CoCオリジナルシナリオ『知りえるモノのミカタ』

 0. 目次



  1.基本情報

   2.ハンドアウト

   3.事前確認事項

    3.1.導入

    3.2.あらすじ

    3.3.探索場所(洞窟)について

    3.4.KPを行うにあたって

   4.シナリオ本編

    4.1.PC1の洞窟

    4.2.PC2の洞窟

    4.3.PC3の洞窟

    4.4.PC4の洞窟

    4.5.広い空間

     4.5.1.分岐A

     4.5.2.分岐B

    4.6.最奥の洞窟

    4.7.エンディング

     4.7.1.TureEND

     4.7.2.ExcellentEND

     4.7.3.BadEND

     4.7.4.クリア報酬

   5.データ一覧

    5.1.変動SAN値

    5.2.モンスターデータ

    5.3.各洞窟の描写

    5.4.Artifacts

    5.5.羊皮紙の内容の解説




 1.基本情報

プレイヤー人数:4人

プレイ時間:6時間~

難易度:★★★★☆

シナリオ種類:クローズド

推奨技能:<目星>,<聞き耳>

特記事項:ハンドアウトあり,PLが疑心暗鬼に陥る可能性あり(精神摩耗にご注意ください)




 2.ハンドアウト


・PC1 {推奨:CoC経験者}

「貴方は何かを知る事となる。情報は命である。

また、貴方は得たものを有効に活用すべきかもしれない。」


・PC2 {推奨:高SAN値者}

「貴方は何かを得る事となる。言葉は力である。

また、貴方は他者を気遣う気遣うべきかもしれない。」


・PC3

「貴方は何かに目を付けられる事となる。願いは力である。

また、貴方は注意深く選択すべきかもしれない。」


・PC4

「貴方は何かを持つ事となる。光は命である。

また、貴方は他者の力も借りるべきかもしれない。」




 3.事前確認事項



 3.1.導入

探索者たちが、それぞれ自分たちの生活をしていると、突如周囲が闇に覆われる。

何も見えず、何も聞こえず、何も匂わず、何にも触れておらず。

床すらない事に気づいてしまうと、落下する感覚に襲われる。

時間の分からない中、ひたすら落ちる感覚だけを味わう探索者は、いつしか意識を手放してしまう。

意識を取り戻した探索者たちが目を覚ますと、そこは薄暗い洞窟であった。

見たことのない場所で倒れていた探索者たち。

元の生活に戻ることはできるのだろうか。



 3.2.あらすじ

探索者たちが目を覚ました場所は、ニョグタのいる地下深くの洞窟である。地上に向けて進んでいるニョグタに対し、それを人間が阻止できるかどうかを試すため、ニャルラトホテプが探索者たちを洞窟へと飛ばしてきた。

この洞窟には地上への出口がない。ほぼ密閉された空間である。

ニャルラトホテプの遊び心で閉じ込められた探索者たちは、無事に地上へ帰ることができるのだろうか。



 3.3. 探索場所(洞窟)について

・地下深くに位置するため、電波を必要とするものは使えない。携帯などは明かりになるだろう。

・洞窟内は明るくはないが、周囲を窺ったり文字を読んだりするのに支障が出るほどの暗さでもない。

・もし<地質学>に成功したら、洞窟が地下数キロ~数十キロの位置にある事が分かるかもしれない。

・少し蒸し暑さを感じるかもしれないが、気にするほどでもない。



 3.4.

・必ず「戦闘は行わないべき」である事を伝えなければいけないでしょう。

・シナリオ序盤、個別に得る情報が多いです。これらはそれぞれに対しテキストとして送るべきかもしれません。

・{}内に示されているモノは、KPに対する補足説明となります。

・繰り返すこととなりますが、このシナリオは序盤において個別に与えなければならない情報が多く存在します。よってKPの処理や情報管理が大変であり、またPLの待ち時間を作ってしまう恐れがあります。事前に、KPはすぐに情報を渡せる準備をした方が良いでしょう。

・5.にデータを纏めております。SAN減少値やモンスターデータはそちらをご参照ください。




 4.シナリオ本編


[全員に対する描写]

貴方は目を覚ました。地面にそのまま横たわっているためか、背中が痛む。

薄暗い周囲からは生物の気配がせず、いま目に映るのは岩でできた天井だけだ。

そこは、探索者の記憶にない場所であった。

突然意識を失った探索者は不安や恐怖を感じるかもしれない。SAN値チェック、減少値は成功で0/失敗で1。


[探索]

起き上がると、周囲に誰もいないことが分かる。

また、自分が横たわっていた場所が薄暗い洞窟であることも分かるだろう。

{文字を読める程度の明るさはあります。光源は見当たりません。}

洞窟の広さは十畳ほどであり、高さは3mほどだ。

洞窟は全部岩(石)でできている。砕くことは可能だが、掘っても何もない。

腕時計や携帯で時間を確認しても、意識を失ってから数分しか経っていない。

{洞窟が地下深くに位置するため、通信機器は使用できません。}

{初め、探索者はそれぞれ別の場所にいます。以下4.内の[描写]や[探索]で得られる情報は個別にチャット等でお送りする方がよいかもしれません。}



 4.1.PC1の洞窟


[描写]

貴方の左側には、羊皮紙の束が落ちている。

貴方の前方には、床に人が一人通れるほどの穴が開いていることが分かる。


[探索]

●左側の羊皮紙の束

黄土色の羊皮紙の束。黒字で何かが書かれている。

これは紐により四枚綴りになっていて、離すことができない。

紐を切ったり外そうとしたりしても、自動失敗となる。

紙束に書かれている文字は、探索者たちの知らない文字である。

しかし、内容を理解する事が可能だ。

{以下は羊皮紙の束の内容となります。}

・一枚目

内容:

「神は歯向かう者を知っている

彼らがどれほど愚かであるか

神は崇拝する者を知っている

彼らがどれほど素晴らしいか

神に血肉を捧げよ

さすれば神は褒美を授ける

離れたければ伝えるべし

神はそれに応じるだろう」

・二枚目

内容:

「彼は偉大なり

彼は全てを滅ぼせる

彼は弱小なり

彼を言葉で滅ぼそう

絞りつくして 追い払え」

・三枚目

内容:

「石の目を持て

正気を失う者あれば

それは必ず役に立つ

目を合わせ 元に戻せ

石の目は 正気の者に 牙をむく」

・四枚目

内容:

「これらを誰にも伝えるな

この目は全てを見通せる

他の者に伝えるならば

石の加護は受けられぬ」

{三,四枚目にある石はPC4の元にある深緑色の石です。深緑色の石については、『4.4 ●深緑色の石』を確認してください。}

{この羊皮紙の束を二人以上の探索者が読んだ場合、または最初にこの羊皮紙の束を読んだ探索者が他者に一部でも内容を伝えた場合、内容を共有することはできますが深緑色の石の効力は失われます。}

●前方の穴

覗くと、6mほど下に地面がある事が分かる。

飛び降りると、少し広い空間に出る。

普通に飛び降りるならば、2d3のダメージが入る。<跳躍>に成功するとダメージはない。

{少し広い空間とは、4.5.で書かれているものです。PC1が降り立ったタイミングを、他の探索者たちと同じにしてもよいかもしれません。}



4.2.PC2の洞窟


[描写]

貴方の首には、首飾りがかかっている。

貴方の手には、羊皮紙が一枚握られている。

貴方の左側には、羊皮紙の束が落ちている。

貴方の前方には、床に人が一人通れるほどの穴が開いていることが分かる。


[探索]

●首飾り

細い紐に、黒い丸い石が一つ通されているだけの、簡素な代物。

{探索者たちは、見覚えがない。}

首から外すことは可能だが、外した時に嫌な予感がする。これを首にかけておかないと、自身にとって非常に危険な状態に陥るのではないか、という予感がする。この予感により不安を覚えたPC2はSAN値チェック、減少値は成功で0/失敗で1。

{首飾りについては事項で説明します。}

●手の中の羊皮紙

灰色の羊皮紙。黒い文字で何かが書かれている。

羊皮紙に書かれている文字は、探索者たちの知らない文字である。

しかし、内容を理解する事が可能だ。

{これは探索者たち全員が理解できます。}

内容:

「貴方を救う首飾り

恐れるものは何もない

世の理に触れたとしても

歩みが止まることはない

貴方の側から離れると

それは悲しみ砕け去る」

→これは首飾りに関する記述である。首飾りを首にかけている探索者は、SAN値がどれだけ減っても一時的狂気にも不定の狂気にも陥らない。ただただSAN値が減るだけである。

不定の狂気に陥る値は、シナリオ開始時から変動しません。

{よって、SAN値がシナリオ開始時から五分の一以上減った状態で首飾りの効果が無くなると、その場で不定の狂気が発症します。}

{PC2が一度でも外したら、石は粉々になり効果は無くなります。}

●左側の羊皮紙の束

薄紅色の羊皮紙の束。黒字で何かが書かれている。

これは紐により二枚綴りになっていて、離すことができない。

紐を切ったり外そうとしたりしても、自動失敗となる。

・一枚目

紙束に書かれている文字は、探索者たちの知らないものである。

何かが書かれているが、PC2は読むことが出来ない。

しかし、目を通してしまうと、激しい頭痛と共に血肉をかき乱される感覚を覚える。SAN値チェック、減少値は成功で1d6/失敗で1d10。

{PC2以外の探索者は、読めないというだけです。}

頭痛が収まった後、PC2は何かを得たことに気づく。

それは声に出すことが可能である。

{PC2に対し、「一枚目を読んだ貴方は、声に出すことのできる何かを得た」という事を伝えてください。PC2が、何か(<ニョグタの退散>)を声に出そうとするならば、以下のことが起こります。)}

声に出してみるならば、それは自身が知っている言語とは異なっていて、また自身の口から発しているとは思えないほどおどろおどろしいものだと分かる。このような現象を目に怖気を感じたPC2はSAN値チェック、成功で1d4/失敗で1d8。

他の探索者がこれを聞いてしまうとSAN値チェック、減少値は成功で1d3/失敗で1d6。耳を閉じていれば聞こえない。

{探索者たちがこれに慣れることはないため、複数回同じことをしても減少値が変動することはありません。}

→<ニョグタの退散>の呪文を入手。だがPC2は、これが<ニョグタの退散>である事は分からない。

{正しい詠唱方法を行わない場合、<ニョグタの退散>の詠唱時に上記のSAN値チェックが発生します。}

{正しい詠唱方法とは、「洞窟内にニョグタがいて、かつMPが30以上注がれた杖を持った状態で<ニョグタの退散>を詠唱する」です。この場合は、SAN値チェックではなくSAN値消失が発生します。これについての詳細は次項。}

・二枚目

内容を読もうとすると、使われている文字が見たこともないものである事が分かる。

しかし、なぜか読むことが可能である。

内容:

「お前の得た言葉

神の嫌う言葉

杖を掲げ

言葉を紡げ

全ての心を削りつつ」

→<ニョグタの退散>の正しい詠唱方法についての記述。

『神(ニョグタ)と遭遇する前に、MPが30以上注入された黄金の杖を掲げつつPC2が<ニョグタの退散>を詠唱する』とSAN値消失1d10、『神(ニョグタ)と遭遇した後に、MPが30以上注入された黄金の杖を掲げつつPC2が<ニョグタの退散>を詠唱する』とSAN値消失1d20。これら二つが、正しい詠唱方法である。

正しい詠唱方法をPC2が行うと、他の探索者に体調の異変が起きる。脳内に直接その文言が響き、激しい頭痛に襲われる。これにより発生するSAN値チェック、減少値は成功で1d4/失敗で1d8。

●前方の穴

覗くと、6mほど下に地面がある事が分かる。

飛び降りると、少し広い空間に出る。

普通に飛び降りるならば、2d3のダメージが入る。<跳躍>に成功するとダメージはない。

{少し広い空間とは、4.5.で書かれているものです。PC1が降り立ったタイミングを、他の探索者たちと同じにしてもよいかもしれません。}



 4.3 PC3の洞窟


[描写]

貴方の左側には、羊皮紙が落ちている。

貴方の後方には、大きな黒い箱があり中からうめき声が聞こえる。

貴方の前方には、数十mの道がありどこかに続いている。


[探索]

●左側の羊皮紙

灰色の羊皮紙。黒字で何かが書かれている。

内容を読もうとすると、使われている文字が見たこともないものである事が分かる。

しかし、PC3はなぜか読むことが可能である。

{PC3以外の探索者は、これを読むことができない。}

内容:

「陣の上に供物を

供物には箱を

陣に向かい祈りを

そして欲しい方を伝えよ

お前にだけは教えよう 他の者には教えない

これらを他者に教えるならば その代償は死しかない

忠誠の印を刻む」

これを読んだあと、PC3の左手の甲に痛みが走る。確認すると、赤く光るローマ数字のⅢが刻まれている。痛みによりHPが1減少する。

手の甲の数字は、他者に皮用紙の内容を伝えようとする度に減る。よって、PC3はこの情報を伝える前に、KPに対し羊皮紙の内容を伝えようと思うとの宣言が必要となる。宣言をしたタイミングで手の甲の数字は減る。

{基本的に、羊皮紙の内容を他の探索者に伝えることはできない。伝えることが出来るのは、手の甲のローマ数字が消えてからだ。}

Ⅰの状態でもまだ伝えようとするなら・・・。

{『・赤く光るローマ数字』の項目を参照してください。}

●大きな黒い箱

2m四方の立方体の箱である。

金属でできていて、触るとひんやりしている。

<目星>に成功すると、箱の底にタイヤが付いていること,スライドさせられる小窓が付いていること,箱の前側に太い紐が付いていること,箱の後側に大きくローマ数字のⅢが赤く光った字で書かれていること、

が分かる。

{紐と数字は<目星>なしでも分かって良いです。}

・タイヤ

これのお蔭で、簡単に箱を引いていけるだろう。

・太い紐

切れない、ちぎれない、燃えない。1mくらいの長さがある。これを使えば、押さなくても箱をスムーズに持ち歩ける。

・小窓

スライドすることができ、そこから中を覗く事が可能だ。小窓を開けると、格子がはまっているのが分かる。また中から悪臭(腐臭)がする。

中を覗くと、暗い箱の中で、包帯で巻かれた肉の腐った、生きているのがおかしいとしか思えない人間のようなものたちと目が合う。余りのおぞましさに探索者はSAN値チェック、減少値は成功で1d2/失敗で1d4。

中を明りで照らしながらこれらを見てしまった場合、SAN値チェックの減少値は変動する、成功で1d6/失敗で1d12。

→<オカルト>に成功すると、それらはミイラである事が分かる。

ミイラは計4体いる。これらはニョグタに捧げる供物だ。

ニョグタがいる洞窟に描かれた魔法陣の上に箱ごと置くと、ニョグタがこれらを捕食し、PC3の望みを聞き入れる。

{正確には、PC3の望みを聞き入れるのではなく、PC3に<ニョグタの招来>を与えるかニョグタが<門の創造>を使用するかのどちらかを選択させます。}

・赤く光るローマ数字

左手の手の甲の数字と連動している。最初はⅢ、PC3が宣言するたびに減少する。

{宣言とは、PC3がKPに対して行う、「灰色の羊皮紙に書かれた内容を他者に話す」というものです。KPはPC3から宣言がある度、ローマ数字を減少させてください。PC3は、必ず宣言をしてください。宣言をしなかった場合、KPはローマ数字を一気に2減少させて構いません。}

Ⅰの状態で宣言すると、箱は砂状になり崩れ落ちる。中にいた4体のミイラが解放される。解放されたミイラを目の当たりにするとSAN値チェック、1d6/1d12。

{すでに小窓から中を覗いていた探索者がいる場合、その探索者のみSAN値チェックの減少値は変動、成功で1d4/1d8。また、明りを使用し中を覗いた探索者がいる場合、その探索者のみSAN値チェックは行いません。}

{解放されたミイラ4体は、探索者たちを襲います。もしニョグタの目の前で解放されると、ミイラは探索者を襲い、ニョグタはミイラと探索者を襲います。}

●前方の道

数十m先にある少し広い空間につながっている。道の幅は広いため、箱も余裕で通る。

{少し広い空間とは4.5.で描写される空間のことです。空間に着いたタイミングで他の探索者たちとちょうど遭遇できるように調整してもいいかもしれません。}



 4.4 PC4の洞窟


[描写]

貴方の左側には、杖と水色の石と深緑色の石があり、その横に羊皮紙の束が落ちている。

貴方の前方には、床に人一人通れるくらいの穴が開いている。


[探索]

●杖

上側に小さな器上の突起の付いた30㎝ほどの黄金の杖。

<アイデア>に成功すると、ちょうど杖の上に石を置けそうだと思う。

杖が折れることは基本的にない。

{MP貯蔵器。限度はない。上に宝玉に乗せた状態で、宝玉に手を当てて任意の数字を言うと、その分のMPが宝玉に貯まる。また、杖の部分を握った状態で任意の数字を言うと、その分のMPが体内に流れてくる。ただしこれは貯蔵されたMP以上は流れてこない。MPが30以上貯蔵されると、宝玉が青白く輝く。}

{MPが30以上貯まっている状態での、杖の使用法については次項を確認。}

●水色の石

水色の完全な球体の石である。

これは宝玉であり、杖の上にある状態でないと使えない。

宝玉は基本的に割れない。

しかし、誰かが触れるたびにMPを1ずつ奪っていく。

{PLには「身体から何かが抜けていく感覚がする」と伝えた方が良いだろう。}

奪ったMPは宝玉に貯められる。このMPは、PCに戻る事はない。呪文を唱える時にこれらのMPも使用可。

●深緑色の石

深緑色の完全な球体の石である。石に外周半分のみ一本の黒い線が入っている。

{この状態の石を見ても、探索者には何の変化も訪れない。}

<知識>に成功すると、蒼瑪瑙だと思うだろう。

<地質学>に成功すると、蒼瑪瑙に似ているが、こんな鉱石は地球上に存在しないことが分かる。

この石はPC1の手に渡るまで何も起こらない。

PC1がこの石を持った直後、石に変化がある。

一本線だったものが分かれていき(開き)、黒い線で描かれた目のような模様が現れる。

{狂気に陥ってない探索者がこの石と目を合わす場合、以下の処理を行ってください。}

{この処理は平常な探索者が石を見る(目を合わす)度に行われます。}

探索者が目のような模様が描かれた石を見ると、それと目が合ったと錯覚する。脳の奥を見られた気がした。悪夢を見せられた気がした。身体を何者かに鷲掴みにされた気がした。これらを感じてしまった探索者はSAN値チェック、減少値は成功で1/失敗で1d3。

{SAN減少値について、『・左側の羊皮紙の束』の項目をご確認ください。}

{狂気に陥った探索者がこの石と目を合わす場合、以下の処理を行ってください。}

狂気にかられた探索者はその石に描かれた模様を見て、怖気を感じるのではなく安心感を覚えてしまう。気が付けば自信を襲っていた狂気は無くなっていた。

{深緑色の石は、正常な者を狂気にさせ、狂気に陥ったものを正常にさせる、という代物です。ただし効果のある狂気は、一時的狂気のみです。不定の狂気には作用しません。正常に戻すために深緑色の石が使用された場合、発症している一時的狂気は治まります。}

{PC1が狂気に陥った場合、PC1自身が石と目を合わせる猶予を与えましょう。そうするとPC1の狂気も治まります。}

{もし探索者たちが深緑色の石の使用法が全く分からず有効活用できていない場合、<アイデア>成功で教えるのも致し方ないかもしれない。}

●左側の羊皮紙の束

薄緑色の羊皮紙の束。黒い文字で何かが書かれている。

内容を読もうとすると、使われている文字は見たこともないものである事が分かる。

しかし、PC4はなぜか読むことが可能である。

{PC4以外は読むことができない。}

 ・一枚目

内容:

「杖の上に宝玉を乗せ

神に仇なすものとせよ

宝玉に手を当て数字を言え それだけ魂が削られる

杖を掲げて数字を言え それだけ魂を増やせられる

魂の欠片を30集めよ

それで宝玉は輝く」

→宝玉にMPが30以上ある状態(宝玉が輝いている状態)で、杖を掲げて<ニョグタの退散>の呪文を詠唱すると、ニョグタを地下に戻すことが可能。

これが正しい詠唱方法となる。

このようにして<ニョグタの退散>を使用する時、術者はSAN値を消費する。ニョグタを見る前に詠唱すると1d10、ニョグタを見た後に詠唱すると2d10。また、詠唱には宝玉内のMPを30必要とするため、詠唱成功後宝玉の輝きもなくなる。

・二枚目

内容:

「石を知るものに石を渡せ

石を知らぬものに石を見せるな

これを誰にも伝えるな

石は更なる狂気を与える」

→石の目に関する記述。PC4がPC1に深緑色の石を手渡す前に、他の探索者がそれを見てしまうと、石の目のデメリットで発生するSAN値チェックの減少値が変動する。成功で2/失敗で2d3。二枚目の内容をPC2やPC4に伝えても同様のことが起こる。

{PC4がPC1に深緑色の石をこっそり渡そうとする時に、PC2やPC3が<目星>を使用して見てしまってもいいかもしれません。}

●前方の床の穴

覗くと、6mほど下に地面がある事が分かる。

飛び降りると、少し広い空間に出る。

普通に飛び降りるならば、2d3のダメージが入る。<跳躍>に成功するとダメージはない。

{少し広い空間とは、4.5.で書かれているものです。PC1が降り立ったタイミングを、他の探索者たちと同じにしてもよいかもしれません。}



 4.5 少し広い空間


[描写]

探索者たちが落ちてきた、もしくはやって来た少し広い空間は30畳の部屋ほどの大きさがある。これは全て石でできている。

見渡してみると、天井に3つの穴,後方に数十mの道,前方に数十mの下り坂、がある。

これ以外には何もない。


[探索]

●天井の3つの穴

PC1,PC2,PC4が落ちてきた穴である。

●後方の道

PC3が通って来た道。

●前方の下り坂

先が全然見えない。数十m、いや数百mと続いているのだろう。

→先に進むと、ニョグタの洞窟がある。


[選択]

 4.5.1. 分岐A

この空間には目ぼしいものが何もないため、そのまま進むこととなる。探索者一行は下り坂を降りて行く。

{この空間で<ニョグタの退散>の正しい詠唱をせずに下り坂を進んだ時、4.6.1.に進んでください。}

 4.5.2. 分岐B

{それぞれの個別情報から、探索者たちがこの空間で<ニョグタの退散>を詠唱する可能性があります。その時の描写を下に記します。}

宝玉にMPを30貯めたのちPC1が杖を掲げて<ニョグタの退散>を詠唱する。この時PC1には1d10のSAN値消失が発生する。他の探索者たちは横で呪文を唱えられている事により、脳内に直接その文言が響き、激しい頭痛に襲われる。これによりPC2以外にはSAN値チェックが発生、減少値は成功で1d4/失敗で1d8。

このような行動をした後に、洞窟自体には何も変化は感じないように見えるだろう。

{この時点で、ニョグタの洞窟からニョグタは退散しています。}

PC1は1d10のSAN値消失により青ざめているだろう。

また、杖の上の宝玉の輝きも失われている。

→もしまた宝玉にMPを30以上貯めて、正しい手順で<ニョグタの退散>を詠唱しようとしても、ニョグタは洞窟内にはもういないので、PC1のSAN値チェック、1d4/1d8が発生するだけだ。

{この状態でニョグタの洞窟に行く時、4.6.2.へ進んでください。}



 4.6ニョグタの洞窟


[描写]

この洞窟に通じる道は、自分たちが通って来た坂道しかなく、ここが行き止まりであることが分かる。

この洞窟も先ほどの空間と同じほどの広さがある。洞窟全体に大小様々な大きさの穴がたくさん開いている。部屋の真ん中には赤い魔法陣が描かれている。



4.6.1 ニョグタのいる洞窟


{ここに来るまでにニョグタを退散させることが出来なかった場合に、以下の描写がされる。}


 [描写]

探索者たちが洞窟に入ると、微かに臭いがする。少し気になるが、体調に異変が起こるほどでもない。

探索者たちがやって来てすぐに、複数の穴からそれは現れてきた。

それは真っ黒い触手だ。いや、ゼラチン状に見える表面から、黒い小さな指を大量にまとっているそれを触手と言うことはできるのだろうか。

ずるりと穴から現れたそれは、黒っぽい玉蟲色の身体を波打つようにしている。

まだ距離はあるのにむせかえるような悪臭がこちらまで漂ってくる。吐き気を催すような臭いが洞窟に充満し、液体とも固体とも言えないその塊どもは穴から出てくるのを止めない。

吐き気を催すような悪臭にさらされ、未だに洞窟に入ってくるのを止めない液体とも固体とも判別できない複数の黒っぽい触手の様な物を見た探索者たちはSAN値チェック、1d6/1d20。

触手は最大で4つ穴から身体をのぞかせている。

→探索者たちがニョグタとの戦闘ラウンドに入ってしまったときは、触手4つvs探索者4人となります。

{ニョグタのステータス及び戦闘処理については5.1.を参照}

{ここで探索者が全滅した場合は、4.7.2.に進んでください。}

探索者たちが、ミイラが入っている黒い大きな箱を持っている間、ニョグタから攻撃をしかけてくることはない。


 [探索]

●洞窟内のたくさんの穴

どこからでも触手は現れる。もし探索者が不用心にも穴をのぞき込むなら、触手はそこから攻撃を繰り出す。<回避>可能。喰らうと1d10のダメージ。攻撃後、触手は穴へと戻っていく。

●赤い魔法陣

一種の祭壇の様な物。

この上に黒い大きな箱を置いておくと、天井から多数の触手がはい出てきて、箱をつぶしミイラたちを絡めとり穴の中へと戻っていく。

{この時に探索者たちは一瞬ミイラを見てしまう可能性がありますが、SAN値チェックはありません。}

その後PC3の脳内に直接何かが呼びかける。

「力が欲しいか

命が惜しいか」

→PC3が「力が欲しい」と答えると、彼にのみ<ニョグタの招来>の正しい詠唱方法が与えられる。PC3が「命が惜しい」と答えると、ニョグタが<門の創造>を使用する。

{<ニョグタの招来>の詠唱方法は、<ニョグタの退散>と同じ。}

{ニョグタが<門の創造>を使用すると、前方の壁に赤い鳥居の様な物が描かれる。その中心部は岩の壁であるにも関わらず波打っている。詳細は次項}

→もし触手が黒い箱をつぶしている間に、探索者たちが攻撃しようとすると、ニョグタはミイラの捕食を止めて探索者たちに攻撃を仕掛ける。戦闘ラウンドとなる。またこの時、ミイラ4体も探索者たちに襲い掛かってくる。

{このようになってしまった場合、ニョグタはミイラをも標的として4本の触手で攻撃してくるため、それぞれの標的決定ダイスは1d8となるでしょう。ミイラ4体は探索者たちにしか攻撃しません。触手やミイラのステータスや戦闘時の詳しい行動については、5.1.を参照。}

<門の創造>

ニョグタに供物をささげ、それの見返りとしてPC3が「命が惜しい」と答えると、ニョグタは<門の創造>を使用する。

前方の壁に赤い鳥居が描かれ、くぐる部分は石の壁のように見えるが、水面のように波打っている。このような異常な現象を見た探索者たちはSAN値チェック、1/1d3。

この鳥居(門)をくぐれば探索者たちは、それぞれ元の世界でいた場所に戻れるが、ニョグタがこの門を通ることを許しているのはPC3のみである。他の探索者たちが通ろうとすると触手の攻撃が飛んでくる。これは回避してもよい。喰らうと1d10のダメージ。

→<ニョグタの退散>を詠唱した後であれば、無事全員で通り抜けることが出来る。

{<門の創造>を使わせた後に<ニョグタの退散>を使用しても、門は消えない。}

<ニョグタの退散>

ニョグタに<門の創造>を使わせた後に、PC1が正しく<ニョグタの退散>を詠唱すると、ニョグタは探索者たちに戦闘を仕掛けることなく退散していく。

退散しても門は存在しているため、探索者たちは何事もなく門を通過して地上に戻ることが出来る。

{無事全員が門を通過することが出来たなら、4.7.1.に進んでください。}

→<門の創造>を使わせた後、<ニョグタの退散>を用いずに戦闘しようとすると、触手4体vs探索者4人の戦闘となる。

{探索者が全滅したら、4.7.2.に進んでください。}

{ニョグタとの戦闘勝利後、全員が門を通過することが出来たなら、4.7.1.に進んでください。}



 4.6.2.ニョグタのいた洞窟


[探索]

●洞窟内のたくさんの穴

無数に開いている穴。覗いてみても何もない。どこまでも続く真っ暗な空洞があるだけである。

●赤い魔法陣

一種の祭壇の様な物。

だがもうこれを使う事はない。


[描写]

探索者たちが洞窟に入っても何も起こらない。

探索者たちがやってきてしばらくすると、陣の上に人型のなにかが現れる。

顔のないそれは言う。

「素晴らしい。なんの障害も起こさず、綺麗にこれを片付けてくれる手腕は見所があるね。もしかしたら、また何かを頼むかもしれない。その時はよろしく。」

言い終わると同時に、それは手の指を鳴らす。

その瞬間、探索者たちの意識はプツリと途切れた。

{4.7.2.に進んでください。}



4.7 エンディング

それぞれのEND終了後、『4.7.4. クリア報酬』に移ってください。



4.7.1 Ture END

・一度も不定の狂気に陥らなかった探索者

門をくぐると、貴方たちは気づくだろう。そこには先ほどまでいた洞窟はなく、貴方たちが意識をなくす寸前までいた自分たちの慣れしたしんだ景色が広がっていることに。

時間を確認しても、意識を失ってから数分しか経っていないことが分かる。

先ほどまでの、洞窟の中での出来事は何だったのだろうか。余りにも現実味を帯びていた光景、しかし現実では起こりえないような光景に触れた探索者たちは、何かしら違和感を覚えつつも、自分たちの日常に戻っていくだろう。

・一度でも不定の狂気に陥った探索者

門をくぐると、貴方たちは気づくだろう。そこには先ほどまでいた洞窟はなく、貴方たちが意識をなくす寸前までいた自分たちの慣れしたしんだ景色が広がっていることに。

さらに気づいてしまう。先ほどまでの行動は全て現実であることに。

時間を確認しても、意識を失ってから数分しか経ってないことが分かる。

それでも会話をした人たちもおぞましい怪物も実際に出会っていたのだ。

あの恐ろしい経験を忘れることなどできるだろうか。ふとした瞬間にまたあのような出来事が起きてしまうのではないだろうか。

貴方は、狂気に、飲まれていく。

{地上に戻って来た時に深緑色の石の効果が切れてしまったため、これまでの狂気が一度に襲ってきた、という状態です。これによるSAN値チェックなどはありませんが、それぞれの狂気はダイスなどで決めた時間分続きます。}



 4.7.2. ExcellentEND

目を覚ますと、貴方たちは気づくだろう。そこには先ほどまでいた洞窟はなく、貴方たちが意識をなくす寸前までいた自分たちの慣れしたしんだ景色が広がっていることに。

時間を確認しても、意識を失ってから数分しか経っていないことが分かる。

先ほどまでの、洞窟の中での出来事は何だったのだろうか。

そして最後に見たあの人型のモノはなんだったのか。あの言葉はどのような意味を含んでいたのだろうか。どれだけ考えても、貴方たちには理解することが出来ないだろう。

余りにも現実味を帯びていた光景、しかし現実では起こりえないような光景に触れた探索者たちは、何かしら違和感を覚えつつも、自分たちの日常に戻っていくだろう。


 4.7.3. Lost END

薄れゆく意識の中、貴方たちは理解するだろう。自分たちはもう死ぬのだろう、と。

見たこともないおぞましいものに対して、無謀にも戦いを挑んだことが愚かだったのだ。

あの化け物はなんなのだろう。なぜ自分たちがこんな目に合わなければならないのだろ。

視界には黒い触手が何本も蠢いていている光景が広がっている。

それが、最後に見たものだった。


 4.7.4. クリア報酬

・SAN値回復

PC1 【生存した】(+【深緑色の石を使って一度でも狂気を取り除いた】)=1d6(+1d6)

PC3 【生存した】+【ニョグタに供物をささげた】=2d6

PC2 【生存した】+【ニョグタを退散させた】=2d6

PC4 【生存した】(+【杖の使用法を伝えた&深緑色の石をPC1に渡した】)=1d6(+1d6)

・クトゥルフ神話技能

初発狂 3%

触手の目撃 7%

・アーティファクト(お土産)

首飾り : 知らぬ間にちぎれていて、石が無くなっている。紐は手にあった。効果なし。

深緑色の石 : 一本線が入っているだけ。効果はない。丸いから文鎮にもならない。

杖 : 宝玉が砕けてバラバラになっている。杖のみ存在。効果はない。黄金なので売れば高い?




 5.データ一覧


以下、CoCシナリオ『知りえるモノのミカタ』に出てくるデータの一覧を記述します。

それぞれのデータの詳しい内容は、ここまでのシナリオを参照してください。


  5.1.変動SAN値

ここでは、シナリオ進行時に発生しうるSAN値チェック及び減少SAN値の一覧を記述することにします。

●見知らぬ洞窟で目を覚ました

全探索者、SAN値チェック、減少値は成功で0/失敗で1

●首飾りを外す

PC2、SAN値チェック、減少値は成功で0/失敗で1

●PC2が「薄紅色の羊皮紙の束」に目を通してしまう(<ニョグタの退散>を得てしまう)

PC2、SAN値チェック、減少値は成功で1d6/失敗で1d10。

●明かり無しで、黒い箱の中を小窓から覗いた

覗いた探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1d2/失敗で1d4

●明かりを用いて、黒い箱の中を小窓から覗いた

覗いた探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1d6/失敗で1d12

●黒い箱から解放されたミイラを初めて見る

耐性がなく見てしまった探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1d6/失敗で1d12

●先ほど明かり無しで小窓を覗き、今回は黒い箱から解放されたミイラを見る

明かり無しで小窓から見て再度解放されたモノを見てしまった探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1d4/失敗で1d8

●効果を発揮した石の目と目を合わせた正気の探索者

目を合わせてしまった探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1/失敗で1d3

●ニョグタを目撃する

目撃した探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1d6/失敗で1d20

●PC2が正しくない<ニョグタの退散>を詠唱する

PC2、SAN値チェック、減少値は成功で1d4/失敗で1d8

●正しくない<ニョグタの退散>を聞いてしまう

聞いてしまった探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1d3/失敗で1d6

●PC2がニョグタと遭遇する前に正しい<ニョグタの退散>を詠唱する

PC2、SAN値消失、1d10

●ニョグタと遭遇する前に正しい<ニョグタの退散>をPC2に詠唱される

PC2以外の探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1d4/失敗で1d8

●PC2がニョグタと遭遇した後に正しい<ニョグタの退散>を詠唱する

PC2、SAN値消失、1d20

●ニョグタと遭遇した後に正しい<ニョグタの退散>をPC2に詠唱される

PC2以外の探索者、SAN値チェック、減少値は成功で1d4/失敗で1d8

●SAN回復

→『4.7.4. クリア報酬 ・SAN値回復』を参照


  5.2.モンスターデータ


ここでは、シナリオに登場する神話生物のデータを記述することにします。


 5.2.1. ミイラ

STR 21 , CON 16 , SIZ 13 , INT 11 , POW 18 , DEX 7 , HP 14 , db +1d4

[攻撃] 「こぶし」 命中率70% ダメージ1d6+db

[装甲] 2  ※ただし銃の攻撃の場合、装甲は無視される。

<回避> 14%

[補足事項]

PC3の洞窟にあった黒い大きな箱の中にはミイラが4体いる。これらはニョグタへの供物である。箱の中にいるため、基本的には探索者たちに攻撃を仕掛けることができない。しかし、PC3がKPに対し「羊皮紙の内容を他の探索者に伝える」という宣言を3回すると、箱が崩れミイラ4体が解放される。

{解放時、探索者たちはミイラをしかと目撃してしまうためSAN値チェック、減少値は成功で1d6/失敗で1d12。ただし、それ以前に箱の小窓から中を覗いてSAN値チェックをしてしまった探索者がいれば、その者のSAN値チェックの減少値は成功で1d4/失敗で1d8にしてもよい。}

即時戦闘ラウンドに突入する。ミイラは探索者たちにのみ襲い掛かってくる。ただし、ニョグタのいる洞窟でミイラが解放されると、ニョグタも戦闘に介入してくる。


 5.2.2. ニョグタの触手

STR 85 , CON 40 , SIZ 80 , INT 20 , POW 28 , DEX 20 , HP各15 , db ±0

[攻撃] 「触肢」 命中率100% ダメージ1d10

[装甲] 毎ターン、最初に受けるダメージを無効化。

<回避> 80%  ※穴に入って攻撃を避ける。避けたらまた出てくる。

[補足事項]

戦闘時は触手4つをそれぞれ別のモンスターとして動かす。いわゆる4回攻撃。黒い箱からミイラが解放されていると、ミイラと探索者の双方を捕食対象とみなし即時攻撃を始める。ミイラが解放されているとき標的決定ダイスは1d8、探索者4人のみがいるとき標的決定ダイスは1d4。

ニョグタは一度戦闘が始まると、捕食対象が活動を停止するまで攻撃を止めない。

触手はHPが無くなると、穴に戻って出てこなくなる。全ての触手のHPを0以下にすると<ニョグタの退散>と同じ効果(ニョグタが地下へ戻っていく効果)となる。


  5.3.各洞窟の描写

ここでは、それぞれの洞窟に存在するものを纏めて記述することにします。

●PC1の洞窟

貴方の左側には、羊皮紙の束が落ちている。

貴方の前方には、床に人が一人通れるほどの穴が開いていることが分かる。

黄土色の羊皮紙の束

●PC2の洞窟

貴方の首には、首飾りがかかっている。

貴方の手には、羊皮紙が一枚握られている。

貴方の左側には、羊皮紙の束が落ちている。

貴方の前方には、床に人が一人通れるほどの穴が開いていることが分かる。

黒い石が通された簡素な首飾り,灰色の羊皮紙,薄紅色の羊皮紙の束

●PC3の洞窟

貴方の左側には、羊皮紙が落ちている。

貴方の後方には、大きな黒い箱があり中からうめき声が聞こえる。

貴方の前方には、数十mの道がありどこかに続いている。

灰色の羊皮紙,大きな黒い箱

●PC4の洞窟

貴方の左側には、杖と水色の石と深緑色の石があり、その横に羊皮紙の束が落ちている。

貴方の前方には、床に人一人通れるくらいの穴が開いている。

黄金の杖,半透明の水色の宝玉,深緑色の石の目,薄緑色の羊皮紙の束

●少し広い空間

30畳ほどの広さがある。

天井に3つの穴,後方に数十mの道,前方に数十mの下り坂、が存在する。

PC1とPC2とPC4の洞窟にそれぞれ繋がっている3つの穴,PC3の洞窟に繋がっている後方の道,ニョグタのいる洞窟に繋がっている前方の下り坂

●ニョグタの洞窟

この洞窟に通じる道は、自分たちが通って来た坂道しかなく、ここが行き止まりであることが分かる。

30畳ほどの広さがある。洞窟全体に大小様々な大きさの穴がたくさん開いている。部屋の真ん中には赤い魔法陣が描かれている。

少し広い空間に繋がっている坂道,ニョグタが潜んでいるたくさんの穴,供物台となる魔法陣


  5.4.Artifacts

ここでは、探索者が洞窟内探索中に入手しうるArtifacts及びその使用法を記述することにします。

●黒い石が通された簡素な首飾り

首飾りを首にかけている探索者は、SAN値がどれだけ減っても一時的狂気にも不定の狂気にも陥らない。ただただSAN値が減るだけである。

首飾りを首にかけている間、不定の狂気に陥る値は変動しません。

{よって、SAN値が五分の一以上減った状態で首飾りの効果が無くなると、その場で不定の狂気が発症します。}

{PC2が一度でも外したら、石は粉々になり効果は無くなります。}

PC2が自発的に首飾りを外そうとすると、悪寒がしてSAN値チェック、減少値は成功で0/失敗で1。

●黄金の杖

杖単体では何も起こらない。上部に宝玉を乗せることでMP貯蔵庫として機能する。

●水色の石

これは宝玉であり、杖の上に乗せることで真価を発揮する。

宝玉のみを直接触った場合、触れるたびに探索者からMPが1点ずつ吸い取られていく。

このMPは探索者に戻る事はない。しかし、<ニョグタの退散>を詠唱するときに吸い取られたMPを使用することは可能である。

●宝玉on杖

水色の石を乗せた状態の黄金の杖(以下、これを「真の杖」とする)での使用法を以下に記す。

真の杖の宝玉の部分に手を触れながら任意の数字を宣言すると、その数字だけMPが宝玉内に吸収される。また、真の杖の柄の部分を握りながら任意の数字を宣言すると、その数字だけMPが握っている探索者に与えられる。

真の杖にMPを30以上貯めた状態で<ニョグタの退散>を詠唱すると、詠唱者のSAN値とMP30を消費して効果が適用される。

{詠唱者の消費SAN値は、『5.1.変動SAN値』を参照してください。}

●深緑色の石

いわゆる「石の目」である。

<知識>に成功すると、蒼瑪瑙だと思うだろう。

<地質学>に成功すると、蒼瑪瑙に似ているものの、このような鉱石は地球上に存在しないことが分かる。

PC1がこの深緑色の石に触れるまでは、外周半分のみ一本の黒い線が入っているだけの奇妙な完全な球状の石だという以外に特筆事項はない。

PC1がこの深緑色の石に触れると、一本線だったものが開き、黒い線で描かれた目のような模様が現れる。この状態だと、石の目としての機能が働く。

狂気に陥ってない探索者が石の目と目を合わしてしまうとSAN値チェック、減少値は成功で1/失敗で1d3。

狂気に陥っている探索者が石の目と目を合わすと、狂気状態から復帰させることが可能である。


  5.5.羊皮紙の内容の解説

ここでは、探索者が洞窟内探索中に入手しうる羊皮紙及びそこに書かれている内容の解説を記述することにします。

●PC1の元にあった「黄土色の羊皮紙の束」の一枚目

内容:

「神は歯向かう者を知っている

彼らがどれほど愚かであるか

神は崇拝する者を知っている

彼らがどれほど素晴らしいか

神に血肉を捧げよ

さすれば神は褒美を授ける

離れたければ伝えるべし

神はそれに応じるだろう」

解説:

ここで書かれている神はニョグタの事である。

歯向かう者はニョグタに対し戦闘を仕掛けようとする者、崇拝する者は供物(ミイラin黒い箱)を陣の上にささげた者。

血肉は供物の事であり、陣の上に黒い箱を置くことにより、ニョグタが褒美として「<門の創造>の使用」か「<ニョグタの召喚>の伝授」のどちらかを与えてくれる。

離れたい、という意思を示すことによりニョグタが<門の創造>を使用してくれる。それを

くぐれば元の世界に戻れる。

●PC1の元にあった「黄土色の羊皮紙の束」の二枚目

内容:

「彼は偉大なり

彼は全てを滅ぼせる

彼は弱小なり

彼を言葉で滅ぼそう

絞りつくして 追い払え」

解説:

ここで書かれている彼はニョグタの事である。

{一枚目の「神」とあえて表記方法を変えている。}

Great Old Oneであるニョグタは非常に強く、探索者が洞窟で何もしなければ世界を崩壊させてしまうかもしれない。また探索者たちが直接戦闘を仕掛けても全滅しかねない。

だが、ニョグタは<ニョグタの退散>というただの言葉の羅列により地中深くに帰らされてしまう。

ニョグタは自身に対して敵意を向けない相手には優しいため、ぜひとも<門の創造>を使わせて(探索者たちの帰路を確保させて)、<ニョグタの退散>で帰っていただこう。

●PC1の元にあった「黄土色の羊皮紙の束」の三枚目

内容:

「石の目を持て

正気を失う者あれば

それは必ず役に立つ

目を合わせ 元に戻せ

石の目は 正気の者に 牙をむく」

解説:

深緑色の石、いわゆる「石の目」は一度PC1の手に触れられないと機能が働かない。

石の目は、狂気に陥っているものに正気を取り戻させることが可能だ。使用方法は、石の目とその探索者の目を合わせる、というものだ。

ただし、正気の者が石の目と目を合わせてしまうとSAN値チェックが入るため注意が必要である。

●PC1の元にあった「黄土色の羊皮紙の束」の四枚目

内容:

「これらを誰にも伝えるな

この目は全てを見通せる

他の者に伝えるならば

石の加護は受けられぬ」

 解説:

黄土色の羊皮紙の束を二人以上の探索者が知ってしまうと、深緑色の石の模様は一本線のままとなり石の目の効果を使用することが出来ない。

この目とは石の目を指しており、複数人が羊皮紙の束の内容を知ってしまうかどうかを監視している。

●PC2の手に握られていた「灰色の羊皮紙」

内容:

「貴方を救う首飾り

恐れるものは何もない

世の理に触れたとしても

歩みが止まることはない

貴方の側から離れると

それは悲しみ砕け去る」

 解説:

PC2が狂気に陥らないよう守ってくれる首飾り。

通常なら狂気に陥ってしまうほどの状況になっても、すぐに平常心に戻してくれる優れもの。

{ただし、恐怖心などを感じないというわけではないので、SAN値減少は発生します。}

この首飾りは、PC2の首から離れてしまうと効果を失ってしまいます。外されると同時に首飾りに通されている石が砕けるため再度首にかけても効果はありません。

●PC2の横にあった「薄紅色の羊皮紙の束」の一枚目

 内容:

(省略)

 解説:

PC2がこれに目を通すと、強制的に<ニョグタの退散>を習得した状態となる。

 <ニョグタの退散>詠唱法:

・正しい詠唱法その1『神(ニョグタ)と遭遇する前に、MPが30以上注入された黄金の杖を掲げつつPC2が<ニョグタの退散>を詠唱する』

→PC2はSAN値消失、1d10。全ての他の探索者はSAN値チェック、減少値は成功で1d4/失敗で1d8、これは脳内に響くため強制である。

・正しい詠唱法その2『神(ニョグタ)と遭遇した後に、MPが30以上注入された黄金の杖を掲げつつPC2が<ニョグタの退散>を詠唱する』

→PC2はSAN値消失、1d20。全ての他の探索者はSAN値チェック、減少値は成功で1d4/失敗で1d8、これは脳内に響くため強制である。

・正しくない詠唱法『何も持たずに詠唱,注入MPが30未満で詠唱,などなど』

→PC2はSAN値チェック、成功で1d4/失敗で1d8。側にいる探索者はSAN値チェック、減少値は成功で1d3/失敗で1d6、これは耳を閉じていれば聞こえないのでSAN値チェック回避可能。

●PC2の横にあった「薄紅色の羊皮紙の束」の二枚目

内容:

「お前の得た言葉

神の嫌う言葉

杖を掲げ

言葉を紡げ

全ての心を削りつつ」

解説:

PC2が得た言葉(「薄紅色の羊皮紙の束」の一枚目の内容:<ニョグタの退散>)は、ニョグタにとって最も嫌いなものだと言っても過言ではないかもしれない。

<ニョグタの退散>の正しい詠唱法である「宝玉に30以上のMPをつぎ込み、杖の柄の部分を握り詠唱」を行う必要がある。

<ニョグタの退散>の詠唱時、SAN値チェックやSAN値減少がほぼ確実に行われるだろう。

●PC3の元にあった「灰色の羊皮紙」

内容:

「陣の上に供物を

供物には箱を

陣に向かい祈りを

そして欲しい方を伝えよ

お前にだけは教えよう 他の者には教えない

これらを他者に教えるならば その代償は死しかない

忠誠の印を刻む」

 解説:

ニョグタのいる空間にある魔法陣の上に供物(ミイラin黒い箱)を乗せる。

その後、魔法陣に乗らずにいると、ニョグタが供物を捕食し供物をささげた者に対して「<門の創造>の使用」か「<ニョグタの召喚>の伝授」のどちらかを与えてくれる。ただし、これは供物をささげた者(PC3)に対してのみ直接脳内に問いかけ、PC3からの回答しか聞き入れない。

これらの内容を知ってしまったPC3に対し、他者にこの内容を伝えさせないための印を刻み付ける。

{印とはPC3の左手の甲に刻まれるローマ数字のことです。}

内容を他者にむやみに伝えようとすると、最終的に黒い箱が崩壊しミイラが解放されることとなる。

●PC4の元にあった「薄緑色の羊皮紙の束」の一枚目

内容:

「杖の上に宝玉を乗せ

神に仇なすものとせよ

宝玉に手を当て数字を言え それだけ魂が削られる

杖を掲げて数字を言え それだけ魂を増やせられる

魂の欠片を30集めよ

それで宝玉は輝く」

 解説:

黄金の杖の上に水色の石(宝玉)を乗せないと真価を発揮しない。

その状態の物(以下、これを真の杖という)に対し、「宝玉部分に手を触れて任意の数字を宣言すると、その数だけ宝玉にMPが吸収される」、また、「柄の部分を握って任意の数字を宣言すると、その数だけMPが握っている探索者に流れ込む」。

宝玉にMPを30入れると、宝玉部分が輝きだす。

●PC4の元にあった「薄緑色の羊皮紙の束」の二枚目

内容:

「石を知るものに石を渡せ

石を知らぬものに石を見せるな

これを誰にも伝えるな

石は更なる狂気を与える」

 解説:

この石とは深緑色の石の事である。

PC1に深緑色の石を渡すことで、それは石の目の効果を発揮する。

「PC2やPC3が石の目としての効果を発揮できていない状態の深緑色の石を見てしまう」か「他者に薄緑色の羊皮紙の束の内容を知られてしまう」と、正常な者が石の目と目を合わせてしまったときに発生するSAN値チェックの値が倍となる。すなわち、減少値は成功で2/失敗で2d3。

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