類はおつまみになるような物がメインで用意されています。
客室の造りはあまりSuiteっぽく無いのですが、バスルームは流石と言ったところ。気分が上がります。
Suiteのみ大きな円形のバスタブです。パッと見、ジャグジーみたいに見えますが、ジャクジーではなく、循環式保温機能を備えています。水資源を節約すると言う観点からの物だそうで、ここにもSDGsが。
これがその温度コントローラ。なんと温度だけで無く排水もここでコントロールします。そう、このバスダブには栓が無いんです。逆にこのコントローラのスイッチをONにしないと、お湯を垂れ流すことになるので、バスタブにお湯を溜める際には必ずコントローラの電源を入れましょう。
アメニティ類は国内IHG系ホテルのラグジュアリー&ライフスタイルカテゴリ共通の物です。歯ブラシが色分けされていることと、ヘアブラシがあるのはとても良い事です。(薄っぺらい安物の櫛だけしか無いIC大阪とストリングス東京は直ちに改善すべきです!)
スイートルームのみウォークインクローゼットを備えています。
各部屋にはバスローブとパジャマの他に半纏が備え付けられています。可愛いポップなデザインの半纏ですが、これはSPA棟の大浴場へ行き来する際に湯冷めしない様にという配慮から用意されています。尚、大浴場へのみ、半纏とパジャマの組み合わせでのアクセスが認められています。レストランへはこの格好で行く事はご遠慮ください。
ウェルカムギフトで頂戴したスイーツと苺。チョコレートケーキがデカい…(汗
リバービュー/プライペートガーデンルーム
スイートルーム以外の客室は全て広さが32sqmです。リバービューとプライベートガーデンの違いは前項でも述べた通り、テラスか箱庭かの違いです。両者ともビューバス。
ガーデンビュールーム
こちらの客室も広さは32sqmで、リバービューやプライベートガーデンのお部屋とカタログスペック上の面積は変わりません。が、実効面積はバスルームとトイレが一体になっている分、若干広く使えそうです。広さを取るかビューバスを取るか。
インルームダイニング
食事については価格設定も品揃えも申し分ありません。レストランで戴くよりは5%ほど高くなりますが、追加のサービスチャージと考えれば適正範囲でしょう。
…ただし、ベバレッジメニューは要注意!ワイン類は市価どころか世間のレストラン相場と比較してもかなり高額な設定をされたアイテムばかりですし、ソフトドリンクもお高い!ソフトドリンクはミニバーから戴いた方が良さそうです…。
キッズアメニティ
全体的に「大人」な印象のホテルですが、お子様置いてけぼりではありません。小さなお子様向けのキッズアメニティもちゃんと用意されています。このアメニティの売上 の一部 (と言ってもホテルが仕入れ先に支払うだけで、ゲストには無償で提供されます) は日本の野生動物を護る活動に遣われるそうで、ここでもやはりSDGsが。
SPA棟
大浴場が1階で、2階はフィットネスセンターとTHE SPA by HARNNとなります。
大浴場は男女とも同じ仕様で、炭酸泉の外湯と内湯に水風呂付きドライサウナが設置されています。女湯にはサウナが無い所も世の中には結構あるのだそうですが、ここではその心配は無用です。
大浴場
THE SPA by HARNN
カップル向け施術室が1室とシングル向けが2室用意されています。
現在は施術メニューを一本に絞って営業中。
フィットネスセンター
機種はそれほど多くありません。筋トレ系機材が少ない印象。
この部屋の色使いは館内全体でも特異な位カラフルです。
レストラン棟
ALL DAY DINING KAGARIBI
イタリアンをベースとしたレストラン。食事は本当に美味しいし、価格設定もシャンパンとボトルワインを除けば概ね適正なお値段で、安心して利用できます。価格表記が消費税とサービス料込みの表示である事も素晴らしい。
KAGARIBI ベバレッジメニュー
信州産の食材を中心としたイタリアンベースの料理は朝食からその真髄を全力で見せつけてきます。信州はとても広いので文化圏は北東信地域 (主に北陸新幹線沿線)と中南信地域 (松本・諏訪平・安曇野を中心とした主に中央自動車道沿線)の2つに分かれているのですが、食文化はそれぞれ全く異なります。北東信文化圏の軽井沢でありながら、食材は中南信地域の物が多い感じを受けますので、シェフには北東信地域の食材にもっと目を向けてほしい所。
KAGARIBI 朝食メニュー
アラカルトやセットメニューも用意されていますが、充実度とお値段を考慮すると、少なくともセットよりはビュッフェを選択した方が楽しめそうです。
KAGARIBI ALL DAY アラカルトメニュー
アラカルトメニューにはコースでは楽しめない料理も数多く含まれています。また、コースメニューに含まれている料理も、アラカルトでオーダーした場合はポーションが倍になるそうです。
KAGARIBI ランチメニュー
ランチメニューはお値打ちなセットばかり!
KAGARIBI ディナーコースメニュー
ディナーコースも1名1万円もしない非常に良心的な価格設定です。
メニューの多くはアラカルトでもいただけますが、いろんな種類を楽しみたい方には間違いなくコースがお勧めです。
KAGARIBI ワインリスト
2F プライベートダイニング
KAGARIBIの2Fはプライベートダイニングとされており、主に企業のセミナーや婚礼の二次会 (このホテルでは結婚式などの宴席には対応していません) 利用を想定した物だそうです。繁忙期には追加の朝食会場として開放すると同時にバーベキューレストランとして利用する事も検討中だそうです。
FOREST GARDEN(季節営業)
夏季のみ営業するFOREST GARDENはアウトドア式でBarサービスを提供するスペースです。積雪のある冬場は勿論、寒い季節や降雨時には営業されません。主に5月〜9月までの季節限定と考えて良いでしょう。
周辺情報
ホテル周辺ですが、南軽井沢交差点を挟んだ斜向かいにローソンがあるので、コンビニには困りません。セブンイレブンもプリンス通りを軽井沢駅方面に歩けばあるのですが、15分ぐらい歩く事になります。
徒歩5分以内では
『焼肉光州苑』『浅間飯店 (中華)』『翠天楼 (中華)』『弥助鮨』と4カ所の飲食店があります。館内レストランはイタリアンで朝食以外和食もありませんから、少々長めの滞在で、食事に変化が欲しい場合はこれらのお店が助けになるでしょう。
まとめ
およそインディゴらしくない落ち着いたデザイン、それには物件オーナー企業である東京センチュリーの「地域に寄り添ったホテルを」という意向が強く働いた結果だそうです。構造物の80%が長野県産の落葉松だったり、長野県産 (若干地域性に偏りは見られますが) の食材で作られた高品質な食事の数々、ワインリストも一押しは長野県産のワインです。周りの木々や街並みに溶け込んだデザイン、静かで落ち着いたひとときの別荘体験を味わうことができる、軽井沢という伝統的な高級リゾート地に寄り添ったまさに「大人のインディゴ」でしょう。世界各国どこを見てもこんなインディゴはありません。唯一無二で前代未聞。
「ライフスタイルホテル」「ブティックホテル」というと兎角30代前半をターゲットにしたCOOLなホテルという印象が強い中で、日本のこれらのカテゴリのホテル達は皆どこか中途半端感が強かった。突き抜け度が足りなかったんですね。
ホテル インディゴ軽井沢はそこに一定の解を示したのではないでしょうか。
「ライフスタイル」にも色々ある。都会の華やかな喧騒をブーストするスタイルもあれば静謐で上質な空間にどっぷりと浸るスタイルもある。ホテル インディゴ軽井沢はその後者を示したのだと思います。Vibrantではないけれど、”Discover our neighborhoods around the world“ は体現している。派手ではないけどホテル インディゴの他に類を見ない新しい可能性を示した軽井沢。今後の成長と展開が楽しみです。
※筆者的には次は東京辺りに、ギラギラとド派手で突き抜けたデザインの王道路線インディゴを作ってほしいなぁと思っていますが (笑)
(了)