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精神科看護師が考える死との向き合い方

医療従事者は〝死〟と
向き合う仕事とも言える。

今回書く内容は
自分の死との向き合い方ではなく
他人の死との向き合い方についてです。

精神科においても
家族など近しい人との死をきっかけに
精神的に疲弊して
入院するケースも少なくない。


ストレスを点数化したときに
人の死のストレスというのは
ストレスの中でも特に点数が高く
中でも配偶者の死は
平均83点という最も
ストレスの点数が高いとされています。
(2位74点・会社の倒産、3位73点・親族の死)

お葬式なども
ハッピーな雰囲気になることなんて無いですし
医者に余命宣告をされて喜ぶ人もいません。
死を忌み嫌うというのは
やはり人間の本能なのかもしれません。


とは言え
人は生まれた瞬間から
漏れなく全員がいつかは死にます。
大切な周りの人も必ず死にます。

これだけは揺るがない事実。
生まれた順番に死ぬわけではなく
若くてもある日突然亡くなる人も
医療従事者として数多く見てきましたし
その受け入れざるを得ない状況に置かれた
家族の姿も
患者の死と同じ数だけ見てきました。

突然自分の子供が事故などで亡くなって
膝から崩れ落ちる家族も見てきましたし
気を失いそうになる家族もいました。

なのでどうしても
死をノーダメージで
受け入れるというのは
とても難しいと思います。

しかしその中で
落ち込む程度を和らげたり
少しでも早く立ち直れるような
方法について
知っておくと
死に対するストレス耐性が
少しできると思います。

キーワードは感謝です。

周りの人が亡くなった時
後悔している家族ほど
身の丈に合わない
最大な葬式をすることがあると
聞いたことがあります。

ただ日頃から相手に
感謝の気持ちを伝えておく
死を受容しやすくなるのではないかと感じます。

感謝の気持ちを伝えようと思ったら
言葉だったり態度だったり
相手を思いやる行動を取ると思います。

周りの人が亡くなった後悔って
いろいろあると思いますが
普段から相手を思いやった行動をしていれば
そういった後悔に繋がりにくくなると思います。

無理をしない程度に
相手に対する感謝の気持ちを
日頃からアウトプットしていくことで
急な別れが来たとしても後悔を減らすことができる
死を受け入れられないというのは
準備を十分にできなかった
言い換えられると思うのです。


そしてもし残念ながら
既に周りの人が亡くなってしまっていて
死を受け入れられないのであれば
感謝の気持ちを手紙などに綴る
直接伝えられなくても
感謝の気持ちを手紙にして
故人を偲ぶことで
自分の気持ちとの折り合い
つけやすくなると思います。

故人に対して嬉しかったことや
有難かったと感じたことを綴る。

そこでもし
その感謝の気持ちを伝えられなかったと
後悔したのであれば
もう同じ過ちは繰り返さないように
今いる周りの人に
感謝を伝えるようになるかもしれません。

そうすれば
故人との別れが
現世での人間関係の改善のきっかけになったと
肯定的に受け入れられるようになるかもしれない。

そうすると〝過去〟ではなく
〟に集中できるようになりますよね。

メンタルの改善には〝今〟を生きる感覚
とても重要です。
感謝の気持ちを手紙などに整理して
死を受け入れる過程で
今周りにいる人に対して
日頃から感謝を伝えていく重要さに気がつければ
きっと死に対する恐怖や虚無感なども
和らげられる。

という話でしたー😉


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玲/精神科ナース
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