AWS SysOps Administrator 合格体験記~勉強方法や解き方を添えて~
2022年11月に「AWS Certified SysOps Administrator - Associate(以下SOAと呼称)」に合格しました。
このノートでは私が合格までに実施した勉強や試験対策についてまとめていきます。
これから受験される方の参考になれば幸いです。
筆者のスペック
IT業界4年目
業務はWeb(モバイル)アプリ開発、オンプレ基盤の構築保守、クラウド(主にAWS)上のアプリ基盤設計と構築、組織のアカウント、セキュリティ管理など担当
AWSの認定資格は他にもSAA、DVAを取得済み
受験結果
タイトル通り結果は合格です。
(点数は774と決して誉められた点数ではありませんが)
各セクションの詳細は控えますが、選択問題の分野6つはコンピテンシーを満たしており、ラボ試験のみ改善が必要という結果でした。
試験範囲と形式
公式サイトを見るのが一番わかりやすいですが、SAAとDVAとは異なり選択問題だけでなく実技試験(ラボ問題)も実施します。
このラボ試験について、2022年11月時点では、全AWS試験の中でSOAのみ存在します。
試験の難易度
これまでSAA、DVAと2つのアソシエイト資格を取得しましたがこのSOAが一番難しく、SAA、DVAの知識だけで合格するのは困難です。
選択問題はデベロッパー目線ではあまり利用しない運用保守、セキュリティサービス(CloudWatch、Organizations、Guard Duty、Detectiveなど)が頻出し、少し深い内容を聞いてくるのでSOA用に特化した勉強が必要になります。知識だけでなく、問題そのものに対する対策も必要になるでしょう。
ラボ試験は与えられた要件を満たす環境を実際に構築します。構築にはWebでアクセスするコンソール画面、もしくはコマンドプロンプト等で操作するCLIを使用します。SOAの試験ガイドにも記載がある通り、少なくともコンソール画面を触ったことがなければ解くのは困難でしょう。
総じて、AWSの運用管理を実務で経験している方とそうでない方に比べて試験難易度は段違いに変わります。後者の方はそれなりの準備が必要になるでしょう。
勉強期間と時間
期間は2ヶ月程度です。
ただ実際に勉強したのは週末に1時間程度、試験1週間前に無理やり時間を作って1日1時間程度でした。
そのためトータルで12~16時間を費やしたことになります。
勉強内容の概要
前提として、私はこれまでの経験で以下の知識をすでに身につけていました。
SAA、DVAの試験範囲サービス(名称、用途、一部は業務やプライベートで利用)
SOAの試験範囲サービス一部(AWS Organizations、コスト関係、セキュリティサービスなど業務で利用したサービス全般)
その上で私の勉強内容は以下の通りです。
以下で詳細に解説していきます。(上述したように、実務経験がある中での受験だったので合格の再現性は低いかもしれません)
試験範囲の理解
知識の習得
問題対策(選択、ラボ)
試験範囲の理解(3時間程度)
何をするにも敵を知るところからです。
過去問から始める方もいますが、過去問で試験範囲を網羅することは困難です。後に問題対策でも触れますが、過去問はあくまで知識の網羅性確認と問題を解く練習のために使いましょう。
試験範囲の理解を深める上でやるべきことは以下の2つです。
※ただし、AWSの試験を受けたことがない人は一番初めに模擬試験(無料)を受けることをおすすめします
試験ガイドを読む
SOA公式サイトの下部に試験ガイドがあります。まずはこのガイドを読みましょう。特に「試験内容の概要」は重要です。
試験で出題される分野と出題の比率が以下のように一覧化されています。
それぞれの分野で問われる内容が続いて記載されているので、そこもきっちり読みます。それもただ読むのではなく、聞いたことがない、もしくは理解できていないワードが含まれた項目は別場所にメモしておきます。
たとえばこのような形式です。
分野:モニタリング、ロギング、および修復
項目:AWS Systems Manager Automation のドキュメントを使用し、AWS Config ルールに基づいて
アクションを実行する
対象サービス:AWS Systems Manager Automation、AWS Config
わからないこと:Automationドキュメント、AWS Configルール
Notionなどに表形式でまとめておくとよりわかりやすくなります。
また、ガイド下部の「付録」にも出題されるサービス一覧が掲載されているので確認しておきましょう。ここもただ確認するのではなく、見たことがないサービスをメモしておきましょう。
AWS Skill Builderの活用
続いて非常に便利なサービス「AWS Skill Builder」を活用します。これはAWSに関する様々なe-learningを受講できる公式のサービスです。無料のコンテンツが充実しており、Amazonアカウントがあれば簡単に利用できるため是非活用しましょう(英語オンリーのe-learningが多いのが難点)。
SOAや試験範囲に関する様々なトレーニングがありますが、試験範囲を理解するという目的では「Exam Readiness: AWS Certified SysOps Administrator - Associate (Japanese)」を受講します。以下のURLは試験への直リンクなので、AWS Skill Builderにログインできるようになったらクリックしてください。
動画は1時間半ありますが倍速再生が可能です。私は1.5倍にして見ていました。このe-learningでは主に以下の内容を理解します。当然、ここでもただ見るのではなく理解していないサービスや概念などはメモしておきます。
SOAの出題範囲(試験ガイドの補足)
どのような問題が出題されるのか、解く時の考え方
知識の習得(3~6時間程度)
上記までで、試験範囲と理解していないサービスはある程度把握できたと思います。ここからは知識を習得する段階です。
これまで受験した試験や利用したサービスによって必要な時間に差が出てきます。
まずは理解できていないサービスについてBlackBeltを読みましょう。この時サービスに関して以下を意識、メモしながら読みます。
When(どのタイミングで利用する)
Why(目的、解決する課題は)
How(どうやって使うのか、BlackBelt以外に自分で利用する、もしくはクラスメソッド等のサイトからコンソール画面などでどう利用するのか見てみる)
選択問題対策
知識の確認ができたら選択問題の対策です。
私はUdemyの問題集を利用しました。koiwa clubもおすすめとのことですが、ある程度問題量をこなせるなら以下の目的を達せられるのでどちらでもいいです。
知識の網羅性確認
問題文に慣れる
問題を解く練習
知識の網羅性確認は重要で、これまでやってきた試験範囲の把握、知識の習得に意味があったのか方向性が間違ってたのかがわかります。
AWS試験の問題文は若干読みにくいので、しっかり読みながら形式に慣れていきます。
何が問われて、何を答えたらいいのかを把握して選択肢を見て解答する練習も必要です。
解く時間も意識します。試験時間は180分ですが、ラボ試験もあるので選択問題に避ける時間は多くても100〜120分程度です。
しっかり問題集を解く練習をしていれば、80〜90分程度で全問(55問程度)解答できますし、見直しに十分な時間が使えます。
ラボ試験対策(反省)
気になる方が多いラボ試験についてですが、私が実施した対策は以下です。
ラボ試験サンプル問題を解く
...以上です。まずラボ試験サンプル問題ですが、これは試験に申し込むと案内メールが送られてきて、手順通りに進めるとすぐに受けることができます。
これは必ずやっておきましょう。問題と解答の形式がわかります。
何故他の対策をしなかったのかですが、これは実務経験から来る自信からでした。コンソール、CLIとそれなりに触ってきており、経験がない構成でも時間さえあれば対応できるだろうという自信です。加えて、アソシエイトレベルのためそこまで複雑な問題は出ないだろうという考えがありました。
実際のラボ試験がどうだったかというと、(当然、詳細は言えませんが)予想を超えないレベルではありました。解くのに要した時間は見直し含めて1問辺り30分程度だったと思います(私も場合は全部で2問)。
選択問題を網羅的に解ける知識、コンソールでAWSを操作した経験があれば問題なく対応できると思います。
ただ、対応できるだけで自信を持って解ける訳ではないので試験範囲のサービスをコンソール画面で触ってみる、もしくは構築が経験できる研修などを受けておくことをおすすめします。
最後に
SOAはラボ試験が含まれるため、アソシエイトレベルでは1番難易度が高いです。ただ上記で書いたように対策すればそこまで時間をかけず合格することは可能だと思います。
ただ、私はAWSの運用業務も担っているのである程度モチベーションは保たれましたがSAA(基礎系)、DVA(開発系)と異なり普段意識しないサービスを扱うので人によってはキツいかもしれませんね。
これから受けられる方はぜひ頑張ってください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?