妬合があるときの命式のみかた
命式で日干が妬合しているときのみかたを紹介します。
妬合があると、命式に対してややマイナスな影響を与える。
どのように悪影響が及ぶのか以下の例題からみていこう。
日干&他干と妬合したときの命式
上の図の命式は、日干と年干が月支蔵干と妬合している。
①日干のみかた
丁日の申月…月令を得ていない(囚令)
十二運…四旺が建禄1つと衰えている
比助の通変…丁(比肩)1、丙(劫財)1、甲(印綬)2
洩剋の通変…戊(傷官)1、己(食神)1、壬(正官)1
1〜4の内容から、多くの比助の通変により「小強以上中強未満」とみる。
比助の通変に偏っているので、壬の正官がバランスを維持するために必要不可欠。
②格のみかた
この命式の格は、壬の正官である。
壬の申月…月令を得ている(相令)
十二運…建禄・長生・死・胎
比助の通変…なし
洩剋の通変…甲(印綬)2、戊(傷官)1、己(食神)1
1〜4の内容から、月令・十二運ともに弱くはないが比助の助けがなく、洩剋の通変(とくに戊)に強く剋され「小強程度」とみる。
日干と格は中強未満と小強程度で、「日干>強い>格」となる。
妬合を無視した基本のみかたでは、双方の均衡を保つために大運で金(庚・辛)がめぐるときを待ちたい。
妬合は旺じたほうの干に引かれる
今回の命式では、2つの丁が1つの壬と妬合している。
このとき、壬がより強く手を引かれるのはどちらか?
妬合には、2つの干の十二運の強さを比べたとき、より旺じているほうの干に引かれる働きがある。
改めて上の図の命式をみてみよう。
年柱の丁(比肩)と、日干の十二運を比較すると、前者が胎、後者が病となっている。
胎のほうが旺じているため、日干よりも年柱の丁(比肩)のほうが引力が強いというみかたができる。
双方に挟まれた壬(正官)は、年柱の丁(比肩)に引かれて日干へ及ぼす力は弱くなる。
この命式の均衡を保つには壬の働きが不可欠なのに、妬合で異なる方向へ引かれるために、命式全体の均衡を立て直すのが難しくなってしまう。
このように妬合の働きは、命式にとって必要な通変の働きを阻害することがある。