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せつぞくしのタンゴ

何度も
思い出してしまう
他愛ないやり取りだったのに

お守りのように
見つめてしまう
無機質な着信の文字を

近づけない距離だから
むやみに考えてしまう
でも
届かない手だから
むしろ安心してしまう

なのに
ガラス越しの横顔が
電話越しの声が
業務連絡の文字が
私を揺らすのは事実で
細胞の振るえを起こすのも事実だ
そして
この思いに先がないことも
紛れもない事実

だけど
行くあてのない思いだと
認めているからどうか
今は、まだ、いだかせてください
朝を笑って迎えるために
夜を穏やかに過ごせるように
自分の心をなくさぬように

心のあることを
思い出させてくれた思いを
どうか、あと少しだけ。

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