レヴァークーゼンの夏移籍は不的確である(仮)

レヴァークーゼンの今季の移籍は不的確だったのではないか?
ここでの不的確とは、獲得した選手のレベル如何ではなく、果たして獲得するべき選手だったのか?という疑問である。
一人一人の能力に疑いは無い。だがレヴァークーゼンに必要な選手だったのであろうか?(2回目)

一人一人見ていく。

①アレイシ・ガルシア
昨季よりレヴァークーゼンはボランチを2枚とするフォーメーションを用いていたが、中盤の枚数はジャカロブパラの3人であり、特にジャカの酷使を避けるためにボランチの獲得は必須だった。
なお、ガルシアはシャビ・アロンソの熱望で連れてきた選手だとされている。
しかし、シーズン開始後すぐは、シャビ・アロンソはガルシアをスタメンで多く起用していたが、ボランチ2枚の際には守備強度が課題となり、最終的に現在は守備安定のためにアンドリッヒを使い続けている。
パスワークの面ではジャカに劣り、守備強度の面ではロブに劣っている選手なのは否めない。
レヴァークーゼンに必要だったのは、プレイとパスをメイクできる選手ではなく、パスワークはそこそこだけど、守備の強度を出し、試合を締めて終わらせたりする選手であり、ジャカではなくアンドリッヒの代役が必要だったのではないだろうか?

②マルティン・テリエ
テリエは過去4シーズンに渡って、怪我などはありながらもレンヌで毎年コンスタントに得点を量産しつつ、フロントもボニに次ぐフィニッシュワークを期待していたのだろう。しかし蓋をあければここまでシーズン1ゴール1アシストと非常に低迷している。
では何故彼にスコアリングが付かないのか。それは単純に彼の能力が中途半端である為だ。これは実力不足の意味での中途半端ではなく、ポジションが安定しないという意味での''中途半端''だ。
彼のポジションはおおよそ前線のCFからシャドーにかけてであると思われるがCFで使うにしても、ポストプレーの面、クロス反応を考えるとボニとシックに劣り、ヴィルツにはもちろんチャンスメイクでは勝れない。
おそらくテリエが対抗するべきはホフマンとアドリなのだろうが、彼ら二人は既にドイツでのプレー経験があり、そこの差で現在ではクオリティの差が出ている。というか、そもそも前線3枚のうちボニフェイスorシックとヴィルツで埋まっている中、残り一つのポジションを3人で争わせるのは非常に非効率であるとも言える。

③ヤヌエル・べロシアン
べロシアンはLBから左CBにかけての選手だが、彼に関してはレヴァークーゼンのCB達の適正ポジションについて考察する必要がある。
特に問題視されるのがタプソバの適正ポジションだ。
知っての通り今季のレヴァークーゼンは明らかに失点が多い。昨季のレヴァークーゼンの無敗の要因は間違いなく失点数の少なさだ。これには戦術的要因はもちろんあれど、CBの配置が想定通りかはたまた偶然か上手くハマり続けていたと形容することが出来る。
レヴァークーゼンはAFCON開始までの間、ターンオーバーはあれど、タプソバターコスヌの3枚で戦い続けた。実際に8月から11月のホッフェンハイム戦までのリーグ戦では彼ら3人で固定されていた。
もちろん、AFCON期間およびその後はヒンカピエやスタニシッチをCBに配置し、それがハマったことで勝ち星を重ね続けることができたことは明白だ。
ここで注目したいのはタプソバのポジションとコスヌの去就である。コスヌがアタランタに移籍して以降、シャビ・アロンソはヒンカピエタータプソバの並びを使っている。しかし、タプソバのスタッツは右CBで悪化しているというデータがあり(右CBで悪化しているのか、それとも今季悪いだけなのかは不明瞭であるため注意)、よってタプソバは左CBの方が得手と言える。しかし、コスヌとスタニが抜けた影響で、右CBを務められる選手はタプソバとムキエレだけとなり、ムキエレは適応に少し時間がかかった(現在は怪我)のため、タプソバが使われた。その結果、現にレヴァークーゼンは失点数がかさんでいる。
さて、べロシアンの件について話を戻すが、ここで私が言いたいのは、レヴァークーゼンにとってLBと左CBを務められるグリマルドのバックアップはもう必要なかったということだ。
ベロシアンは、若手枠かつ、グリマルドとヒンカピエの代役としてレヴァークーゼンに加入した。しかし、レヴァークーゼンの左CBは既にヒンカピエとタプソバで埋まっている上、そもそもグリマルドの代役はヒンカピエで事足りている。
まず、グリマルドはそもそもの稼働率が非常に高い。21/22シーズン以降、彼はコロナウイルスでの欠場や単純な休養を挟んだのみで、およそ3シーズン一度の怪我もなく過ごしている。そんな彼に頻繁にバックアップは必要ない。その上、ヒンカピエはLWBで十分にクオリティを発揮出来る。グリマルドを休ませたい時はヒンカピエを使えば事足りただろう。タプソバの適正ポジションが左のCBである可能性が浮上した今では、ポジション的にべロシアンが割り入る隙間がないと思われる。以上のことから、レヴァークーゼンに必要なのは左サイドのCBではなく、右を務められるCBであったことを主張する。
そのため、ムキエレに関しては妥当な移籍であると思っている。彼は怪我により離脱をしてしまっているが、今後タプソバを左で起用することが増えた場合、出場機会が増加するかもしれない。

最後に、勘違いしないで欲しいのが、私は今季獲得した選手たちの能力にいちゃもんをつけるつもりは毛頭ないということだ。ただ、これはフロントの獲得方針についての疑念であり、それをこんな長々と連ねさせていただいた。逆にここまで読んだ貴方。凄いね。意見ください。
今回の批判は現時点での評価を基準にしていることを念頭に置いて欲しい。
選手たちおよびクラブには今シーズン終了時に「私が間違ってました!」と言わせてくれるような活躍を期待している。以上。

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