月令とは生まれ季節から助けを得ること
強さや勢いの程度を表す「月令(時令)」について取り上げています。
「月令を得ている」とはなにか
生まれた月の十二支が日干と同じ五行のとき、あるいは日干を強める五行のとき、「月令を得る」という状態になる。「旺じている」ともいう。
日干をはじめ、各干の旺・衰をみる条件のひとつで、生まれた季節から応援されて力を得ている状態を表す。
赤の◯で囲った箇所のように、日干と月支が同じ五行であれば、その日干は月令を得ている。
生まれ月の五行の考え方
月令を得ているか否かの判断は、下の図を見るとわかりやすい。
たとえば日干が「木」の人は、寅月・卯月生まれであれば月令を得る。
例外で、辰月生まれは月令を得ない。これは、各季節のおわりに巡る「土用」の生まれであることが関係する。
丑・辰・未・戌の月は、土の五行に分類され、土のエネルギーが最も旺じる季節になる。
各季節に約18日間ほど訪れ、世間で最も認知が高いのは夏の土用だ。
そのため、日干が「土」の人は、丑辰未戌のいずれかの月の生まれのときに月令を得ることになる。
また、これら4つの土用のことを四季月という。
月令の5段階 旺・相・休・因・死
日干の旺・衰の状態を知る指標である月令は、5段階に分けられる。
それが旺・相・休・因・死の5つだ。
左に行くに連れて最も生まれ月に通じて力を得ている状態を表す。
5つの段階は、五行図と同じ仕組みになっていると見るとわかりやすい。
月令早見表
上の図から、日干と生まれ月を照らし合わせると、旺相休囚死の段階を調べられる。
時令とは
日干が月に通じている状態 = 月令を得ている状態のことを解説した。
時令とは、日干が生まれた時の援助を得る = 時に通じている状態のこと。
月令のほうが多用されるが、時令も日干の旺・衰の観点のひとつなので覚えておきたい。
時令をみるための時柱は、帰宿の地という意味から「晩年期」を表している。
そのため、時柱に良い通変があれば良い子どもに恵まれ、良い生涯を送れるとみる。
時令のみかた
丙・丁の日生まれの場合、
時支が 巳・午・未 … 旺令
時支が 寅・卯・辰 … 相令
壬・癸の日生まれの場合、
時支が 亥・子・丑 … 旺令
時支が 申・酉・戌 … 相令
時令の旺・相・休・囚・死は、命式の最後の締めくくりの判断に加えると良い。
おわりに
四柱推命の面白いと思うところは、日干が世のため人のためになるかという観点においては、月令を得ていることと同義ではないという部分です。
例えば、甲の人は、月令を得る場合春の寅・卯月生まれとなります。
甲は大樹なので、世の役に立つためには材木として立派に育つ必要があります。
そのため、金の斧で木を切ってはじめて役に立てるとみるそうで。
寅・卯月の段階ではまだ立派に育とうとしている過程です。
秋の申・酉月になってようやく伐採します。
甲の秋生まれは月令を得ていませんが、命式の運命(宿命)を見る上では、月令を得ている春月生まれよりも人の役に立つ、貢献できる立派な人とみるそうです。
良い命式とは何かの定義がとても面白いです。