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乳がん全摘日記|手術痕と対面|手術後2-3日目
46歳、2024年年末の乳がん全摘手術のために入院しました。
11月に健康診断のマンモグラフィで、乳がん発見。小さな石灰化が広範囲(3箇所で点在)で確認されたため、初期のステージ0ですが全摘しました。
過去の乳がん全摘体験日記
▶︎乳がん全摘体験日記|手術日当日
▶︎乳がん全摘体験日記|手術の次の日
手術後2日目(12/29)
今日も快晴。
手首の点滴針からの解放
「まだ点滴続くのかい?」と思い、
看護師さんに「点滴の針を留めているテープが、痛痒くて辛いのだけれど」と訴える。
点滴の針から解放、テープ跡が真っ赤で痒いので軟膏を塗っておく。
なんだ、もう外せたんじゃん。
食欲増進
気持ち悪さがなくなり、食欲が出る。
病院内のコンビニで、アイスクリームや果物、梅干しなどを買ってきてもらう。
食べられるって嬉しい!
ドレーンつけたままのシャワーは難しい
シャワー室を借りて腰より下を流したが、左腕が痛いし、ドレーン袋を濡らさないようにするので、かなり難しかった。
髪の毛は、夫が来てくれたので、洗髪ブースで洗ってもらう。
入院前に、髪の毛短くしておけばよかった。
隣から聞こえる「助けて」の寝言
夜中、二人部屋の隣から、はっきりとした寝言が聞こえる。
最後には「たすけて」と聞こえたもんだから、びっくり。
看護師にも聞こえたのか、パタパタと数人が何度も確認にくるが、
その頃にはSさんはぐっすり寝息を立てていた。
0:30、男性看護師が私の管の液の採取に来るので、
お隣から聞こえた出来事を伝える。
事情が分かって安心したようだ。
お隣は、70歳くらいの女性Sさん。
股関節の手術後のリハビリで、前日も筋肉痛で辛いと話していたので、
その辛さがきっと夢に出てしまったんだな。
トイレに行く時は歩行器を使っているが、大変そう。
ドレーン袋を胸に下げているだけの私は恵まれている、
早く元気に歩けるようになりますように。
手術後3日目(12/30)
快晴が続きます。
手術後の胸の傷
その日の担当の女性の医師が来て、手術後胸を覆っていた大きなガーゼを剥がしてくれた。
痛々しい…、出来立ての傷。
傷は縦にS字に大きく、中央は血色の悪い紫色が広がっている。
(※通常の手術痕は横が多いようだが、私の場合は、胸の上部に3箇所に広がっていたので、縦に長くなっているらしい)
ガーゼを止めていたテープの粘着を取るシートをいくつか渡され、「血色の良くない部分には軟膏を出しておくから塗って」と言って、医師は去っていっった。
傷が露わになった状態で、病室に1人取り残され、傷の周りの剥離シートを拭き始めたが、涙が止まらない。
呼び出しボタンを押す。
胸から背中にまたがるテープの粘着を取るのを、看護師さんに手伝ってもらう。
誰でもいいから、今だけ、そばにいてほしい。
この時の看護師さんの存在は、本当にありがたかった。
胸を失った喪失感より、
傷の醜さからくるショック。
時間が経って肌色に馴染んだ傷しか、イメージしていなかったからかも。
いざ実際の傷を間近で見てしまうと、グロテスクで、傷周辺の肌の色や質感は見たことのないような異質なものに見えた。
服着てれば、見えない。
数ヶ月経てば、コレじゃなくなるのは分かっている。
しかし、急に自分が化け物になったような気分だった。
傷を思い出さないように、
ぶっ続けでみる『ゴールデンカムイ』
傷や痛みを忘れるように、とにかく空き時間はずっと、ゴールデンカムイ(アニメ)を見続ける。
こういう時、続けてみられるアニメやドラマはありがたい。
ついでに、実写版映画の次回キャストが気になって、ネット検索。
鯉戸少尉に中川大志のビジュアルが出ていて、期待が膨らむ。実写版ゴールデンカムイは中学生の長男と映画館で見たが、鶴見中尉や尾形がすごく似ていて驚いた。舘ひろしも、合っていたなあ。
笑うと傷が痛い!
お笑い見るのは注意
ゴールデンカムイの連載分を見終わってしまった。
夜寝る前には、以前ちょっとだけ見てやめたAmazonプライムの「ゴールデンコンビ」の続きを見る。
傷のことを思い出すと悲しい気持ちになるので、お笑いが見たくなったのだ。
高比良くるまと野田クリスタルのコンビが優勝して、満足する。
笑う度に、管の刺さったところが痛く、こんな時に見る番組は、お笑いが不向きだと悟る。