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鮓職人 秦野よしき 改め 麻布十番 秦野よしき 移転して何が変わったのか、”秦野よしき2.0” からの進化は?

まずはお引越し、新装開店おめでとうございます。

鳥居坂下にあった、鮓職人 秦野よしき、以前から東京グルマンの間で『面白い店』『色々頑張ってる店』という声は聞こえていた上に、芸能人のInstagramなどにも頻繁に出て来るので、結構前から筆者の記憶の片隅にはあったお店です。

そんなある日、筆者お気に入り鮨店の筆頭、Respectしてやまない札幌 鮨 一幸の工藤さんから、『一度行ってみて欲しい』とお話をいただき、訪問したのはちょうど1年前の今頃、8月の熱い(暑いじゃなくて熱い)夏でした。

以前のお店の看板(2018年8月撮影)
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キラリと光るものがいっぱいあるんだけど、無理やりにオリジナリティを出そうとして大失敗している、王道を歩むと言うよりは覇道狙い、でもどこか覚悟が見えない面を強く感じたので、食後に工藤さんからの紹介である事を明かし、僭越ながら小一時間ダメ出しをさせて頂いたのでした。これじゃ、僕の友人知人にはお勧めする事はできないと。

秦野サン、だいぶ堪えたらしく、その晩の内に工藤さんに電話されたそうです。そこから1ヶ月ほどの9月から秦野よしき2.0を掲げ、スタイルを全面的に変えてきました。

アレ以来、工藤さんには『秦野よしきを泣かせた男』と呼ばれております(笑)

鮨 一幸の工藤さんを『志匠』と仰ぐ秦野サン (毎月札幌まで通っているそうですよ) 、2.0スタート時は完コピ?と思うぐらい、一幸スタイルを踏襲した構成でしたが、少しずつ変化も出てきた。覇道ではなく、王道を歩み始めた。そんな時に移転のお話を伺いました。2018年も末の事です。

元々スナックだっただろう場所を居抜き (夜逃げ物件だったラシイ…) で借りて、内装に手を加えた急造仕様の前の店舗、移転の計画はずっと温めてきたのでしょう。新生秦野よしきにはとても良いタイミングだったと思います。

そんな鮓職人 秦野よしき、同じ麻布十番駅周辺、むしろ駅に近くなった?場所で麻布十番 秦野よしきとして2019年7月20日に再出発を果たしました。

移転直前に前の店舗にお伺いした際は2.0のレベルをもう超えていると感じたので、もう3.0位にはなってるねと秦野サンに話したら、『移転後はXになってると思いますよ!』ってiPhoneかい!(笑)

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以前の鳥居坂下の店舗は、大江戸線から来た場合は悪くないアクセスでしたが、南北線から来た場合は駅の中を上へ下へとアップダウン含め、だいぶ歩かされました。新店舗はどちらの路線から来ても駅の中をそう歩く事も無く、出口から概ね2〜3分で辿り着く事ができます。便利になりましたね。

移転先のビルには天ぷらの名店として名高い『たきや』も入居しています。近隣には和の人気店『かどわき』も。すごいですね〜。この界隈はグルメタウンになりつつあります。

三井住友銀行のATMコーナーがあるビルの脇に回ると大きな看板と地下に降りる階段が見えてきます。お店は地下2階に。

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入口は左横にスライドさせる引き戸なので注意してくださいね。
筆者は最初、押しても引いても扉が動かないので、予約の日を間違えたのかと心配になりました(笑)

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引き戸の横には小さな看板。書家でもあり、画家でもある紫舟さんの揮毫です。
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中に入ると、空間を贅沢に使った回廊が。この回廊突き当たりを左に曲がるとカウンターへの入口となります。

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大将の秦野芳樹サン。
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カウンターの中も広くなり、無駄を一切廃したデザイン。能舞台を彷彿とさせる造りは、鮨 一幸のそれに通じるものがあります。気分が高揚します。デザイナーさんや檜の一枚板カウンターの入手も工藤さんが紹介してくれたそうです。工藤さん、優しいな〜。

カウンターの後ろにはコレまた紫舟さんによる鶴の絵が。鶴と亀がこの店には住んでいるんです。さて、亀はどこでしょう?

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真子鰈の造りからスタートです。

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右から身、肝を身で巻いたもの、縁側。塩でもお醤油でも。良い白身魚には味があるので、筆者は基本的に醤油は付けません。ここでその店の仕入れの実力がある程度判断できます。基本はワサビをつけただけでそのまま。肝巻きには塩を数粒付けていただきます。この日の身には凄く味があり、とても良い物でした。もう1枚身があると嬉しかったなー。

そして筆者大好き、みんなも大好き蒸鮑です。

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一幸スタイルですが、一幸と異なるのは鮑に更なる味を追加しているところ。鮑の味だけを入れていく一幸のそれと異なり、若干濃いめの味付けとなっています。願わくはもう1枚…。あと、肝も出して
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。藁焼きではなく、皮目を炭火で焼いた物。それも炙り焼きではなく、炭火を皮に直接当てる、いわば根性焼き(笑)

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海苔醤油をかけて頂く所も一幸流ですが、この海苔醤油も濃いめで甘さがより前に出ている感じです。炭を直接当てただけあって、皮目には炭のフレーバーが濃厚に。全体的に濃いめ志向の秦野サンといったところ。

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ここまでは一幸スタイルの色濃い構成でしたが、ここから少しずつ秦野ワールドが顔を出してきます…!

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