不採用基準の明確化(ゆめみ)
ゆめみの不採用基準を事前に公開しております。
特に◉の部分は最重要
以下で、その背景、理由をお伝えします。
カルチャーとは何か?
まず、私は「カルチャーフィット」で採用の判断は行っていません。
そもそも、「カルチャーフィット」という言葉に違和感を覚えます。
まず、「カルチャー(文化)の定義」は以下のように定義します。
例えば、関西では「ボケとツッコミ」の当たり前レベルは、他の地域では当たり前でなかったりします。
もちろん、関西で育った人が全員、お笑い芸人のように面白いことを話せるわけではありません。
重要な観点としては、関西においては、「ボケとツッコミ」を暗黙的に当たり前のように振る舞うことが一種、作法とされているという事。
そして、その作法に対して、なんとか努力しながらも、その苦労を表には出さずに、当たり前のように振る舞えている事が、他者とは違う高度なコミュニケーションを実現できているという自尊心や、自己満足につながっていると解釈しています。
別の例えで言えば、高級フレンチレストランにおいて、マナーを守りながら、高級な料理やワインの違いを楽しむ事ができるのも文化の一つです。これも、同じように、当たり前のように振る舞える事が自分自身の満足につながっています。
このようにカルチャーというものを捉えた時に、ゆめみにおけるカルチャーというものは、他社にとっては、当たり前ではないが、ゆめみにおいては、当たり前のように振る舞う事が「作法」とされており、それを当たり前のように振る舞う事が自信・自己効能につながり、会社に所属するアイデンティティーに繋がるとして「ゆめみの当たり前」を定義しています。
世間一般の当たり前とゆめみの当たり前の最大の違い
しかしながら、「ゆめみの当たり前」で定義していることは、一般的な会社という概念からは、特殊なようには見えて、会社以外のコミュニティーにおいては、想像しえる範囲のごく自然な振る舞いとして捉えています。
例えて言うならば、日本人が箸でご飯を食べる作法がありますが、外国人でも慣れれば難なく習慣化できるものです。つまり、箸でご飯を食べる作法と同じ程度に、ゆめみの当たり前は、自然に振る舞えるものとして捉えています。
しかし、ゆめみの当たり前の中でも、自然に振る舞う事が最も難しい作法が1つあります。
それは、「会社批判」としてゆめみで定義している、物事の前提を疑い、疑問を呈する振る舞いです。
ゆめみでの意思決定プロセスは、例えるならば下記のような作法で行われます。
上記のように、周りが共感して、自然に役割が決まったり、物事が進んでいく事を自然と捉えており、その自然な作法で、会社のあらゆる意思決定で行われる事が理想だと捉えています。
一方で、一般的な日本の会社では、集団同調性バイアスが働き、会社のルールを鵜呑みにして、疑わずに従うことを当たり前のように振る舞う、という傾向があるように分析しております。
もちろん、そのような会社は極端な例であり、絶滅に近いと感じておりますが(皮肉です)、例えて言えば、下記のような作法です。
仮に上記のような「当たり前」に慣れてしまっている中途入社の方からすると、入社後において、ゆめみでの当たり前の振る舞いに慣れるまで、リードタイムとして最大12ヶ月ぐらいかかるかもしれませんが、それさえも、時間が解決するものと考えています。
特に、最近はオンボーディングにおいて「会社批判」をトレーニングとして実施しており、可能な限り早期に、物事を鵜呑みにする習慣から脱却できるようにしております。(目標としては中央値として、1〜2ヶ月で実施できるようにする)
参考記事)新入社員でも「会社批判」持続的な成長を実現する組織風土とは!
つまり、最も難しい作法である「会社批判」でさえ、入社後のトレーニングで習慣化可能として捉えており、不採用基準には含まれておりません。
職務・職能要件とのギャップについて
つまり、「カルチャーフィットは不採用基準のポイントではない」とご理解ください。
では、どう言ったものが不採用基準になるのでしょうか?
それは、ビジネスモデルの観点から導かれる職務・職能要件と本人のスキルギャップとして捉えています。
それぞれの会社にはそれぞれのビジネスモデルがあります。
そして、そのビジネスモデルの競争力を高めるためには、職務・職能として導かれる要件があります。
その職務・職能要件に対して、候補者の方が、会社だけでない過去の人生の中での、パターン学習により培ってきた思考・行動パターン、保有スキルにギャップがある場合に、不採用になるものとしています。
この不採用判断の結果は、候補者の人の絶対的な欠点とは捉えていません。あくまで、
というだけだと考えています。
不採用になる人は、他の会社のビジネスモデルから導かれる職務・職能要件には当てはまると考えており、単純なマッチングの問題だと考えています。
では、どのような職務・職能要件があり、どのようなギャップがある得るかが冒頭で記載した内容です。
その理由や背景を、ゆめみが顧客に提供する4つの価値の観点から下記で解説しておきます。
提供価値①:継続的なサービスデリバリ
顧客とは5年・10年という単位で取引を行い、継続的にサービス進化に関わるビジネスモデルになっています。
そこにおいては、顧客ビジネス・サービス・仕様を深く理解する姿勢が必要であり、一定のプロジェクト関与期間も必要とします。それに伴って、会社への在籍期間としては比較的長い事が求められています。
例えば、管理部門のメンバーなどは10〜15年の在籍期間の人が8割以上となっております
したがって、短期間(数年)で学べるものを学んで、次のキャリアにステップアップするといった
とはマッチせず、長期的に職務を遂行する前提で、職務要件を定義しています。
もう一つは、ゆめみのビジネスモデルの性格上、完全な自社サービスを行う機会は少ないです。
したがって
と言う方も、顧客や顧客ビジネスとの向き合い方にギャップが生じて、上手く成果を出せない事が多いです。
法人顧客と共に、自社サービスを展開していくんだという意識でないと協働で成果が出せないのです。
したがって、自社サービスに関わりたい、事業会社の立場でビジネスに関わりたいという職務希望がある人は、ゆめみの採用面接を受けない方が良いと思います。
一方で、2021年度から急成長スタートアップの内製化支援の取引も6社となるなど、自社プロダクト・サービスの開発に深く関わりながら、急成長のダイナミズムを感じる機会も増えています。
特に急成長スタートアップは新卒採用などは積極的に行わないので、ゆめみのような支援事業者の立場から、様々な急成長プロダクト・サービスに関わることができるのはゆめみの魅力だと思います。
提供価値②:高い問題解決力
大規模で合ったり、クリティカルなサービスが比較的多い都合上、高い問題解決力が要求される仕事も多く、プレッシャーを感じる場面は避けては通れないこともあります。
したがって、
がある人は、向かないと考えています。
何となく、表面的な解決をして、根本的な解決を避けてきたようなタイプの人には向かない職務だと思います。
ゆめみの優れた成果を出している人は、むしろ、困難な状況をゲームのように楽しんでおり、他社の方からそのように指摘されたこともあります。
また、
も向かないと思っています。会社によっては権威を活用して振る舞う事が重要な組織もありますが、ゆめみでは、役職や立場による序列というものを排除しています。
それぞれが専門的なプロフェッショナルとして問題解決をしながら顧客に高い価値を提供するとしております。
提供価値③:議論を行いながらチームとしての付加価値を出す
仕事の前提として、議論を行いながらチームとして成果を出す事が職能要件として必要になっています。
その上で、議論において
は、チームを巻き込む事が難しく孤立しやすい過去の事例があります。
また、
などは、周りがついてこないで、一人で抱え込みがちになります。
ミッションクリティカルなサービスを運営する一方で、ゆめみではアジリティを持った動き方を両立する事が求められるため、厳格すぎる事はうまくいかないケースが多いのです。
あるいは、
も、顧客にデジタル変革という価値を提供する仕事において、変革につなげる議論についていけない可能性があります。
比較的単純な作業を効率よく、着実に行う仕事というものが少ないという背景があるためです。
提供価値④:新しい技術を提供する
顧客にない技術を常に学習して身につける事が職能要件として求められています。
現時点で高い技術を保有している必要性は全くありません。常に、技術は進化するので、むしろ、そこにいち早く到達できる高い成長力を大事にしています。
同じことを継続的に続けるだけではなく、常に変化、成長する事ができるかどうかは、根本的な成長マインドセット、最低限の学習力があるかにも関わります。
したがって、下記のような条件も不採用基準に当てはまります
プライドがあった上で、挫折の経験などがある人は、今は成長に向けた行動が取れていなかったとしても、環境の助けをもらって、成長マインドを持って変化し始めると考えています。
しかしながら、その人の内なる心において火がついていないタイミングにおいては、いくら成長環境を用意しても難しいと考えています。
一人一人の人生にとっての使命、つまり、「命の使い方」は様々だと思います。その多様な命の使い方において、「成長」に命を使わないといけない理由があれば、提供価値①〜④での不採用基準も克服できてしまうかもしれません。
つまりは、「成長」をその人自身がどう捉えているか、成長せざるを得ない理由が今あるかが、究極的な採用基準になっていると言えます。
次に、メタ認知力はOECDが21世紀に必要な基本的な能力として重要視されています。特に、「学び方を学ぶ能力」であるメタラーニングの意識が欠けている場合、効率的、効果的な学習が期待されません。ゆめみで最も重要視する能力です。
その上で、メタ認知力・メタラーニング力が高い前提で、ゆめみでチームとして仕事をする場合に大事にしている考え方が「協働力」です。
「共同作業」という言葉は、
として捉えています。
一方で「協働作業」というのは、
という捉え方です。
インターネット業界は20年以上の歴史があり成熟産業になる中で、細分化された技術は専門的でありながらも陳腐化が激しい時代になってきています。
例えるならば、特定の専門分野において、1〜100まで覚えることがありし
それを全て実践で発揮できるようになるには3年かかる
一方で、3年経って身につけたら、1〜25までの覚えるべき事が陳腐化してしまっている
というような事態が起きていると言うことです
したがって、自分の専門分野を学習するには、個人だけの努力ではなく、組織として計画的に学習することが必要な時代として考えています。
その時に重要になるのが、仕事を通じてお互いに学び合うという関係性です。そしてそれを実現するには、きっちりとした役割分担を行うというよりは、むしろ、同じ仕事を一緒に協調して行う協働作業を通じて、お互いの仕事のやり方に対してフィードバックを行いあったり、お互いの知識を共有し合うことだと考えています。
つまり、いくらメタ認知・メタラーニング力が高く、個としての学習能力が高くても、組織における協働作業を行う力「協働力」がなければ、組織学習に貢献することができないとしています。
「不採用基準」と「究極の採用基準」のまとめ
以上のような観点で、カルチャーではなく、ビジネスモデルから導かれる職務・職能要件に合うか合わないかで判断させて頂いております。
会社によっては、ゆめみでの職務・職能要件がカルチャーフィットだという会社もあるかもしれません。
そうだとしても、私としては、カルチャーフィットという曖昧な定義のままにする事なく、採用要件を明瞭・明晰化した上で、それをオープンにする事が、採用のアンマッチを防ぎ、求職者・企業の不幸を回避すると考えており、以上のような定義を行なっております。
まとめとして、繰り返しになりますが、重要な「不採用基準」は
であり、究極的な「採用基準」は
としております。
以前、実務未経験のフロントエンジニアのポテンシャル採用を行なった際に
片岡「あなたの人生の目的はなんですか?」
Nさん「幸せな結婚生活です」
と明瞭に答えた人がいました。その人の幸せな結婚生活を実現するには、本人の成長が必然
という事が強く実感されたため、採用に至りましたが、入社後、非常に楽しく学習を行なっています。
そして、あくまで、これは現時点でのゆめみの要件であり、今後もビジネスモデルが変化する中で変わっていくものであると考えています。
※ちなみに、現在「人生の目的はなんですか?」という質問はしておらず、全ての採用候補者の方に、一般的な質問を共通してさせて頂いております。(参考:採用面接FAQ(新卒・中途共通))
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