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One Nation Under A Groove/Funkadelic-憎みきれないろくでなし

私の中のアメリカ文化のイメージはこのタイトルそのままである。

めちゃくちゃ大好きであり、だけどめちゃくちゃ大嫌いなところもある。

サラダボウルに喩えられる国なだけあって、こちらに好きとも嫌いとも簡単には言わせない複雑さがある。
歴史が浅く、異文化ごちゃ混ぜ、軽薄で猥雑で粗くて嘘っぽいとも感じる。

その上であえて、P-Funkを産み落としてくれたというだけでも「アメリカ文化大好き!」と言いたい。

One Nation Under A Grooveはユートピア的な世界観を提示していながらまったくクリーンではなく、非常に混沌としている。
それがやけにリアルで、愉快であり物哀しくもあり、安物のおもちゃ箱をひっくり返したような美しさで、こんなものはアメリカからしか生まれ得ないな…と平伏してしまう。

私はそういうアメリカ文化を愛している。
愛しているのにやたらひねくれた表現になってしまうのは、やはりひとえにアメリカ文化が「憎みきれないろくでなし」だからだと思う。
加えて、洗練された向きにはこの想いをいまいち共感してもらえずにきたから、というのもほんの少しある。
さらには「私の感性は粗雑なのか…」と認めてしまう事に対する抵抗感もほんの少し。

One Nation Under A Grooveを聴いてワクワクするのは、アメリカ文化の「全然ちゃんとしてないところ」を煮詰めたようなものだから。
だからこそ好きなのです。
これは偏見と偏愛に満ちた賞賛です。

あぁ、大好きだなぁ。





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