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5月5日夜、満月が地球の影をグレージング

地球の本影をかすめていく満月


前回の記事は、
4月20日の新月は金環皆既日食で、その限界線が通る日本の空では、月が太陽をかすめていくグレージング(接食)となる、というお話でした。

その新月が満ちるこの 5月5日夜の満月は、ブッダの生誕・覚醒・入滅にまつわるとされる祝賀のウエサクの満月になります。

そしてこの、今年のウエサク満月は 半影月食 となります。

半影月食とは、月が完全な地球の影(本影)に入るのではなく、
地球によって部分的に太陽光が遮られるにとどまるので、
月の様子を眺めていても現象には気づかないでしょう。

半影月食は、月が 欠けない ので、
通常はいわゆる月食として扱われません。

ただ今回の半影月食は特別で、

本影にかかるか、かからないか、
つまり月食になるか、ならないか
そのぎりぎりの境目を行く、
これもまた限界線上の現象といえるのです。

前回の用語を使えば、月が地球の影をグレージングするのです。

先月の"接食"は、新月がシルエットで人知れず太陽の真横を通過していきました。
そして今度は煌々と輝く満月が、地球の影の真下をかすめて通過していきます。

先の新月には、月と太陽が「真横」左右に並び立ちましたが、
この満月には、月と地球(本影)が「真下」上下に並び立つことになります。

この月回り、日本の空では、新月と満月が対となって現象が現れています。
先の新月には 「日食になるかならないか」 の境界ぎりぎりの線上を
そしてこの満月は 「月食になるかならないか」 の境界ぎりぎりの線上を
月がまさに通り抜けていくという
たいへん希有な月回りです。


※半影食の予報時刻は後ろに掲載いたします。


半影とは?本影とは?


月食の時に使われる用語「半影」「本影」とはなんでしょうか。

この解説記事はよく見かけますので、わかりやすい記事を見つけるのがおすすめです。


ここでは半影・本影について
「月食というものを、月から見た様子」
で考えてみます。

地球から見る「月食」は、月から見ると、
太陽が地球に隠される「日食」となります。

そこで、
自分が月面に立っているイメージをしてみてください。。。

太陽に比べ、地球は圧倒的に大きく見えます。
今、見上げる宇宙空間に、地球が太陽を隠そうとしています。

地球が太陽の一部分だけを隠しているとき、
今立っているところは「半影」にいます。

地球が太陽を完全に飲み込んだとき、
今立っている月面の場所は「本影」に入っています。

この、月から見た様子のシミュレーション動画を、後ほど掲載します。


本影の真下をかすめていく月


再び地球上から見る視点に戻ってみます。

空を見上げると、満月が光っています。

そしてすぐ近くには、宇宙空間に投影された「地球の本影」
その所在は普段わかりませんが、
このエリアに満月が入ると、月は突然暗くなります。
この本影に入ったときにはじめて 月食 として月が欠けて見えるわけです。

そんな「宇宙の穴」のような丸い影が人知れず存在しています。
地球自らの影です。

今回、その穴の縁を、満月がすり抜けていきます。

地球の縁には厚い大気があるため、
地球の影の縁もかなりぼんやりとしているはずで、
今回穴をかすめていく月の部分も、やや暗くなると思われます。

これが今回、満月が地球の影をグレージングする様子です。

先の新月には、月と太陽が「真横」左右に並び立ちましたが、
この満月には、月と地球(本影)が「真下」上下に並び立ちます。

これらは日本の空での見え方になります。


地球から見たイメージ動画


東京での見え方をシミュレーションしてみました。
見やすくするために、月を画面中央に固定しています。
やや細い線で描かれていますが、同心円の内側の線が、月食の”穴” 本影です。

※流れ星は演出だと思って下さい。
朝方ピークを迎える みずがめ座η流星群の活動時期です。
※月を固定しているので、地球の影も背景の恒星も位置関係が変わっていきます。
影の円左上にある光点は、てんびん座α星です。


月面から見たイメージ動画


この食を、月から眺めたらどのように見えるでしょうか。

そのシミュレーションがこの動画です。

月の北の端(北極)に立って、地平線のすぐ上の地球と太陽を見ている様子です。


月食ということは、月から見ると
太陽と地球が重なる"日食"がおこるわけですが、
その様子、光景は、地球上から見る日食とかなり違うでしょう。

地球上の日食では、月は重なったときだけシルエットで見えますが、
大気のない月から見る"日食"では、地球は柔らかく光っているのでしょう。

月が自らの反射光をフルに送って地球を照らしている。
つまりその夜、地球は満月の明かりで満ちています。

大気の無い月面からは、そんな地球を眺めることができるでしょう。

満月の明かりは、曇っていても晴れていても、
地球の夜の面を遍く照らしています。


半影月食とその予報時刻


月食は、月面に起こる現象なので、
地上の場所によってその時刻が違うことはありません。

今回の半影月食の予報時刻(日本時間)は以下のとおりです。

<5月5日の夜>

※深夜を超えて起こりますので、日付は5月6日になります。

半影食の開始 00:14
食の最大 02:23
半影食の終わり 04:32

実際その時刻に、目に見える顕著な現象はありません。
半影食は、満月が普段よりごくわずかにトーンダウンする程度で、
そのまま満月です。

ただ今回、グレージングする食の最大前後には。
本影に触れた部分(月の上側)の縁が、
擦れたように暗くなるのがわかるかもしれません。



この同じ月回りに起こった、先の日食のグレージングについて、
どうぞ前記事もご覧下さい。


ウエサク満月の空響禅


ウエサク満月には、どうしても呼びかけたくなる
平和と祝賀の気持ちが静かに溢れてきます。

仏陀の誕生、覚醒、入滅が すべてこの日であったといわれるウエサクの満月。
ヒマラヤのウエサク谷ではこの満月に宗派を越えて祭りが行われ、
そしてさらに世界各地でも一なる祝賀の祭典として広がり、
現在では国連でもあらゆる垣根を越えた平和の祭典としてウェーサクの日が制定されています。

この機会にあわせて行われる遠隔一斉瞑想セッションをご紹介します。

THE FOOL 主催の「空響禅」
当日5日の夜までお申し込みできます。
どうぞ皆様参加下さい。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

<ウエサク満月の「空響禅」>

このウエサク満月を迎える夜に。

どこにいても、どんなスタイルでも参加できる、遠隔瞑想セッション「空響禅」が開催されます。

今回、初めての方のために、事前にオンラインで説明&ギャザリングが開かれますが、
そのとき私からもこのお話と、それからウエサク満月に生まれたレイエッセンスの中から

「豊かなる龍の満月」

をオンラインでミニワークいたします。


空響禅は、THE FOOL スリス安樹子が奏ずるスティルネスサウンドの元、セッションの時間に各自ご自分の場所で「“今”の響き」に意識を向けます。

聴こえないクリスタルボウルの音・響きに意識を合わせ、
奥深く“一つの場”の振動を感じていきます。

自分を超えた大いなる自己との共鳴を誘う場がそこに生まれています。

奏者は演奏前に参加者の名前を読み上げ、参加者の意識を一つにし“今”の響きを奏でます。

その時間どこで何をしていても、その状況の中でご参加いただけます。

クリスタルボウルの"音"は聴こえなくても、その振動は確実にあなたの空間に響いています。

詳細はこちらTHE FOOLのページをご覧下さい。




本記事に使用した天文シミュレーションソフトは「ステラナビゲーター12」です。






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