見出し画像

12月25日 日本の空で起こるスピカの星食

今年の"月"の運行は、また特別でした。

月の軌道はメジャーな星々と重なり合い、月による食が頻発するたいへん特異な年でした。

恒星ではアンタレス、スピカ、そしてプレアデスが月の軌道上となり、
次々と重なり合いました。

この12月に日本の空では、
8日には土星が、9日海王星が、そして14日にはプレアデスが、
次々と食されていきます。
これほど食欲旺盛(!)な月は、なかなかあるものではありません。

そして今年、その最後を飾るのは12月25日未明
おとめ座の主星スピカに隠される、この星食です。



今年2度目のスピカ食


スピカの星食は、日本の空で8月10日にも起こりました。
それは旧七月七日、七夕の宵でした。

この星食からの一連の流れについては、こちらの記事に詳しく記しました。今回のスピカ食は「3つの月」の最後に現れる現象です。

まずこちらからご覧いただければと思います。

時を隔てスピカが貫く、これはあまりにも美しい3つの月です。

天から俯瞰しても美しく、地から見上げても美しい。

8/10、10/17、そして最後に現れる12/25の月がこのスピカ食。

天体が互いに独立して動き合いながら、連続したこの3列の整列が揃う奇跡の美しさ。
のみならず日本から見上げる空には。
時を隔ててこの3つの月が並んで現れる見事な美しさ。
これは筆舌に尽くしがたいものです。
しかしいくら説明を尽くしても、これを奇跡だと知る人はとても少ないものでもあります。

スピカが貫く3つの月


ここでは、12月25日未明のスピカ食について、
現象として実際にこの星食を眺めるための情報を主にご紹介したいと思います。

※注:12月25日未明とは、24日クリスマスイブの深夜からの明け方です。
日付のお間違いありませんよう。


スピカが月に隠される


タイトルの絵は、東京での様子 です。
これはスピカが月から現れたとき(出現)、4:15頃のイメージです。
もし晴れていればこんな光景が拝めることでしょう。


前回8月は、だんだん沈んでいく月の暗い縁からスピカが隠され、
再び明るい縁から現れました。

今回は、どんどん昇ってくる月の明るい縁からスピカが隠され、
暗い縁から星が吐き出されるように現れます。

条件さえよければ、肉眼で観ていても、
スピカに月が近づいていき食し離れていく様子がわかると思いますが、
双眼鏡があれば、月が動いて星を隠す瞬間を注目して捉えることができますので、どうぞご用意下さい。
もちろん天体望遠鏡があればぜひ持ちだして下さい。

国立天文台ほしぞら情報より


食の起こる時刻は一覧表で、国立天文台の予報表を掲載します。

2024年12月25日スピカ食予報

この表をpdfで欲しい方は、こちら 国立天文台からダウンロードできます。

住んでいるお近くの都市を目安にしてください。
潜入時刻は、月の明るい側(下方)からスピカが隠される時刻
出現時刻は、月の暗い側(上方)からスピカが現れる時刻、です。

潜入の時は、九州以西はまだ月が昇ったばかりで高度が低いですが、
出現のときは全国的に見えやすいです。


今回のスピカ食については、国立天文台の記事がたいへんよくまとめられています。
他に説明がいらないくらいですので、どうぞこちらをご参照下さい。


ほしぞら情報2024年12月 2024年2回目のスピカ食https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/12-topics06.html


※再度:12月25日未明とは、24日クリスマスイブの深夜からの明け方です。
日付のお間違いありませんよう。


月の運行を感じる


この機会に、月の動きについてもぜひ感じていただけたらと思います。

”月は東から昇ってきて、南に高く架かり、西に沈んでいく”
天動説で観ると月の動きは確かにそうなのですが。

星空全体がそう動いていくように見える中を、
月はその流れに逆行するように西から東へと少しずつ動いています。
月は「1時間に月1個分東へ動く」と覚えておくといいでしょう。

月の出からしばらく眺めていると・・
昇ってくるのと反対に、月は逆らってもとの東へ沈もうとしているのがわかると思います。
というのは、月が下方にあるスピカにだんだん近づいていき、食となり、まただんだん離れていくのがわかるからです。


そのまま夜明けを迎えてみませんか


スピカ食が起こるのは、クリスマス未明の聖夜、
あたりが寝静まるたいへん寒い時間です。

晴れていれば星空が綺麗ですが、さらに極寒になります。

そんな中ですが、完全防備で臨み、そのまま日の出を迎えてみませんか。
夜明けの空の下に身を置くことは、ほんとうに素晴らしい体験です。

この食が終わり明け方には、めったに観ることが出来ない水星と出会うことが出来るでしょう。

水星はこの日、マイナス等級の輝きで、
夜明けの空で最大離角(最も太陽から離れる)を迎えます。

空が明るくなりはじめるころ、
日本では6時~6時30分
南東の低い空を探してみて下さい。
そこに輝く星を見つけたら、それが水星です。

有名な天文学者コペルニクスさえ、人生の中で見ることができなかったと言われているほど、出会うチャンスが少ない水星ですが、
このクリスマスの朝、晴れていれば燦然と輝きながら昇ってくる姿が見られるでしょう。



◇スピカ食に関する情報はここまでです。
この先はレイエッセンスについてさらに記しておきます◇



前の記事「時を隔てて日本の空に現れる3つの月」を要約すると、

3つの月は阿弥陀三尊の来迎の姿
2回の星食は真珠星を包み持つ両脇侍
8月10日の観音菩薩と12月25日の勢至菩薩
それは前面に向かって現象として顕れ、
そして本尊阿弥陀如来はその背後に満ちている。

そんな表現でしょうか。

スピカ食に両側を形作られ、中央に立つ10月17日の満月には、レイエッセンス【来迎】が誕生しました。

勢至菩薩について


さて、ここから先は再び前記事「真珠星と三体の月」の続きの話になります。

阿弥陀三尊の先鋒として現れた8月のスピカ食を観音菩薩と位置づけるなら、
このスピカ食は勢至菩薩の月となります。

勢至菩薩は、阿弥陀三尊の脇侍として以外、単身で仏像として祀られることはほとんどありません。
大衆に広く知られる観音菩薩と対称的に、あまりなじみのない菩薩です。

ただ、昔全国的に行われていた二十三夜の月待のシンボルとして、あちこちに建てられた二十三夜塔には、勢至菩薩が刻まれていることが多く、当時は月の仏としてよく知られていたのだと思います。

五里ヶ峰山頂より現れた二十三夜の月出(姨捨山にて)


阿弥陀三尊としてこのスピカ食を見てきた背景の一つには、熊野に伝わる二十三夜の「三体の月」伝説がありました。

その昔、熊野の神は三体の月の形で降臨したという伝説。
そして「旧暦十一月二十三日の月は三体の月となって現れる」という伝説です。

このスピカ食前夜の月がこの「三体の月」の二十三夜。
旧暦十一月二十三日、勢至菩薩として拝まれてきた月です。

これまで二十三夜には不思議な関わりがあります。

2015年、この月の出に、月の名所である姥捨山でそれを眺め
レイエッセンス【優しき龍の広背】を受け取りました。
上の写真はそのときに昇った月です。

そして2016年、ジャワ島にある世界最大の仏教遺跡ボロブドゥールでレイエッセンス【自在】を受け取ったとき。
冬至に真東から昇った十一月二十三夜の月とともにそれは生まれたのです。

日の出と同時に南中する二十三夜月(ボロブトゥールにて/冬至)

また、阿弥陀如来の来迎に遭遇した戸隠山、レイエッセンス【そうなんだ】では、はじめて勢至菩薩を感じたこんなエピソードがあります。


勢至菩薩との出会いから


後に【美しき龍の鼓動】と名付けられた創世シリーズ最初のエッセンスがあるのですが、それは夏のある日黒姫山火口の底にて、「11月11日にもう一度ここにきてエッセンスを受け取る」ことがわかりました。
下山すると、さらに「その前に9月9日に戸隠山でエッセンスを受け取る」こともやってきました。

そして9月9日中秋の名月が沈み行く早朝。
まだ暗い内に戸隠山へ向かいました。

龍の背のように連なる戸隠連峰の最奥には,ひときわ高く聳える高妻山があります。
険しい岩肌の斜面を登り、連なる稜線を歩いてその麓までやってきたとき、目の前の急登を前にして一瞬心が迷ったことがあります。

レイエッセンスはどこでどんなふうに受け取るのか、そのときその場所にならないと大抵わからないものですが、その途上では「ここかな?いやあそこかな?」といろいろな考えがうかんで来ます。

その高妻山の麓には、勢至菩薩の小さな祠がありました。
戸隠山は登拝参道に沿って、十三の仏が、一番不動明王から十三番虚空蔵菩薩まで順番に置かれているのですが、その九番目が勢至菩薩でした。

なぜ迷ったかというと。

その日は、9月9日でした。
そしてそこに着いたのは、9時9分。
なんとそこには9番目の仏である勢至菩薩がいらっしゃったのです。

サインはすべて揃っていて、
ここがエッセンスを受け取る場所であると考えるには証拠充分でした。

第九番・勢至菩薩の祠と、その奥に聳える高妻山

でも、全くここではないのです。
どうやっても落ち着かないのです。
身体はもう、目の前に聳える高妻へ、未知の世界へその先どこまでも行きたいのです。
一度そこにボトルを置いてみても、
「さあこの先に行きなさい」としか思えないのです。

止まらず行けと送り出されて、急登を昇っていきました。

そして勢至菩薩が導いたその先には。
考えてもいなかった、驚くべき阿弥陀如来との出会いが待っていたのです。

第十番・阿弥陀如来の祠
この岩の割れ目の奥深くでエッセンスが誕生しました

ここでも、阿弥陀如来の脇侍として導いてもらったのでしょうか。
自我の言うことには一切聞くことをやめ、その後起こってくるすべてのトラブルを「大丈夫」と見抜いたときに、それは現れました。

突然の来迎

先の記事にも書きましたが、このとき2度目の阿弥陀如来の来迎でした。
こうしてレイエッセンス【そうなんだ】が生まれたのです。

勢至菩薩は「『観無量寿経』の中には「知恵を持って遍く一切を照らし、三途を離れしめて、無上の力を得せしむ故、大勢至と名づく」とあり、火途・血途・刀途の三途、迷いと戦いの世界の苦しみから知恵を持って救い、その亡者を仏道に引き入れ、正しい行いをさせる菩薩」と紹介されています。

脇侍として立つ姿は、宝冠の額に水瓶(聖水の入ったビン)をいただいています。
あの高妻山の麓で。
この水瓶をもってさらに高嶺に昇る力強い導きをいただき、そして帰りには、このエッセンスをいただき里へ下りよと送り出された。
今あらためてそう感じています。


スピカ食のアクシスアライメント


8月10日のスピカ食、そして10月17日の満月に引き続き、今回12月24日夜に「スピカ食のアクシスアライメント」空響禅を行います。

写真は先鋒となった脇侍・観音菩薩が手に包み込む真珠の箱。

観音菩薩が包む真珠星、8月10日の月

そして三尊の最後に現れる勢至菩薩の月、
このクリスマス未明に起こる星食に、ご一緒に意識をあわせてみませんか?

ご案内はこちらです。


レイプロジェクト唯我

いいなと思ったら応援しよう!